第10話〜紫金国の城で〜
ポーションを配り終えた後ユウ君、いやユウちゃんか、ユウちゃんを伴い紫金国の城に入城する、で、案内されたのは謁見の間ではなく個室
「あら?関所破りを追求されるかと思ったんだが···」
「緊急事態での緊急措置なのは伝わってますよ、先程中紫軍野営地から通信が入りましたんでね」
「先程っていうと···?」
「ちょうど僕が宣誓をする直前ですね、シルヴィア将軍から「緊急事態故、緊急措置でレオ·アトラスがそちらに飛びました」と」
「ああ、成程」
「向こう見ずな所は変わらんな、アトラス」
個室の奥から聞こえてきたユウちゃん以外のしわがれた声、マジか、影になってたとは言え全然気づかなかったんだけど、とそこまで考えたらスコーン!と勢いよく杖で頭をはたかれた
「あいった!何しやがるクソジジイ!」
「時空間魔力を無闇矢鱈と使う馬鹿弟子にはこれぐらいがちょうど良いわい!」
と、頭を杖ではたいてきた爺さんに対して悪態をつくと即座に反論が飛んできた、この爺さんが俺の師匠、ブレインだ、齢80にもなるが未だに全国隠密連盟の頭領張っている老いて尚盛んな好々爺である。ちなみに俺の時空間魔力適正とそのデメリットを最初に見抜いたのもこの爺さんだ
「それで?今回で何回目だ?」
「え〜と···爺さんと別れてからだと···5回」
と、そこまで言った所でスコココココーンと間髪入れずに頭に杖が飛んできた
「あたたた!?」
「全く、ワシより先に死ぬ気か、馬鹿弟子」
「そりゃ、あんたより先に死ぬ気はねえけどさ」
「5回ということはもう5年寿命を削っとるんじゃ、人が100まで生きるとしてそこから天引きされた寿命は戻らんのじゃぞ!」
そう、これが時空間魔力のデメリット、距離問わず1回使う度に寿命が1年縮む、俺の寿命はすでに70までしかない
「全く···こんな調子でお主の子供を抱ける時は来るんかのう···」
「まあ、子供に関してはまだ待ってくれ···相手が居ない」
「とか言いつつお主に粉掛けてる女の子は何人かおるじゃろ、そこのユウも含めて」
「はへっ!?ぼ、ぼぼぼ、僕はその···あの、あぅ···」
急に話を振られたユウちゃんは大層動揺している
「それに、その、僕と結婚してしまうと···その、王配になってしまうので···」
なんか凄い言葉が飛び出てきたぞ
「え、ユウちゃん、王位継ぐの?」
「あ、はい···その今回の事で父母である紫金国王と女王が引責辞任するので、本来第1王位継承権を持つリン姉様が今行方不明なので自動的に第2王位継承権の僕にお鉢が回ってきて···」
「ん?リン嬢ならこいつが保護しとったぞ」
と、飄々と答えるブレイン翁
「え!?ホントですか!?」
と、掴みかからん勢いで距離を詰めてきたユウちゃん
「近い、近い···まあ、そうだよ中紫宿場町と中紫軍野営地の間の街道で保護した、今は信用出来る冒険者に護衛お願いして中央国まで送ってもらってる」
「はぁ〜〜〜〜···良かった、リン姉様が無事で」
ヘナヘナと腰を抜かしたユウちゃんをとりあえず椅子に座らせる
「というか、ブレイン翁何処でその情報を···」
「隠密が情報伝達の仕方を教えるとでも?」
「へいへい、聞いた俺が悪かったよ」
「え〜、ゴホン···レオ兄が関所破りしたのは流石に看過できないんで3日程この城に軟禁させてもらいます」
「あいよ、寛大な処置ありがたく」
と、言う訳で3日程城での生活を余儀なくされてしまった




