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留守番


「総司、団子食おうぜ!!」




喧しい声に。

目が覚めた私。




「良いですね」




どやどやと。

総司の部屋に。

やって来たのは。

左之と平助。


僅かに感じる。

甘い匂いと。

お茶の香り。


煩さも手伝って。

私はのそのそと。

押入れから。

這い出した。




「あれ? セイってば、総司の部屋に居たんだ」




私を見て。

驚く平助。




「土方さん達が、大阪行っちゃってますしね」


「それでも総司の部屋って…… 意外」




左之も。

不思議がる。


私だって。

ここに居たい訳じゃ。

無いけど。

土方さんの部屋は。

火の気が無くて。

寒いし。

うううぅ……




「この状態で、土方さんの部屋においとく訳にもねぇ」




総司の。

苦笑いが。

なんか。

むかつくっ!




「さて、食いますかぁ」


「美味そう!!」




それは嬉しそうに。

団子を。

頬張る三人。


むぅ

私も。

お腹空いてるのにぃ


私は。

よたよたと。

置かれた団子に近づく。




「何だ? セイも食いてぇのか?」




左之の声を。

聞きながら。

私は。

すんすんと。

鼻を鳴らす。


甘い匂いが。

鼻腔を刺激して……


びぃええぇっくしょいぃ!?




「おまっ、くしゃみぃぃ!!」


「鼻水飛ばすなぁ!!」


「団子は死守しました」




盛大な。

私のくしゃみに。

飛び散る鼻水。


総司はすかさず。

団子を避けたけど。

お茶は。

全滅した模様。


はぁ~……

だるいっ


その場で。

くにゃりと。

横になる私。




「まだ熱いな、自分が飯食えねぇからって八つ当たりか?」


「しょうがないから、茶を淹れなおして来る」




左之は。

苦笑しながら。

私を撫で。

平助は。

溜め息をつきながら。

立ち上がる。




「まったく、土方さんが出掛けた途端に風を引くとか……」




喉の奥で。

笑う総司。

むあぁ

むかつくうぅ!




「分かりやすいと言うか、可愛いですね」




………………。

可愛いとか。

うん、ちょっと、やっぱり。

治るまで。

ここに居てやるか。




「土方さんが帰って来るまでに、治さないとね」




もうだるくて。

大人しく。

撫でられる私。


喉痛いし。

鼻もおかしいし。

熱くてフラフラ。


でも。

お腹空いたなぁ


くすん……




.

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