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実験台

#twnovel 12月9日

 博士は尋ねた。


「君が身体が雲母になってゆく病だと言ったらどう思う?」


 助手はうっすら笑って答えた。


「指先がヒラヒラと剥がれ落ち煌めくのを眺めながら、博士の研究は美しいと狂います」


 博士はまた尋ねた。


「君が砂糖の結晶になってゆく病だと言ったらどう思う?」


 助手はまたうっすら笑って答えた。


「指先を貧しい子供にしゃぶらせながら、博士の研究はなんて美しいのかと狂います」


 博士は腕組みして難しい表情をした。


「なんということだ。君を実験台にすると、君は私の実験を受け入れるが、必ず狂うらしい。私は一番の理解者である君を必ず失うことになる」


 博士が悩む様子を、助手は微笑んで眺め、促すように口を開いた。


「博士の研究は美しい。けれど、最も大切なのは、今博士が悩んでいることなのです。新しい病の実験で、どんなことが博士に起こるのか。その予測が人々のためにもなるのです」


 そう言って、助手は実験台の手枷に嵌められている手をぴくりと動かした。

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