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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
王都の学園 ~学園の雰囲気を味わいに行っただけなのに編~

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信憑性の塊

「それっ!」


 私は木の枝を平野に向って思いっきり投げる。


「グラアアアアアアアアアアアッツ!」


 フルーファは大人げない速度で走り出し、地面を跳躍。高さ三メートル付近を移動していた木の枝を容易く噛み、着地。子供達は動けてすらいなかった。自信満々に戻ってくるが、あまりの大人げない態度に私は呟いた。


「フルーファ、カッコ悪いよ……」


「え?」


 フルーファは目を丸くし、尻尾を持ち上げる。頭が悪いのか、いいのかわからないが、いったんフルーファは子供達の中から外させた。


「それっ!」


「うわーい」


 ウォーウルフの子供達は草原を駆けだした。

 足をくじきながら転がる者、飛び跳ねながら走る者、顔から地面につっこむ者まで様々。やはり子供のうちは上手く走れないようだ。


 子供達と遊んでいるうちに、ウォーウルフの大人たちが戻ってくる。草や花、木の実、生き物、など大量に運ばれてきた。

 加えてビー達も集まり、毒々しい草花や木の実、きのこ類、蛇のような生き物と気持ち悪い虫達を運んでいた。

 どうやらこの土地は毒虫や毒草が多く生息しているらしい。それだけで危険極まりない土地だ。

 毒虫は問題ないが、おバカなメークルなら毒草など気にせずに食してしまうだろう。そうなったら一大事。

 なるべく安全な場所に牧場を設置する必要があった。


 午前一〇時頃から、午後三時頃までに大量の素材が地面に集まる。


「うぇ……、大量に集まったね……」


 素材だけで何種類あるか数えてみると一八八種類以上……。今すぐには把握できないので、転移魔法陣に入れておく。


「ギー、ギー、ギー」


 体が長く、大量の足が生えているムカデのような生き物が団子状に絡まって地面に落ちていた。節の太さが八センチ以上もあり、あまりにも気持ち悪い。体が黒と赤が基調で脚が黄色い。もうあからさまに「毒を持っていますよ~」と言っているような見た目だ。


「シュー、シュー、シュー」


 大きな口を開け、牙から毒液を垂らし、威嚇している蛇のような生き物が、ベスパに尻尾を掴まれながら扇風機の羽みたいにグルグルと振り回され、気絶していた。


「ゲゴ、ゲゴ、ゲゴ」


 仰向けになり、お腹を膨らませながら間抜けな姿をさらすカエルのような生き物が、倒れている。色がどす黒く、紫がかっており、毒持ちだとわかる。


 このような生き物があと五種類ほど拘束されており、毒草にいたっては一八種類以上、毒キノコも八種類確認され、毒のオンパレードだ。


 こんな場所を開墾するなんて普通の人にとっては難しいに決まっている。だが、私なら何の問題もない。


「ベスパ、毒をもつ生き物が生息していない箇所は見つかった?」


「開けた土地なら、毒をもつ生き物はいません。逆に毒草などが生えている場合が多いです。ただ、牧場にする地域の毒草を引っこ抜けば問題ありません。新しく生えだしたらビーがまた引っこ抜けばいいだけです」


「なるほど。じゃあ、日当たりの良い場所に新しい牧場を作ろう」


「了解です」


「はぁー。牧場の完成が何となく見えて来た。建物はすぐに出来ると思うし、安全面を確保すればこっちの土地でも動物達を育てられる」


「キララ様。今更ですけど、ライトさんが購入した平野の名前ですが、キララ平野になっていますけど良いんですか?」


 ベスパは資料を持ち、所有者が変わったことでライトが勝手に命名していた。


「まあ、他の人が知っているわけでもないし、別にいいんじゃない。出来れば人に見られたくないし、キララ平野の奥地で牧場を作るのもありだね」


 私は第二の牧場建設にノリノリだった。


 午後三時を過ぎたと言うことで、私の仕事は終わり。

 沢山の素材を集めてくれたウォーウルフに感謝を込めて大量の魔力を含んだ水を飲ませる。魔力だけで食事が終了するなんてとても便利な体だな。


「じゃあ、今のところウォーウルフ達は敷地外に出ないように。私の許可を取らない限りは遠出してはいけないよ」


「了解です」


 ウォーウルフ達は頷き、私の命令に確実に従った。


 私はフルーファの背中に乗り、村に戻った。相変わらず川の方で大砲でも打っているのかと言うほど大きな音が鳴り響いている。

 きっとシャインとバレルさんが剣の訓練を行っているのだろう。ガンマ君やセチアさんは大丈夫だろうか。

 私は不安になり、河川敷に向った。


「はああっ!」

「そりゃあっ!」

「ふりゃあっ!」


 シャインとガンマ君、セチアさんの三名が川岸の中央にたたずむバレルさんに切りかかる。


「ふっ!」


 バレルさんが木剣を一振りすると半径三メートル範囲が煌めき、風圧が私の髪を靡かせるほどの斬撃が生まれる。

 シャインとガンマ君、セチアさんはそれぞれの武器で防ぐものの、風圧に力負けし、吹き飛んだ。


「うむ……、連携がなってないな。個々の力は素晴らしいが、三名同時だとここまで足を引っ張り合うとは。冒険者パーティーは三名一組が基本だ。このままでは、どこの冒険者パーティーにも入れないぞ」


