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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
王都の学園 ~学園の雰囲気を味わいに行っただけなのに編~

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女の子より可愛い男の子

「氷雪剣。切った物を凍らせる剣だ」


 ポリシスさんが剣を振ると、どこからか逃げ出した鼠っぽい生き物が真っ二つにされ、凍った。


「ふう、危ない。マウスが逃げ出すところだった」


 ポリシスさんは剣を鞘に納める。だが、背後に錬金術師の教授が立っていた。


「ポリシスさん。学園内での魔法の使用は講義内でのみ可能だと知っていますよね?」


「あっ……。わ、私としたことが……」


 ポリシスさんは真っ白な手袋をはめている手の平を見ながら、わなわなと震えていた。


 ――この人、案外ポンコツなのでは? 正義感が強いおバカは厄介すぎるな。


「大変申し訳ございません! 風紀委員長として反省文を八〇枚程度にまとめて提出します! キララさん。すまないが、あとは自由に回ってくれ。入ってはいけない箇所には関係者以外立ち入り禁止と言う札がある。ではっ!」


 ポリシスさんは走って教室を出て行った。


「ポリシスさん! 廊下は走らない!」


 ポリシスさんはまたしても怒られていた。


「はっ! 私としたことが!」


 ――やっぱり馬鹿だ。いや、天然なのかも。


 ポリシスさんと離れてしまった私は自由行動となった。


「あなた、お名前は?」


 私は講義を行っていた教授に名前を聞かれた。


「キララです。今日はフリジア魔術学園の見学に来ました」


「そうなの。じゃあ、魔力は操れるかしら?」


 教授は杖先から紫色っぽい魔力を出し、風船のように膨らませる。


「魔力は一応操れると思います」


 私は魔法杖ホルダーから杖を取り出し、教授のように杖先から白に近い光を放つ魔力を出し、膨らませる。


「おぉ~。魔力の質と量共になんて高いのかしら……。魔力操作もほぼ完璧……」


 教授の瞳孔は光によって輝いて見えた。どうも、興奮しているようだ。


「キララさんも、皆さんと一緒に授業を受けてみませんか?」


「いいんですか?」


「見学しているんですから、構いませんよ。じゃあ、丁度壺の中身が空っぽになっているあそこの少年、ジリオンさんのもとに行ってくれるかしら」


「少年?」


 私は勢いよく後方を振り返る。鼻提灯を膨らませながら居眠りをしている藍色髪の美少女なら見えるが、どこに少年がいると言うのだろう。


「えっと、少年なんて……」


「藍色の髪をした短髪の子。壺の中身が何も入っていない子がいるでしょ。その子がジリオンさん。フリジア魔術学園で唯一の男子生徒よ。いい子だから、男子だからって強く当たらないようにしてあげてくださいね」


「へ、へぇ……」


 私は歳が一つ上の少年……。いや、美少年のもとに向かう。


「う、うぅん……。もー、もー、モークルさん……、お乳がいっぱい……。ぼく、お腹いっぱいでもう飲めないよ……」


 ――なんつう、寝言。この子、こんな見た目しておいて男なのか。私より可愛い男なんていていいの? いや、駄目でしょ!


