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水ノ神  作者: Xion
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水ノ神

「ねえ、ミズチさん。たまには宿に泊まりません?」

普段なら宿なんて取らないのだが、今日は特に疲れていたので、宿に泊まることにした。

市場を出て、近くの宿場町に行った。

宿について一旦休むと、ワダツミから、

「ところでなんでテレポートしなかったんですか?」

「疲れすぎて忘れてたの!それに多分疲れすぎてたからテレポートする力なんて残って無かったよ」

疲れを取りながらテレポートの原理を調べると、空間を操る力だということがわかった。この力を使えばもう荷物の運搬には困らなくなる。だって虚数領域に入れたものを必要な時に実数領域に持ってくればいいのだから。

「お客様、ご飯の時間になりましたが・・・」

「ああ、はい。すぐ行きます」

手早く着替えてから一階にある食堂へと向かった。

「本日のメニューは、当店自慢のシチューでございます。」

そのシチューは牛肉と鮭のシチューだった。

素朴な味わいながらもクリームがほんの少しの贅沢さを出し、鮭は崩れそうになるまで煮込んでクリームの味を染み込ませている。牛肉もクリームと合うちょうどいい厚さにカットされている。その美味しさは、なんでこんな所で売っているんだろうかと疑問に思うほどだった。シチューを食べ終わってのほほんとしていると、悲鳴が聞こえた。僕はすぐに短剣を手に取り、ワダツミと共に外へ飛び出した。

最初に目に入ったのは凄まじい稲光、そしてバサル王国の軍だった。

その軍隊も、次々と稲妻に撃ち抜かれてしまった。

残った数少ない軍人の一人が

「城に行って能力者特務部隊を連れてきてくれ!頼む!」

と言って軍から渡された懐中時計のようなものを渡された。

テレポートをしようと思ったが、行ったことがないところには行けないらしい。走るしかない。

市場の奥の森を駆け抜けて、城にたどり着いた。

「能力者特務部隊を呼んでください!」

「なんだ、お前は、とっとと失せろ!」

「これを預かって来ました!」

そう言って懐中時計を見せると、門番が

「それはアームストロング大佐の懐中時計じゃないか!」

と叫んで奥へと走って行った。数秒たってから巨漢とその部下達が城から出て来た。

「問題が起こったのはどこだ?」

と問いかけて来た。

「森を抜けたところにある市場です。」

「協力ありがとう。あとはこちらでなんとかする!」

彼らはすぐにテレポートして市場に向かった。

「私達も生きましょう、ミズチ。」

「うん」

市場にテレポートすると、アームストロング大佐が雷を帯びた剣を刀で受け止めている様子が目に入った。能力者特務部隊も雷の攻撃に手を焼いていた。同時に二つの事ができるなんてとワダツミが呟くと同時に、先ほどの巨漢が悠然と近づいていった。雷の力を持っている男の目にも映っているようだが、何もせずに見ているだけだった。巨漢が頭に手を乗せると、やっと男が気づいたようだが、すぐに気を失ってしまった。

「こいつを拘束しろ!」

と巨漢が叫ぶとすぐに草木を操る力を持っている者が蔦を巻き付けた。

そうして特務部隊の人たちはすぐに城へと歩いて帰っていった。



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