ベスパの友人から連絡が途絶えた
少しして、強面が裏から出てきた。
「ふぅ…何とかネ―ド村に、向かってくれる聖職者と冒険者に連絡が付いた。今から急いで向かうそうだ」
「そうですか…良かったです」
「お前…飲んだだろ」
「何言ってるんですか…私はまだ…飲んでいませんよ…」
「酒弱いんだから、ほどほどにしておけよ…」
そして夜が明ける。
「ん…あ…え!私…寝ちゃってた!ヤバイ、早く行かないと」
――ちょっと仮眠するだけのつもりだったのに。
私は勢いよく病院から飛び出し、レクーのもとへと向かう。
「あれ…キララ様…もう行っちゃったんですか…」
ベスパはいつも通り、ふらふらと飛び上がり、窓から外へとやってきた。
「レクー起きて、今からいったんネ―ド村に戻って色々やらないと!」
私は気持ちよさそうに寝ているレクーを揺らした。
「う…おはようございます。キララさん…今日もいい天気ですね…」
「ちょっと、寝ぼけてないで、早く準備運動してよ。ベスパもそんな適当に飛んでたら燃やすよ」
「は、はい!起きました、今起きましたから。燃やすのは勘弁してください!」
ベスパはフラフラ飛行から、その場に留まるよう羽を強く動かす。
レクーを厩舎からだし、少し足を動かすためランニングを行った。
足が温まった所で、私はレクーの背中に乗り。
ひとまず約束していた牛乳を届けられない事をパン屋のオリーザさんへ伝えなければ成らないと思い、お店へと走った。
「すみません!オリーザさん」
「お、早いな、もう持ってきてくれたのか?」
「いえ…すみません。今事情が立て込んでて、もう数日待っていてもらえませんか」
「そうなのか…。それは残念だ、だが…まぁ良いだろう。楽しみは後に取っておく性分なんでな」
「ありがとうございます」
「あ、そうだ。丁度昨日余ったパンがあるんだが捨てる所だったんだ、ほしかったら持って行くか?」
――何というタイミング!最高だよオリーザさん!
「はい!全部貰います!」
「ぜ…全部って…」
私はパンがパンパンに詰まった紙袋を2つ両手に抱え、レクーのサイドバックに詰め込む。
――パンの軟らかさが堪能できなくなっちゃうけど、食べられれば一緒だよね。
水も近くで汲みなおし、反対側のサイドバックに入れる。
「大丈夫レクー重くない?」
「ちょっと走りづらいですけど…問題ないです」
「ベスパ、ネ―ド村の状況分かる?」
「そうですね…まだハッキリとしたことは言えませんが、2名の人物らしき者が活動していると…」
「きっと、リーズさんが伝えてくれたんだ」
――何とか間に合ったのかな…。
「あ!…今、友人からの連絡が途絶えました…。もう状況をお伝えすることが出来ません…。こうなってしまっては私達自ら確かめに行くしか…。私だけでも見に行く事は出来ますが…どんな状況になっていても私だけの力では限界があります…。人を持ち上げる事も私1匹の力では無理です…」
「それじゃあ、行くしかないじゃん。私達も今すぐに向かおう。デイジーちゃんたちが待ってるよ。レクー行ける?」
「はい、大丈夫です」
レクーは首を大きく縦に振り、準備万端のようだ。
「しかし、よろしいのですか?また瘴気を吸ってしまうかもしれませんよ」
「もしそうなったらリーズさんに直してもらおうよ」
「そんな安直な考えで良いのですか?」
「昨日あれだけ吸って大丈夫だったんだから、多分大丈夫でしょ!」
「は~知りませんよ、どうなっても…」
私たちは大急ぎで、デイジーちゃんの待つネ―ド村まで直行した。
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