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第6話〜紫金国への道中②中紫宿場町〜中紫軍野営地〜

馴染みの宿屋で一泊した後次の目的地である野営地に歩を進める、この野営地は軍が運営してるものだが徒歩で紫金国を目指す旅人には一泊の宿として開放されているのだ、流石にちゃんとした宿泊施設では無いのであまり快適では無いが国が好意で開放してくれているのでそれを利用しない訳にはいかない。


ちなみに馴染みの宿屋の朝食は納豆と米飯(流石に精米された物ではなく玄米に麦入りだった)で何か最近目覚めた日本人ソウルが爆発して数杯おかわりしてしまった、宿屋の人に珍しいと言われた。


さてさて、今日も今日とて空を眺めながら歩く

この何も無い時間が「キャーッ!」···終わったよ


アイテムボックスから双眼鏡を取り出し辺りを探索、叫び声が聞こえたせいで一部の冒険者達も周りを探索し始めた


「見つけた」


近くに居たレンジャーらしき女性冒険者が一方向の先を指差す、俺と冒険者達はそちらに目を向けると紫の髪のなんとも高貴そうな女性が野盗?刺客?みたいなのに追われてる


ハァ···と溜め息を吐きながらアイテムボックスから弓を取り出す


「貴方関わるの?多分厄介事よ?」


と、レンジャーの女冒険者が行ってきたので


「とりあえず気付いてしまった以上無視するのは心情的になし、なら関わるだけ関わるさ」


「変わり者ね」


とか言いつつレンジャー冒険者も狙撃銃を構えている


「それはお互い様だろ」


「そうね、我ながら損な性格だわ···私達で口火を切ったら私の仲間が突っ込むだろうから、まずはあの貴人に1番近い悪漢2人を撃つわよ」


「了解、【鷹の目】【射手の一矢】」


目にバフがかかり弓を引く手に力が入り手から魔力が矢に伝播する


バフのかかった目が悪漢の心臓を標的に定める


「···私は右」


「OK、なら俺は左だな」


短い言葉を交わしその瞬間を待つ


「今!」


「!」


レンジャーが引き金を引くのと同時に弓を放つ


一直線に銃弾と矢が悪漢の心臓と頭部に到達する、それと同時にレンジャーの仲間達が女性を保護し殺到してきた悪漢達を持ってた斧とレイピアであっという間に制圧してみせた


「貴方、良い腕ね」


「それほどでも」


「でも、貴方も中央国から来たんでしょ?冒険者ギルドじゃ貴方を見なかったけど」


「そりゃそうだ、俺はポーターだよ」


「嘘···荷運び士でそんなに腕が良いの···」


「くぐった場数が違うから、かな、これでもアラサーだぜ俺」


「うっそ、全然見えないんだけど私よりちょうど一回り年上なの!?」


「って、なるとお前さん18か」


「む、女性に年の話はタブーよ···合ってるけど···」


「悪い悪い、18にしちゃ良い腕だ」


「そ、ありがと···ああ、名前言ってなかったわね、シノンよ」


「レオだ、レオ・アトラス」


互いに自己紹介し握手を交わす


「アトラスって言ったら錬金薬の大手じゃなかったかしら、それがなんでポーターを?」


「ん?俺錬金術の才能はカラッキシでさ、15になったその日に家から放り出された、んで墓は建ててやるけど帰ってくんなって言われてる」


「あら、聞いちゃいけない事だった?」


「うんにゃ、もう折り合いつけてるしなぁ···錬金の才能はカラッキシだったけどその分ポーターとしての才能に溢れてたもんだからまあ、良いかってなったし」


「そ···あ、仲間が戻ってきたみたい」


「シノンちゃーん、悪漢達の尋問とかも終わったよー」


「お疲れ、ユミ」


「オジさん良い腕だね、冒険者?」


「その人はポーターよ、アスナ」


「え!?ポーターなのにシノンと同じくらいの狙撃の腕持ってるの!?」


「そ、驚きよね、本人曰く場数が違うんだって」


「言うて俺の狙撃はバフありきだしな、バフも無しにあの距離を当てるシノンちゃんは凄い」


「ちゃん付けは止めて、なんかむず痒い」


やいのやいの話していたらおずおずと紫髪の貴人近寄ってきた


「お、無事だったかい」


「はい、ありがとうございます、(わたくし)リン·パープルと、申します」


「パープルって···」


「ああ、紫金国の王族の姓だ、そんな大物が出てくるとは思ってなかったな···」


ちなみに中央国の王族の姓はセントルである、まあ、それは置いといて


「こりゃ、紫金国ヤバいか?」


「そうね、ヤバいのが丸わかり」


「ええ、実は数日前、紫金国では政変が起こりまして···」


「数日前···原因はやっぱりあれか、冒険者ギルドとその他ギルドの軋轢、ついでにその事に不満を持ってデモを行なっていた団体を武力制圧」


「はい、長らく不平等だと叫ばれていたので私はその不平等を是正する為に働いていたのですが···」


「手腕か、はたまた時間が足らず政変が起きてしまったと」


「はい、恥じ入るばかりです」


「あ、ちなみにさっきの悪漢達は刺客とかではなく普通に野盗だったよ···まあ、野盗がこんな街道近くを闊歩してるから紫金国の治安維持が追いついてないんだろうね」


「となると、次の宿泊地に予定してた中紫軍野営地は使えないかもな···こっから直近の馬車停ってどこだったか···」


「宿場町が1番近いわね、ここまで来て引き返すとなると最悪夜になるかも」


「でも戻らない訳にはいかないか···いや、俺だけなら大丈夫か···シノン」


「何かしら?」


アイテムボックスから金貨の入った袋を取り出しシノンちゃんに渡す


「俺からの依頼だ、リン様を中央国まで護衛してくれ、冒険者ギルドに聞かれたら最悪アトラスの名を出してくれても構わない」


「···分かったわ」


「シノンちゃん!?」


「ちゃん付けは止めてってユミ、異常事態につきその依頼受諾します」


「頼む」


「オジさんはどうするの?」


「俺はこのまま中紫軍野営地まで向かう、紫金国軍は居なくても中央国軍は居る、で、中央国軍にはある程度顔が利くからな、ポーターの顔の広さ舐めんなよ」


「分かった、無事で居てねオジさん」


「なーに、このぐらいの鉄火場は何度か経験がある、安心しろ」


そう言ってシノンちゃんパーティとリン様に背を向け走り出す、厄介事だよ畜生!





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