「え、えっと……。起きてますか~?」


 私はジリオンさんと言う美少年に声を掛ける。


「んっ、はっ! ぼ、僕は……。へ? あ、朝、どでかいバートンに乗っていたお姫様」


「ぶっぶ~、残念ですがお姫様ではありません。ただの村人です。えっと、教授から講義を受けてもいいと言われたので、一日一緒にいさせてください」


「えっと……、見学ってことですか?」


「はい。そうです。私の名前はキララと言います。よろしくお願いします」


「は、初めまして。僕の名前はジリオン・オーガストと言います」


 ジリオンさんは帽子を取って頭をペコリと下げた。徹夜明けと言うこともあり、汗のにおいでもするのかと思いきや、滅茶苦茶良い匂いがした。どうなっとるねん。


「ジリオンさんと言うか、ジリオン先輩と言うか、どちらがいいですか?」


「ジリオン先輩でおねがいします!」


 ジリオン先輩は鼻息を荒くし、興奮しているのか目を血走らせている。


「わ、わかりました。じゃあ、ジリオン先輩と呼びますね」


「先輩……。あぁ、なんて言い響なんでしょう……」


 ジリオン先輩は夢見る乙女のような表情をして嬉しがっていた。


「ん、んんっ。ジリオンさん。しっかりと眠れましたか?」


 教授は咳払いをして声を掛ける。


「はい! もう、問題ないです!」


「では、キララさんにお手本を見せてあげなさい。他の学生もジリオンさんの錬成を見て復習するように」


「はい!」


 女学生たちは大きな声をあげた。


 私はジリオン先輩の後方に立つ。爆発しても先輩を盾にすればいいからだ。


「キララ様、最低ですね」


 ベスパは苦笑いをしながら呟いた。


 ――なんで? 男は女を守る者だよ。


「確かに……」


 ベスパは顎に手を置きながら呟く。


ジリオン先輩は木台に中身が空っぽの禍々しい壺を置く。


「ふぅ……。清き水の聖霊よ、壺内に水を注ぎたまえ。『クリアウォーター』」


 ジリオン先輩は位置を固定する呪文と詠唱を放った。すると綺麗な水が壺の中に注がれる。


「この水に魔力を注ぎ入れながら均一に混ぜていきます」


 ジリオン先輩は杖をゆっくりと振り、壺の中に魔力を注ぎながら水を掻き混ぜる。すると無色透明だった水が紫色っぽくなる。瘴気よりも綺麗な紫色だ。


「魔力をしっかりと混ぜた魔力水に香りづけの花と香草、主原料の回復草と乾燥したマンドラゴラの根を入れて。魔力を更に注ぎ込みながら、練るように掻き混ぜていきます」


 素材を入れ、掻き混ぜられていると紫色から黄緑色になり、最後は緑色っぽく変化する。


「ふぅ~。出来ました。初級回復薬(ポーション)です!」


「うん。よろしい。綺麗な色をしていますね。では、キララさんもやってみましょうか。私の壺を使ってください『フロウ』」


 教授は杖を振り、高そうな壺を私の前に浮かばせた。加えて素材を木台に並べる。


「わ、わかりました」


 私は壺をそっと持って木台に優しく置く。


 ――まあ、壺に水を入れて魔力を注ぎながら掻き混ぜた後、素材を入れてもう一度掻き混ぜる。この工程を守れば失敗しないはずだ。


「キララ様。魔力の込め過ぎには十分注意してくださいね」


 ベスパは翅をブンブンと鳴らし、注意喚起してくる。


 ――わかってるよ。ジリオン先輩くらいの光具合にしておけば問題ないでしょ。


 私は杖を左手に持ち、壺の上に杖先を持っていく。


「『ウォーター』」


 壺に普通の水を注いだ。純水じゃないといけないかはわからないので、いったん普通の水でやってみる。


「くるくる……。くるくる……」


 私は杖の先で円を描きながら、水をかき混ぜる。その間に紫色っぽくなるまで魔力を注ぐ……、予定だった。


「ん~。なかなか紫色にならない……。禍々しくなるどころか逆にキラキラしてきちゃったよ……。どうなっているんだろう」


 私の魔力水は紫色にならず、光り輝いていく。もう『女王の輝き(クイーンラビンス)』と同じ状態にまで近づいていた。


「き、キララさん、いったい何をしているんですか? これはいったい……」


 ジリオン先輩は可愛らしい顏で、もの凄く動揺していた。学んでいないからか、このような事例が起った覚えがないのか、わからない。でも、普通じゃないみたいだ。


「魔力水がこんなに光ることがあるの……。魔力量の違いかしら……」


 教授も顎に手を置いて考えていた。


 周りの生徒も私の実験をずっと見ている。結構恥ずかしい……。


 ――紫色になれ、紫色になれ、紫色になれ。


 私は魔力水を掻き混ぜながら心の中で呟く。だが一向に紫色にならず白に近い黄色になり、黄金の水のように光っていた。


 私は苦笑いしながら、香りつけの花とハーブ、主原料の回復草とマンドラゴラの根なる素材を壺にいれ、もう一度混ぜながら魔力を込めていく。


 壺の中が光りすぎて見えない。光が発生すると言うことは多くの魔力が目視できるほど発生しているか、スキルが発動している状態だ。

 でも、私のスキルはベスパなので単純に魔力が目視できるほど溢れ出てしまっていると言うことになる。


「キララ様。魔力が液体に溶かせる容量を超えてしまっているようです。これ以上無理やり魔力を入れ続けても、光として放出されてしまっています」


 ――なるほど、液体は魔力を溶かせる量が決まっているのか。無理やり入れ続けたらどうなるんだろう。


「私みたく何かの刺激で大爆発するのが落ちかと……」


 ――あ、危なすぎ。


 私はベスパの忠告を聞き、魔力を込めるのを止めた。すると、壺の中身を見えなくしていた光が晴れ、金粉でもいれたのかと言うほど輝いている液体が姿を現した。


「な、なんか皆さんが作っていたポーションとは違う物が出来てしまいました」


「何ともまぁ……、これじゃあ、成功か失敗かわからないですね……。怪我をしている動物に掛けてみましょうか」


 教授は実験用の鼠っぽい生き物を一匹取り出し、魔法の杖で体を突き刺す。いや魔法の杖で物理攻撃も出来るんだ……。


 鼠っぽい生き物は赤い血が流れているので動物で間違いない。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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