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第6話 ある日の午後

 ある日の昼食が終わると、EMIが話しかけてきた。

「あなた、この頃は白髪が多くなってきたわね。美容室に行って染めてみたら?」


「昔から美容室は苦手なんだよね。行くの恥ずかしいし、一度も行ったことないよ。そう言えば、会社時代の若い連中は、みんな美容室に行ってたな……」


「気分変わるかもよ。行ってみたら? なんなら連れて行ってあげようか」


「この俺が美容室か。恥ずかしいな……。EMIに切ってもらおうかな。EMIならどんな注文しても変に思わないよね」


「じゃあ、やってみようかしら。あまり自信ないけどね」


 床にシートを敷いて、純一を丸椅子に座らせると、EMIの指先のハサミは正確に髪を整えていった。開始して30分程で調髪は終わり純一の髪は綺麗に整っていた。


「はい、私の好みに出来あがりです」


「ありがとう。サッパリしたよ。EMIは、何やっても上手だね」


「あなた……これから、お友達とお茶を飲みに行きたいんですけど、良いかしら? 夕ご飯までには、買物をして帰りますので」


「たまには、外でゆっくりして来たら良いよ。いつも、EMIは忙しいからね」


 時々、EMIは『友達とお茶を……』と言いながら出掛けて行くことがある。もしかしたら、それはEMI自身の定期メンテナンスだったのかもしれない。純一は久しぶりに、EMIの居ない時間を、途中になっていた読書をしながら過ごした。EMIは、夕方5時過ぎには買い物袋を下げて帰ってきた。


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