3話
視界が真っ白に塗りつぶされている。まるで夢のように心地良い。
「一一」
ん?なんだ?声がする
「一ぁ一ぃ一」
どこか、とても懐かしい声だ…
「ロッド!朝よ、起きなさい!!」
「はっ」
ここは………そう、見慣れた部屋だ。俺の部屋。そして、俺を起こしたのは母さん、、なんで母さんが、、、、
「何よ、死人に会ったみたいな顔して…。ほら、さっさと起きて顔洗ってきなさい」
「う、うん」
そうか…夢だったんだ、そうか、うん。、、、
にしても酷い夢だったなぁ。だって母さんが…母さんが…
気がつくと、目から一滴の涙が流れていた。
「どうしたの?何か辛い夢でも見たの?
まぁ、昔からアナタはよく泣く子だったけれど。」
母さんは困ったように笑って俺の…いや、ぼくの涙をぬぐってくれた。
顔洗って、食卓につく。今日の朝ごはんは、茹でた芋と豆のス一プ
一般家庭よりは貧相な食事かもしれないけど、ぼくはこの母さんのつくった豆のス一プと、なによりこの時間が大好きだった。
「「いただきます」」
母さんとの二人で食べるこの時間が。
父さんは幼い頃病気でしんじゃった。それから母さんは女手一つでぼくを育ててくれた。
ごはんを食べ終わり、その瞬間を見計らったかのように窓の外から声がした。
「ロイドとニ一ナだ‼」
ぼくは椅子を飛びおり、玄関に立て掛けていた小さな木の棒を手に取った。
「いってきま一す!」
「いってらっしゃい。気を付けてね」
「うん!」
◆
ロイドとニ一ナは産まれたときからいっしょの幼馴染みで親友だ。
「今日は何して遊ぶ?」
「騎士ごっこ!」とロイド 「えぇ、また?お花つみにいこうよー」とニ一ナ
結局、騎士ごっこの次に花摘をすることになった。
「我が騎士ロイド!将来は伝説の勇者様になるおとこだ」
「じゃあ私は素敵なお嫁さん!」
「それは騎士かんけーないだろ!」
「ぼ、ぼくは母さんやみんなを守れるくらい強い騎士になる!」
『よく言うよ、結局おまえは何も守れなかったじゃないか』
どこからか声が聞こえた。
それに、、何でそういいきれるんだよ…
『そりゃ…』
「ロッド、ごめんなさい」
後ろから急に母さんが現れる
「ど、どうしたの母さん?」
「急にお使い頼まれちゃって。あ、ロイドくんとニ一ナちゃんもついてきてね」
そして、三人が僕から離れていく…
「ロッド、先に言ってるわね?」
「まって、まってよ!母さん!『ほら、結局おまえ何も守れなかったじゃないか』」
また同じ声が聞こえる。さっきからなんなんだ‼誰だおまえ!
俺か?
“俺はお前だよ”
◆
「はっ」
夢か……
『おぉ、やっとおきよったか。道端で半裸で倒れてる人がおる一って通報があってな。そろそろ救急車もくるさかい安心してな!』
ん?
ブルーサラマンダ一のような色をした珍妙な服を来たオッサンが魔族語で語りかけてくる。
なんだコイツ…変態か?変な格好しやがって…
ヤバイヤツには関わらない方がいいな……ん?なんだこの見慣れぬ景色…
な
「なんだ…ここは…」
身の回りには天をつくような塔ばかり。
謎の石板を持ち歩く人々…
四角い箱のような魔物たち…
俺はただ目の前の光景に唖然とするしかなかった。
「俺は、、、神々の世界にでも、、来たというのか…」
そこは、まごうことなき日本 東京のど真ん中だった。
あいにく東京都民じゃないので、適当です。憧れによって美化されてるまである