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牧場の人手不足問題

久々に怒ったのだが、皆反省してくれたようで良かった。


牛乳パックを使いすぎてしまった次の日…。


私達は作りすぎてしまったチーズを牛乳パックの代わりに村の各家族へ、配っていく。


配る物が牛乳パックではなくチーズだった為、少々残念そうな顔をされた。


嫌そうな顔をされるたび、私達は何度も頭を下げてどうにか許してもらった。


「はぁ疲れた…。村の皆は牛乳がやっぱり好きなんだね…。量の少ない牛乳瓶の方で何とか我慢してもらったけど。…もう牛乳パックの在庫が無くなってしまった。また補充しないと」


私達は配達が終わった後、すぐ牧場へ戻りモークルたちから牛乳を搾っては、大量の牛乳を魔法で空中に浮かせる。


浮かせた牛乳を『ファイア』で瞬間に熱殺菌(またはライトの『クリア』で殺菌)をおこなった。


殺菌した牛乳をすぐ紙パックに注いでいく。


魔法でパックの開け口を閉める…。


何度も、牛乳を搾る、熱殺菌、パックに牛乳を注ぐ、パックの開け口を閉める、という工程を繰り返しおこなった。


明日分の配達に必要な牛乳パックはどうにか補充することができ、私…家族一同一安心…。


――まだ明日の分が補充できただけだ…、明後日、明々後日の分まで補充しておかなくては…。不慮の事態に対応できない。でも今日全部やるのは難しそうだな…。少しずつ増やしていくしかないか…。


「よし…。あとは明日牛乳パックが足りなかったときの予備と、牛乳瓶数十本…。作れば一応今日のノルマは達成かな…」


その後、多少時間はかかったが、今日のノルマを私達は達成することはできた。


一日のノルマを達成し、安心したのも束の間…。


どうやら…モークルの子供が生まれるらしく、私はお爺ちゃんの手伝いに向う。


無事モークルの子供は生まれ、親モークルの乳を子供モークルは吸っている。


「それにしても…お爺ちゃん、モークル結構増えたね。こんなに増えるものなの?」


大きめの厩舎は既に、20頭を超えるモークルで埋まっていた。


「いや…こんなことはほぼあり得んよ。育て方がいいのか…、環境がいいのか…、分からんが…。これだけ死なずに育つのは本当に珍しい。だが逆に言えば、増えすぎて儂らの手が回らん…。何とか解消しなければならないな…」


「そうだよね…皆、今の仕事で手一杯だから…」


――今後の課題は人手不足解消かな…求人…なんて出しても意味ないよね。


私の住んで居る村はド田舎だ…ギルドなんてものは無い。


求人を出したところで、街からこの村に来る人なんていないだろう。


ならば、村の人達に手伝ってもらうしかないと、私は考えた。


「それじゃあライト、ちょっと村の家を回ってくるね、」


「分かった。僕は厩舎の掃除を終わらせたら、姉さんとは別方向の家を回ってみるよ」


「うん、お願い」


私は牧場を離れ、村の教会方面へと向かっていた。


「さて…何処から回りますか…」


――それにしても…ここの村人達はどうやってお金を稼いでいるのだろうか。あんまり考えたことなかったな。村の人達が野菜を育てている姿なんて見たことないし…。黒パンだって7日に1回来るギルド員が露店を出して売ってるものだし。


私の住んで居る村は決して、家が少ないわけではない。


逆に結構な数の家はあるが…ほぼ空き家なのだ。


「昔は村人の数も多かったって聞いたけど…。街に移った人や他界した人が続出しちゃったみたいなんだよね…」


今の時間帯…人通りはかぎりなく少ない。


――子供の姿もあまり見えない…家の中にいるのだろうか…


私は片っ端から家の扉を叩くが出てくるのはお爺ちゃん、お婆ちゃんばかり…。


若い男の人や女の人は、今どこにいるのか…。


疑問を抱いていた私は、気づいたら教会に来ていた。


教会の扉を開き、久々に神父様の顔を、私は見た。


「おや…久しぶりですね、キララさん。今日はどうしたのですか? 何かお困りごとでも…」


「神父様…若い男の人と女の人は何処にいるんですか…」


歩き疲れ心から出た、私の叫びだった。


「おやおや…お疲れのようですね」


「はい…凄く疲れています…」


――朝厩舎の掃除…牛乳瓶チーズの配達…牛乳を搾って殺菌消毒…牛乳パックに詰めて倉庫に運んで冷蔵…戻ってきたらモークルの出産の手伝い。これだけやってればそりゃあ疲れるよ。これだけやってもまだ仕事は残っている…、どう考えても人手が足りない…。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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