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夏だ!ワッショイ!なろラジ演日!

作者: 佐藤そら

本日はおまけ

第361回放送のなろラジ企画『夏だ!ワッショイ!なろラジ演日!』で注文されなかったけど、実はこんなお品書きがありましたスペシャル!

かき氷・金魚すくい・たこせんのシチュエーション

ちょっとしたやり取り×5つ

◯高校生クラスメイトの男女


 今日は、気になるクラスメイトの彼に誘われ、私は縁日に来た。


「ねぇ、次、何食べるぅ?」


「俺はどうしよっかなー。あ、かき氷とか!どう?」


「いいねぇ!」


「俺ブルーハワイ!」


「じゃあ、私はいちご練乳!」


 私達は、冷たい氷を頬張った。


「やっぱ夏は、氷だよなー」


「そうだねぇ」


「てか、ブルーハワイって一体何味なんだろうな?」


「え、知らずに頼んでたの?」


「んー、夏って感じの色だから?へへっ。なんか、いつもこれにしちゃう」


 彼は無邪気に笑った。


「お前のさ、一口ちょうだい」


「へっ!?な、なんで……!」


「え?どっちも食べれたらお得だろ?俺のもやるからさ」


「うっ、うん……」


 なんだか妙にドキドキする。


「いちご練乳うめぇー!」


「そうでしょ?でも、抹茶練乳も食べたかったなー」


「なら、来年来た時は、抹茶練乳にしようぜ?」


「へっ!?」


「ん?」


「いや、なんでもない……」


 来年も、一緒に来れるんだ……!?

 冷やしたはずの体が、熱を帯びていくのを感じた。




◯男の子×お姉ちゃん


「あー!やぶけちゃった!!」


「ほらー、大きいのすくおうとするからぁー」


「だって、あれが欲しいんだもん!!」


「あの出目金は難しいよぉ」


「いやぁーだ!絶対あれが欲しい!!もっかいやるぅ!!」


「えー」


「じゃあ、お姉ちゃんがアレとって!!」


「もー!しょうがないなぁ。じゃあ、お姉ちゃんスペシャルだ!!」


「わーい」


「おっしゃー!やったるぞぉーー!」


「いけぇー!お姉ちゃん!!」


「とっりゃー!おっりゃー!」


「すごい!すごい!いっぱいとれてるぅー」


「はい!出目金、とれたよ」


「ありがとう!」


「えっへん!」


「お姉ちゃん、だーい好きっ!!」




◯久々に地元に帰って来た近所のお兄ちゃん×昔からお兄ちゃんに想いを寄せている女の子


「くはぁあ!やっぱ、ビールはうまいなぁー」


「おじさんか!」


「そりゃもう、すっかりおじさんだよ。いつぶりだ?こうやってお前と縁日に来るの。昔はこんなにちっちゃかったのにな?」


 久々に地元に帰って来た近所のお兄ちゃんは、すっかり大人になっていた。


「すごい人混みだね」


「手繋いでやろっか?」


「へっ!?」


「迷子にならねぇーように」


「私、もうそんな子供じゃないから!」


 強がって、思わずそう答えてしまった。

 お兄ちゃんの中では、私はいつまでも子供扱いだ。


「お、たこせん食おうぜ!すみませーん、たこせん2つ」


 たこせんを受け取ると、お兄ちゃんは、すぐに頬張った。


「熱っ!出来立てだから、お前気をつけろよ?猫舌だろ?」


「う、うん。あっ……お兄ちゃん、口元にソースついてる」


「ん?……とれた?」


「ちょっと、こっち見て!」


「へっ……!?ちょ、何すんだよ……!!」


「はい、これでとれたよ!……お兄ちゃん?どうしたの?」


「な、なんでもねーよ!次、い、行くぞ!」




◯異世界から縁日に来た冒険者×恋人に振られてしまった女性


「あーあ。振られちゃった……。わざわざ夏祭りで振ることないのに。花火の音も虚しく聞こえる」


「お嬢さん、大丈夫ですか?」


「えっ!?」


 振り返ると、見なれない装いの男が立っていた。


「お嬢さん、泣いてる!?もしかして、魔物が出ましたか!!」


「えぇ!? いや、これは、その……」


「僕は冒険者です!」


「ぼ、冒険者!?」


 言われてみれば、腰には剣があり、その装いは、私が読んでいる本の中のS級冒険者のようだった。


「近頃、魔物に遭遇しない。僕は、どうやら知らない世界に来てしまったようだ」


「なら、冒険者さん、私と冒険してみる?」


「えっ!?」


 私は冒険者と屋台へ繰り出した。


「私かき氷食べたい!」


「かき氷??」


「冷たくて、美味しいんだよ!」


「水をわざわざ凍らせて、削って食べるのか!?」


 不思議そうに、彼はかき氷を見つめ、一口食べる。


「美味しい!なんて美味しい食べ物なんだ!」


「ジャジャーン! マイ練乳!!」


「それは?」


「これをかけると、もっと美味しいのよ!」


 私は、かき氷に練乳をかける。


「なんだこれは!?美味しい!さらに甘くて美味しいぞ!」


「ちょっと、そんな急いで食べたら、頭キーンってなるよ!」


「うぉおお!!なんじゃこりゃぁあ!!頭が…頭がぁあ……」


「ほら、だから言ったじゃなーい!」


「うむ、これは、新たなる冒険の始まりだーー!」


「たまやーー!」


「お嬢さんが元気になってよかった」




◯幼馴染の男女


 昔から、毎年一緒に行く縁日。

 俺にとっては、いつもの光景だった。

 家が近所で、小さい頃からよく遊んでた。幼馴染というか……まぁ腐れ縁だ。


「ねえねえ、金魚すくいしようよ」


「えー、とって飼えんのか?」


「私が飼いたいの!」


 ポイを水に濡らし、俺は彼女と金魚をすくう。

 突然、彼女が言った。


「私ね、実は先輩と付き合うことになったんだ」


「えっ!?まさか、あの3年のサッカー部の?」


「うん、そう……」


「なら、俺とこんなとこ来ててよかったのかよ!」


「うん……。だから、こうやって会うのは今日が最後かも……」


 急に、彼女の横顔から目が離せなくなった。

 知らない感情が込み上げてくる。

 いや、気づかないふりをしていただけなのかもしれない。


「あっ!あーあ、やぶけちゃった。でも、私3匹ゲットしたよー」


 彼女は俺に微笑んだ。

 当たり前は、当たり前じゃなかった。


 俺のポイから、するりと金魚が落ちる。

 ポイと共に、何かが音もなくやぶれた……。

お好みの品はありましたか?


トライアングルレッスンウィーク!

改めて、今回もありがとうございました!!

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― 新着の感想 ―
5作品もお疲れさまでした。 男の子✕お姉ちゃん、お二人に演じてほしかったです。 お好みは幼馴染の男女です。当たり前は当たり前ではなく、ポイと共に何かがやぶれたいうラストの表現が切なくて好きです。
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