その1
Gurpsというアメリカ生まれの汎用TRPGシステムがあります。
特徴の一つとしてはレベルやクラスが存在せず、キャラクターはCPを消費してサイコロなどといった乱数を用いず能力値や技能を決定し、様々な特徴を身につけ、キャラクターをプレイヤーの思いのままに(CP総計の制限の中で)設計することです。
小説家になろうの主人公が与えられるようなチートパワーもデータ中に存在し、CPを支払えばプレイヤーキャラクターに身につけさせることができます。
これらは非常に多くのデータが存在し、Gurpsで一番楽しいのはゲームプレイではなくキャラ作成とまで言われるほどです。
ここでは主にGurps基本システム(第三版)、Gurps百鬼夜翔(Gurpsのサプリメント。超自然能力を持った妖怪たちをキャラクターとするホラー要素のあるスーパーヒーロー物)を用い、なろうチート主人公キャラを遊ぶGurpsなろうを妄想してみました。
妄想が浮べば書き足します。
なろう主人公のCP総計
1000CP(割と弱めのなろうチート主人公)〜1500CP(かなり強いなろうチート主人公)
Gurpsのルールブックの説明ではCP総計25で一般人、100で経験と運次第で英雄になれる可能性を持った人間、500CPで超人、1000CPで自分のやりたいことは大抵実現できる半神とのことです。チート持ちなろう主人公
は世界最強になったり無双することも多いそうですので半神に匹敵するかちょっと上回るとしておきます。
キャラクター作成の指針としては、25CPで一般人キャラを作り、その後なろう主人公基本セット(必ず買うこと)にCPを消費した後残りでなろう主人公特典(特殊能力等)を身につけるのが一般的だと思います。
なろう主人公基本セット(475CP/575CP)
特殊な背景:なろう主人公である(200CP)
Gurpsの『特殊な背景』では、『世界を探しても超人が十数人程しかいない背景世界での超人』は200CP、一人二人しか超人がいないなら250CPに相当する特徴だそうです。
なろう主人公はデータ中に存在するあらゆる超常能力をCPを払えば身につけることができるものとします。
それに加えて、なろう主人公専用のインチキじみた能力(普通のゲームマスターは許可しないだろう代物)も身につけられます。
魔法やスキルといった超常能力が普通に存在することが多いなろう世界でも、なろう主人公は更にインチキじみたチート能力を身につけることが、世界でほぼ唯一人作者によって許されるのですが、TRPGをゲームマスターとプレイヤー2人だけで遊ぶというのも考えづらく、プレイヤーキャラクター以外にも十数人くらいはインチキじみたチート持ちがいるだろうと考え200CPとします。
特異点:必ずトラブルに巻き込まれる(ー10CP)
なろうでは作者の意向により、主人公がやれやれ俺は静かに暮らしたいんだがなとかスローライフとかどれだけほざいても必ず国に目をつけられたり何がしかの理由で魔王とかと戦わなければならなかったりするのが常識のようです。
カリスマ5L(25PC)
NPCの反応判定に+5の修正があります。
これによりどこからどうみてもチート能力を持ったクズ人間で容姿が平凡ななろう主人公にも美少女やイケメンが何故か惚れまくりハーレムや逆ハーレムを形成する現象の説明とします。
爆速成長(250CP)
Gurpsのルールでは200時間の学習はゲーム上1CPの獲得に匹敵します。
しかし、作者に愛されたなろう小説の主人公は、最初はしょぼいとされていても実にやすやすと爆速で強くなることが多いようです。毒物を食べて苦しめば毒耐性を身につけたり、スライム一匹殺せばスライム10匹分とか100匹分とかの経験値を得られたりする、まさにチートと言えるでしょう。これを再現するのがこのなろう主人公専用特徴です。(ゲームマスターはなろう主人公以外のキャラクターにこの特徴を持たせる際特殊な背景を持たせましょう)シナリオが終わった時に貰えるCPを5倍にし、普通のキャラクターが200時間の学習を必要とするところを40時間とします。常人が1年の修行を要する、とされている特徴を身につける際は2ヶ月と12日程度に短縮されます。
また、Gurpsはシナリオを終了するとその達成度とロールプレイの上手さに応じてCPをもらえるのが主な成長手段であるシステムであり、敵をいくら倒しても経験値を獲得できるシステムではないのですが、この特徴を持つキャラクターは敵を一体殺せば1CPもらえることにします。
この場合の「敵」というのは少なくともキャラクターに命の危険があったり手足や目を失う可能性がある程度には強い相手とします。
ゲームマスターが判断してください。
敵を殺せば殺しただけ強くなるのがなろう主人公ですが、労せず倒せる相手を殺して最強になれるのならアリを踏み潰しているだけで最強になるはずですので。
これによりなろう主人公が爆速で最強になるシチュエーションを再現します。
なろう小説の主人公の成長速度はもっととんでもないと考えるゲームマスターはこの特徴を350CPとして常人の200時間の学習は20時間で済み、シナリオ終了後のCPは10倍、常人の1年の修行期間は1ヶ月と6日ほどにして基本セットは575CPとしてキャラクターを作成するようプレイヤーに通達してください。
この場合も敵一体1CPは変わりないものとします。
その他なろう主人公専用特徴
言語理解(10/30/60CP)
なろう主人公が現在日本から異世界への転移者である場合、どういうわけか現地の言葉を学ばずとも使えますし、読み書きもできることの方が多いもののようです。
なろう主人公が現地の1国の公用語を、学ばずとも日本語同様に読み書き会話できる場合10CP、その世界の全ての公用語を使いこなせる場合30CP/どのような世界に転移してもなぜか未知の言語でも言葉が通じるチートの場合60CPの特徴とします。
なろう主人公が赤ん坊に転生して人生をやり直しているか、純粋に現地人である場合は、たいてい未知の言語を1から覚えるという手間をかけているため、この特徴は基本セットには含まれません。
能力の奪取・コピー
なろう主人公の能力として敵の能力を吸収したりコピーしたりするチート能力はかなり多いようです。
敵が強くなればなるほど有用な能力というのは中二心をくすぐるのでしょう。
Gurps百鬼夜翔に掲載されている妖術・妖術複写(威力レベル1あたりのコスト8CP)・妖力複写(威力レベル1あたりのコスト8CP)で再現します。(ただしレベルのある敵の能力をコピーしても威力レベルが上限となります)
なろう主人公のチートの場合、複写した能力をそのまま永続で自分の物にできて、際限なく、驚くべき速さで強くなれることも多いでしょう。
ガープス第三版ではわかりませんが、ガープス第四版では、本来持続時間のある能力の永続化は+150%の増強となっていますので威力レベル1あたり20CPの術となります。
これによりなろう主人公が新しく能力を手に入れればキャラクターのCP総計が労せず増えて楽に強くなることができます。
ゲームマスターとプレイヤーはキャラクターによって見ただけで能力をコピーできたり敵を殺して食べる必要があったりと、適宜増強や限定に必要な数値を決定することでしょう。
異能の奪取能力はルールブックに転用できるものがなかったことと、筆者が適当に決めてもいいのですがキャラクターの強化と敵の弱体化を同時に行えるのは強すぎると判断したため設定しません。
なろう主人公は強すぎてなんぼと考えるゲームマスターの方は適宜設定してください。