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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
流行病と聖典式 ~街で公演ライブ編~

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聖典式の準備

「えっと……、話が全然見えないんですけど……」


 神父は苦笑いを浮かべながら立ち上がる。


「近くの街にある教会に神官がいないんです。わけあって新しい神官も見つからないかもしれなくて……、なので、神父様にこんどの聖典式を街で行ってほしいんです。この村で聖典式をしたとしてもメリーさんとセチアさんしか今年は受ける人がいません。なら街で多くの子供達にスキルを渡した方が、効率がいいんです。二人も、賛成してくれているので、お願いします。街の教会で聖典式をしてください」


 私は頭を下げながらお願いする。


「…………わかりました。やりましょう」


「ほんとですか! ありがとうございます!」


「ただし……、条件があります」


「じょ、条件……。え、お金ですか。お、お金は何とかして集め……」


「キララちゃんの歌と舞を聖典式で披露してください。条件はそれだけです」


「え……。それだけ……ですか?」


「はい。私はキララちゃんの歌と舞が好きなんですよ。もう、見たくて見たくてたまりません。なので、多くの人の前でキララちゃんの誕生日の時と同じことが出来るのなら、私は全力で神官の仕事をしますよ」


「…………わかりました。背に腹は代えられません。私が歌って踊ればいいなら、喜んで受けます」


「交渉成立ですね」


 神父は私のもとに歩いて来て、手を差し出してきた。

 細く長い指が男性っぽくなく、ピアニストのような手で、綺麗だった。逆に私の手は小さくて、短い指。


 ――まだ一一歳だけど、いや、もう一一歳なのに……、全然違う。


 でも、握り合った。


「どこに住んでいようと私達は対等な人間です。やるからには全力でしましょう」


「はい。全力全開ですよ」


 私達は一二月の間、聖典式の準備に明け暮れた。


 朝から晩まで仕事を行い、余った時間を聖典式の準備に当てる。


 聖典式が簡単に開催できると思っていたら大間違い。


 小難しい書類や、必要な道具、供え物などなど、多くの準備が必要だった。


 こりゃ、お金が掛かるわな……と少しだけドリミア教会に同情しそうになったが、人の未来が決まるかもしれない大切な儀式なので、手は抜けない。


「うわぁ~。すごい、すごい~。これが私の服なの!」


 セチアさんは白っぽい布地と黄色っぽい布地を合わせて作った綺麗なドレス衣装を身にまとっている。

 私が以前の誕生日会に着ていたアイドル衣装のようなフリフリのスカートが可愛いとセチアさんの要望で、アイドルみたいなドレスに仕上げた。

 ウエディングドレスほどスカートの丈は長くなく、動きにくい訳じゃない。着やすさと可愛さを兼ね備えた衣装で、セチアさんは大満足してくれた。


「す、すごい……。可愛い……」


 メリーさんは真っ赤なドレスに身を包み、微笑んでいた。


 私はメリーさんが着ているドレスの胸元を大きめに開けさせるようネアちゃんにお願いし、作ってもらった。

 女の武器は衣装を着てこそ威力が上がる。胸の谷間が深く、胸とトップの差が二〇センチ以上とか言う訳がわからない巨乳な訳だが、形も良いし張りもある。完璧な乳。それを余すことなくふんだんに魅せる衣装だ。女王感が強いけど、メリーさんの母性によって穏やかな絶対女王と言った雰囲気が出ている。


