Coll Me!!
Call Me!!
「はーじーめくーーーーーん!」
俺、三嶌 一の一日はこの大声で始まる……
「なんだ、まだ6時だぞ?」
こいつは東雲 弥生幼馴染で……俺の恋人である。
「一君!早く着替えてよ!」
「今から着替えて何をする?学校まで2時間近くあるぞ?」
「いいじゃん私は一君といる時間が増えて嬉しいよ?」
「はぁ、まぁいい着替えるから出てくれ」
「はーい♪」
~着替え中~
なぜあいつはあんなに元気があるのだろう?
朝に弱い俺はあいつの声でぱっちり起きる、でもあいつを迎えに行く手間が省けていいか、
「一君?着替えたぁ?」
「あぁ」
「じゃあ入るね?」
「あぁ」
「……一君って何でそんなに無口なの?」
「あんたがうるさいだけだろ?」
「……」
そういうとあいつは少し残念そうな顔をして俯く
「どうかしたか?」
そう尋ねるとすぐに顔をあげて微笑む、
「ううん、何にもない」
「そうか?」
「一君!それつけてくれてるの!?」
「?あぁ、あんたからもらったから、な」
それはキーホルダー、ただのキーホルダーではなく
小さな時計を持ったキャラクターで文字が彫ってある『Call Me』と…
何でこんな文字が彫ってあるのかは分からないが
こいつからもらったものだから鞄につけている。
「うれしいな!!」
そうやって無駄話をしているうちに二時間はあっという間で
「そろそろいくか。」
「うん!」
~登校中~
「三嶌!おはよう」
「あぁおはよう」
「一君相変わらず人気者だね」
「そうか?」
「そうだよ!」
そうやってまたにっこりほほ笑む
「おまえはよく笑うな」
「……そう?」
「今日10回目の笑顔だ」
「数えてたの!?」
~そんなこんなで学校~
なぜかあいつは最近ときどき暗い顔をする
なぜだろう?俺に不満でもあるのか……
分からない…
「一君!」
「なんだ?」
「学祭準備だよ?」
「あぁ行くか」
「うん!」
「弥生~あんたって本当に三嶌好きだよね;」
「雪ちゃん!当たり前じゃん、たぶん嫌いになんてならないよ」
「たぶんだって?三嶌」
「……」
「あっ拗ねた」
「だって一君…ゴニョゴニョ」
「ん?それほんと!?三嶌~それはがんばれ!」
「?何がだ?」
「自分で考えなさ~い」
「雪~こっち手伝ってくれ」
「はーい」
何なんだ?何をがんばるんだろう?
「一君!雪の言ったこと気にしないでね」
「あ、あぁ」
その時あいつがまた…暗い顔をした
「……」
それから授業中あいつはずっと暗い顔をしている。
~放課後~
向こうにあいつの姿が見える、俺は一緒に帰るために呼んだ
「おーい」
手も振ってみた
「?」
あいつと目が合ったこちらには気づいているはずだ…
「なぜ来ない?」
あいつが向こうで膨れているなぜだろう?またく分からない
あいつが走ってこっちに来た…
「なん…パシッ
頬を叩かれたそんなに痛くはなかった
「一君…何も分かってない!!」
「何がだ?わけを話さないと分からない…」
「一君…本当に無口、無口過ぎてきらい」
「!?無口って、もっと話したいとかそんなことか?」
「違う…」
「?俺はあんたに何をすれば…「違う!!全然違う!」
急に出した大声に心臓が揺れる
―――――泣い、てる―――――?
「な、何で泣いて」
「もういいよ、一君分かってないんだもん!」
そう叫んで走り出す。急に走り出したからびっくりして手からするりと
鞄が落ちる、衝撃であのキーホルダーが開いて文字が見える
Call Me―――――――――
そういやあいつが言ってた言葉…
『一君!これ誕生日でしょ?あげる!ちゃんと考えてよね?』
『考える?何を?こーるみー?私を呼べ?』
『そう!この意味がわかったら一君にチューしてあげる!』
『!?ど、ど、どどどういう意味で』
『一君顔真っ赤!冗談だよ!でも考えてよね?』
――――――「私を呼べ?」
「三嶌!」
「雪?」
「!!もう、あんたって本当に馬鹿だねぇ」
「お前も何なんだよ;バカっておれがあいつに…」
「そこ!!そこがばかなの!ちゃんと読んだの?それ」
雪はキーホルダーの文字を指さす
「読んだ、こーるみー、??」
「はぁ呆れた…じゃあね、は、じ、め、くん!」
「!!なるほど俺は相当な馬鹿らしい」
雪は満足そうに帰って行った
「急ごう」
走った、息を切らして走った
そして着いた先にあった表札の文字は『東雲』
ピンポーン
ガチャ
「はい、どなた…!一君」
「……俺は馬鹿だ」
「なに?いきなり…もういいって言ったじゃん」
「馬鹿だけどもう馬鹿じゃない」
「だから、一君は何も分かって…「弥生!」
「!!一君?」
「弥生、さっき言ったばかりだろ?もう馬鹿じゃない、弥生」
「一君には一生分からないと思ったよ」
微笑みながらこちらへ歩いてくる
ゆっくりと抱き合う二人
「弥生」
「ん?なに一君?」
弥生が顔をあげた瞬間
ちゅ
触れるだけのキス、
「は、は、一君!?」
「キス、してくれるんじゃなかったのか?」
「いや、それは分からないと思って冗談で……」
「冗談には思えなかった」
「…もう」
「なんか、呼んでほしかったけど…呼んでもらったらなんか不自然」
「もう、ずっとこれで行くから…弥生」
「一君」
これからもずっと
『Call Me』