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第3話 『喫茶こもれび』改造計画!

「さて、ここからはどうやってこの喫茶店を盛り上げていくかだが。みんなの意見を聞きたい。」

ブレンドさんがその場を仕切ってくれる。

私はカウンター席に腰掛け、精霊のみんなと今後の展開について話し合っていた。

「その前に1ついいですか?」

みんなの顔を見渡して気になっていることを聞いてみる。

「あの、皆さんはずっとそのままの大きさなんですか?」

これからお店を手伝ってもらうにはみんなの背丈は小さすぎる。

「そんなのどうとでもなるって!じゃあみんな変身するか!いくぜっ!せーの!」

パチッ☆

モードの掛け声と共にみんなが同時に指を鳴らすとたちまち眩しくてキラキラした光に包まれた。すると今まで親指くらいだった精霊たちがみるみる大きくなっていく。

「わぁ!すごーい!」

「店を手伝う時はいつでもこの姿になるから安心しろよ。」

モードの言葉にみんながそうだ、というように頷いた。

「それじゃあ改めて今後の事を考えていくぞ。」

ブレンドさんがもう1度みんなに問いかけた。

「そーだなぁ。まず店をもっと新しくしたほうがいいんじゃねーか?」

モードが店の中を見渡して答えた。

(お店の改装のことまで考えてなかった!)

「あ、でも予算があまりなくて…。」

勢いよくお店の手伝いを名乗り出た割に自分のお財布事情が寂しくて凹む。

そんな私を見てパンくんがブレンドさんに提案してくれた。

「大丈夫ですよ柚さん。そこら辺は僕たちが魔法でパパッとやりますから!ねっ、ブレンドさん!」

「あまり魔法の力に頼るのは良くないんだがな。まぁいつも森を綺麗にしてくれているオーナーのためだ。なんとかするよ。」

パンくんのニコニコの笑顔に引っ張られるようにブレンドさんが苦笑いをした。

窓からずっと外を眺めながら考え込んでいた小倉さんが眼鏡を押し上げながらみんなの方に向き直った。

「客層は今は近所の年寄り連中が多いんだろ?そこをもっと老若男女色んな層をターゲットにしたほうがいいだろ。」

「あ、じゃあSNSに拡散しちゃおっかぁ。僕そういうの得意だからさぁ。ふわぁ。」

カウンター席で少しうとうと眠そうに欠伸をしたパフェくんがのんびりとした口調でスマホを取り出した。

(おお!最新機種!森の精霊恐るべし!)

そんなパフェくんを横目に見ながら壁に寄りかかっていたラテさんが腕を組みながら呟く。

「拡散するにしても何かこの喫茶店にしかない限定の品が必要なんじゃないか?」

(限定品かぁ。どんなものがいいんだろう。)

いまいち良いものが思いつかない中、自分のスマホをずっと見つめて何かを検索していたソーダさんが声を出した。

「それならクッキーなんてどうだ?日持ちもするだろ。」

「クッキーか!いいですね!どんな形がいいかな?」

キッチンを見に行っていたパンくんがワクワクしながら私の方を向く。

私は少し考えるとあることを思い出した。

「そういえば、この間テレビでフォーチュンクッキーのことをやってたんです。」

「フォーチュンクッキー?何だそれ?」

モードが不思議そうに首を傾げる。

「おみくじが中に入ったクッキーです。最近また人気が出ているらしいです。」

「おみくじねぇ。人間はおみくじ好きだしな。いいんじゃないか?」

新聞を読み始めた小倉さんが納得したように頷いた。

「中のおみくじは俺が用意しよう。お前らに任せるとロクなことにならんからな。」

この中では知性担当らしいラテさんがみんなに言う。

その時パンくんも何か思いついたように口を開いた。

「せっかくなら、その中に願いが叶うフォーチュンクッキーを混ぜるのはどうですか?」

「願いが、叶う、?」

「そうです。1日限定10袋くらいにして、その中の1袋に願いが叶うフォーチュンクッキーを混ぜるんです。」

「それが拡散されればまた客も増える計算だな。」

ソーダさんが感心したようにパンくんを見つめた。

「いいじゃんそれ。やろうぜ!」

モードが笑顔でパンくんの頭を撫でる。

嫌がるそぶりを見せながらもパンくんも嬉しそうだ。

他にも色々な意見が飛び交いながら『喫茶こもれび』改造計画は進んでいったのだった…。







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