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一章:血の気の多い一族 その十二
やっぱり書きたくなりました。
「よし、じゃあ伶何か作ってよ」
美鈴は机にほおづえをついて伶を斜め下から見つめた。
「は、はぁ?」
「はぁって何よ。せっかくこうして来てあげたんだから何か作るのはとうぜんでしょ?」
「いや、待て。持久戦を受けるとは言ったがお前の飯を作るとは言ってないぞ」
美鈴はすっと荷物をつかんで立ち上がった。
「じゃあいいよ。ここ出ていくから。窓とドアの修理代でも払ったら?」
「すいません。ここにいてください」
「それでよし」
美鈴は満足気ににやりと笑った。
「なら、作ってくれるわよね?」
「あぁ分かったよ。作ってやるよ。これで満足か?」
「じゃあすぐに作業に取り掛かってよー。あ、手抜いたら出てくからねー」
のんきな声を背に伶は台所に向かった。
怒られませんように…。