「うんうん、二人共やっぱり素材がいいから、何を着ても可愛くなるな~。私の見立ては完璧だ」


 二人は私の部屋で衣装の着付けを行っていた。まだ年が明けていないが、手直しやらいろいろ行わなければならないので、着てもらっている。


「お姉ちゃん、入るよ……。って! うわぁ~! すごいすごい! 可愛い~!」


 私がメリーさんとセチアさんの着付けを行っていたら、気になって仕方なかったのか、シャインが私の部屋に入ってきて、二人の姿を見る。


「あ、ありがとう。シャインちゃん。でも、可愛すぎて、私達にはまだ早そう……」


「えぇ~! もう、すっごく可愛くて綺麗ですよ。私も早く着たいです! お姉ちゃん、私にも作って!」


 シャインは目を輝かせ、私にお願いしてきた。


「だ~め、シャインは後二年経たないと着せてあげあげられないよ。もう少し待ちなさい」


「ぶぅ~、お姉ちゃんのいじわる~。私の服、こんなに質素なのに、メリーさんとセチアさんだけキラキラし過ぎてるよ。ずるい~、私もキラキラしたい~」


 シャインは床に寝転がり、ゴキブリみたいにだだをこねた。


「はぁ……。『クイーンラビンス』」


 私は指先に魔力を溜め、指先とシャインの体の上に転移魔法陣を展開し、魔力を放つ。どうしても、キラキラしたいのだとしたら、これでも十分だろう。


「ほら、シャイン。体がキラキラになったよ」


「ぶぅ~、こういうことじゃないの~! 私もキラキラした服が着たいの~」


 シャインも女の子っぽい服が着たくなるお年頃なのか、だだをこねる。すると、床がミシミシと音立て、抜けそうになっていた。床が壊れるので駄々をこねるのはやめてほしいのだが、彼女は止まらない。


「はぁ……。シャイン、あんまりだだをこねると家が壊れるから、外でやって」


「うわぁ~ん、私も服着たい~。キラキラの服~!」


「あ、ガンマ君だ」


「…………」


 私が窓の方を見てガンマ君の名前を言うと、シャインはピタッと泣き止み、だだをこねなくなる。ガンマ君に今のような子供っぽい姿を見られるのはシャインも恥ずかしいのだ。


 私はシャインが泣き止んでいるうちに、メリーさんとセチアさんの服が大丈夫か、しっかりと見ていく。


 ――胸もとはしっかり補強しないと最悪解けちゃう。ネアちゃん、出来るだけしっかりと縫っておいて。


「了解です」


 アラーネアのネアちゃんはメリーさんの大きな乳を支える布地をしっかりと縫い合わせる。そうしないといつ弾けてあられもない姿が見えるかわからない。ファスナーが作れないので、全て紐で着つける。私は肩甲骨辺りの紐を引っ張り結んでいると……。


「んっ……。き、キララちゃん……。な、なんか胸もとがきつい……」


 メリーさんは胸もとがまたもやきついと言ってきた。どうやら、また成長しているらしい。


「メリーさん、これ以上成長したら……、巨乳なんて物じゃなくなりますよ。爆乳になります……。それか、雌モークルです。もう、メリーさんを宣伝大使にしたら牛乳が爆売れするんじゃないですか……」


 私はメリーさんの胸を皮肉って言った。

 もう、自分が情けないと思うが、それくらい悔しい。体の成長なんかで負けず嫌いを発動させても意味がないのだが、どうしても悔しいと思ってしまう……。


「さ、流石に雌モークルは嫌だなぁ……。だって、私はモークルの雌よりおっぱい大きくないし。まだ、お乳、出ないし……」


 メリーさんは恥ずかしそうに言った。恥ずかしいなら言わなきゃいいのに。


「むうぅ……。この大きさ、重量、質、何もかもが神がかっている……」


「きゃっ、キララちゃん、いきなり……」


 私は腹いせに、メリーさんの爆乳を握り、揉みしだく。


 ――くっそ! めっちゃやわらけえじゃねえか! 誰だ、ただの脂肪だなんて言ったやつ。おっぱいはおっぱいだろ! 


「ううぅ……。自分がみじめになってくる……」


「キララちゃん、大丈夫。小さくてもいいんだよ」


 セチアさんはほぼ完璧な着付けだった。胸もとも前とほぼ変わらずAカップのまま……。


「うぅ……。セチアさん……」


 私はセチアさんの胸に抱き着き、無い胸に包まれながら悔し涙を流す。


「あ、あの……キララちゃん……。はだけちゃったよ……」


「あ、すみません……」


 私はメリーさんのドレスの紐を縛り忘れており、上半身がはだけてしまった。バルンと言いそうなほど大きな胸をメリーさんは抱えており、あんなのに包まれたら死ねるなと優に想像できる。


 ――はぁ、ベスパ。メリーさんの衣装を少し調節できる?


「そうですね。ネアちゃんと相談して胸の辺りを少し広くしてみます」


 ベスパはメリーさんの周りを飛び、少し悩んでいた。今以上広げられないのかもしれない。


 ――お願い。出来るだけ広く取っておけば後からパットでも入れて調節できるから、形の崩れない限界まで広げておいて。


「了解です」


 私はメリーさんに一度ドレスを脱いでもらい、ベスパとネアちゃんに手直しを頼む。


「はぁ……。何でこんなに大きくなるんだろう……。もう少し小さくてもいいのに」


「ほんとですよね……。私もお姉ちゃんとセチアさんくらいの大きさが良かったです……」


「はぁ?」×キララ、セチア

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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