表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/26

続・鴨鍋の具


うにゃうにゃ……

ぬくぬく……


今日は。

鴨ちゃんの。

左袖の中。


のんびり。

まったり。

ウトウトしていたら。

何やら。

怒鳴り声。




「煩い」




鴨ちゃんの。

低い声と共に。

袖ごと転がる私。




「ぬおおぉぉぉっ!?」




鈍い音が。

二つして。

呻き声が。

二人分。


気になって。

袖口から。

にゅるりと顔を出すと。

鴨ちゃんの右手に。

鉄扇が見える。


正面を見ると。

頭を抱えて。

畳に突っ伏した。

錦とゴロ。


お腹を抱えて。

笑う健ちゃん。

何事も無かった様に。

お茶を。

静かに啜る。

平間さん。


………………。

何があったか。

分かった気がする。




「芹沢さん! こいつが饅頭を……」




お互いを指差し。

同じ台詞を叫ぶ。

錦とゴロ。


しかし途中で。

振り上げられた。

鉄扇の威圧で止まる。


何やってんだか……


私が。

のそのそと。

袖口から。

出ようとしたら。

ゴロと目が合った。


あ……


途端に。

青い顔になり。

震え上がるゴロ。




「ぎいぃやああっ!! 猫おぉぉ!?」


「ぐえっ!?」




ゴロは。

錦の襟首を引っ掴むと。

そのまま。

凄い勢いで引き摺って。

部屋を飛び出した。




「何で俺までえぇ!?」




錦の叫びが。

遠ざかって行く。


健ちゃんは。

畳に転がり。

笑い過ぎて。

痙攣してる。


思わず。

固まってた私。

気を取り直して。

鴨ちゃんを。

見上げた。




「これで静かになった」




そう言って。

私の頭を。

撫でる鴨ちゃん。

そして。

錦の饅頭を。

取り上げた。


ふと、前に向き直ると。

平間さんが。

ゴロの饅頭に。

手を伸ばしていた。


この人が。

何かに動じるの。

見た事ないや……


錦とゴロの。

饅頭は消え。

健ちゃんはまだ。

悶えてる。


私は。

鴨ちゃんの。

ゴツゴツした手で。

撫でられながら。

つくづく思った。


土方さんは。

ピリピリ警戒してるけど。

結局。

総司や三馬鹿と。

やってる事は。

大差ないよね。


うん。

面白い!


だから。

ここに来るの。

止められないんだよね~




.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