 バレルさんは顎に手を置き、考え込んだ。


「はぁ、はぁ、はぁ……。師匠、凄い……。全然近づけないよ」


 シャインは砂利の上で寝転がり、胸のふくらみがわかるくらい息を大きく吸っていた。


「ガンマとセチアの動きは周りに合わせる意図が見える。だが、シャインは自分勝手に動きすぎだ。周りが流されて全体の行動が読みやすくなっている」


 バレルさんは考えを纏め、簡潔に伝えた。


「そう言われても……、私は仲間と協力する気は無いし、一人でどんな相手にも勝てる強い人間になりたいんです。こんな鍛錬に意味なんてあるんですか?」


 シャインは胡坐を掻きながら上半身を起こし、愚痴を呟いた。


「一人の力には限界がある。加えて一人で強くなろうとしても不可能だ。仲間がいてようやく強くなれる」


「訳がわかりません」


「まあ、今はそうかもしれないが、わかる時が来るだろう。シャインの力は私とほぼ同じだ。体力や筋力だけで言えば、シャインの方が上だろう。だが経験量が段違いだ。死地を潜り抜けて来た数、魔物と戦った数、剣士以外の武器や魔法使いと戦った数、何もかもが違う。力量は経験で埋められる。今、シャインが一番経験しなければならないのが協調性だから、この鍛錬をしている」


「協調性……。私、協調性が無いんですか?」


 シャインは辺りを見た。セチアさんとガンマ君の苦笑いの表情を見て、自身の自分勝手な行動を知るだろう。


 ――確かに、シャインは自分勝手な行動が多いかもな。私の妹だし、仕方ないけど……。あれだけ強いと仲間と協力する必要が無いと考えるものわかる。頭が良すぎる人を馬鹿な集団に入れても話が噛み合わないのと一緒だ。でも、バレルさんは協調性が大事だと言った。もと剣神の冒険者が言うのだから、間違いない。


「シャイン、自分の力にうぬぼれるな。これから先、シャインより強い者はいくらでも現れる。仲間と助け合わなければ勝てないと知った時、共に戦えなかったら死ぬだけだ。協調性が必要なのはシャインだけじゃない、ガンマとセチアにも同じことが言える」


 バレルさんの低く耳に残る声が、広い川岸に響く。


「……」


 シャインとガンマ君、セチアさんは死地の場面を想像しているのか空間が一気に冷たくなり、だれ一人としてバレルさんに言い返すことができていなかった。


「厳しい戦いを多く経験してきたが、自分一人だけで勝てた戦いなど両手で数えられるほどしかいない。少なからず二名。多くて一〇〇名以上。それだけの数が集まってようやく勝てる戦いもざらにある。一人で行動することがどれだけ愚かなことか、しっかりと覚えておくように」


「は、はいっ!」


 シャインとガンマ君、セチアさんは川岸の中央に柳のように風に吹かれながら立っているバレルさんに返事を返した。


「うん、いい返事だ。このまま、鍛錬を続ける。シャインは周りをもっと見ながら攻めてくること。だが、見すぎて攻撃がおろそかになったら意味が無い。頭を使って戦況を読むように」


「はいっ!」


「ガンマは整った型が素晴らしい。だが、整い過ぎているが故に次の攻撃が読みやすい。偽の攻撃や拍子を外した攻撃をもっと組み込みなさい」


「わかりましたっ!」


「セチアは格闘術を習っていないのに、身のこなしが繊細で読みづらい。その長所は持っているスキルにとても有効に働く。剣だけでなく、様々な武器を使った戦い方を覚えるのも一興だ。だが、一つを極め、他の攻撃を偽に見せかけるのも悪くない。将来のあなたは相手を翻弄させる戦い方が出来るようになる。今は戦況を読む目を養いなさい」


「はいっ! 頑張ります!」


 バレルさんはシャインとガンマ君、セチアさんに的確な助言をしていた。さすがすぎる。加えて戦闘経験の豊富なバレルさんが言うと、自ずと信憑性があった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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