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若い人はどこ…

「キララさんの質問は『若い人がどこにいるのか』ですよね?」


「はい…そうです。牧場で働いてくれる人をどうにかして増やさないと…私達の手が回りません。今、1人の女の子が手伝ってくれていますがもう少しで帰ってしまいます。そうなれば…より一層、私達は仕事に追われる日々になってしまうでしょうね…」


「それは…大変ですね。では、キララさんの質問にお答えさせていただきます…」


「よろしくお願いします…」


――神父様から若い人がどこに居るのかを聞いて、牧場の手伝いをしてくれないか聞いてみよう…。


「今この時間帯に若い人はおりません。村の若者は皆、森や山、街などに行っております」


――いや…居ないんかい…。まぁ…そんな気はしてたけどさ…。


「そうなんですか…。道理で…若い人を見かけないわけですね…。でも、何をするために? …仕事ですか?」


「そうです。森や山へ木を刈りに行く林業の家庭が多いのです。また、薬草や山菜を売りに行く若い女性もいます。街で仕事を見つけて、そのまま街で働いている方も多くみうけられますね。ルークス王国、またルークス王国領では15歳から成人と認められますから、家庭を出ていく方も多いのですよ。優秀であれば王都に仕事を探しに行くこともできますし、旅人として世界を回ることもできます。もちろん冒険者として一獲千金を狙う方や、長男などは家を継いだりしますね。女性の方は違う村へ嫁いで行ったり、汗水たらして仕事に打ち込む方が多い印象です。なので村というのは時が経つにつれ、次第に人が少なくなっていくのですよ。それも村に嫁いでくる若い女性が居ればいいのですけど…、田舎の村は中々厳しいのが現状ですね…。逆に大きな街や王都には、人や仕事が集まってきますからどんどん人口は増えていきます」


「じゃあ…若い人を村で探すのは難しいということですか…」


「そうですね…。村で若い人を見つけるのは…難しいと思われます。ですから…仕事量を減らすのが得策なのではないでしょうか…。また、街で人手を集める方法も取れますが…、難しいでしょうね…」


「はい…考えてみます…」


――神父様の言っていることはホントなのだろう。そう言えばルークス国の成人年齢は15歳だった…。つまり親元を離れて色々できてしまうわけだ。貧乏に厳しい世の中で親も子供を育てるのは相当きついだろう。赤ちゃんはちゃんと育っているのだろうか…。


「あの…。神父様、赤ちゃんって育ってますか?」


私は思い切って聞いてみる。


「そこなのですよ、キララさん。赤子がしっかりと育っていけば村の人口も増えるはずなんです。しかし…赤子が生まれてから1年を乗り越えられる確率は60%ほどでしょうか…。残りの40%は亡くなってしまう赤子が多いのです。病気に掛かってしまったり、十分な栄養を得ることが出来なかったり、貧乏な親が自ら赤子を殺してしまうといったことも、よくあります。ルークス国の政治がよくなれば…、改善していくのでしょうけど…。…中々、政治の変わる兆しは見えませんね…」


「そうなんですか…」


――中々暗い話だな…。そんなに国の行政が悪いのだろうか…。お金持ちは、日を浴びるほどお金持ちになって、貧乏人は泥水を啜って屍になっていく。資本主義社会ってやつなのかな…。私は資本主義社会が嫌いなわけじゃないけど…いき過ぎもダメだよね。最低限の生活を保障してくれていた日本は相当いい国だったのかも…。


私は気づいた…今さら、昔の生活を振り返っても意味が無いことに…。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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