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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
魔物の大量発生 ~肉と卵が欲しかっただけなのに編~

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地球人が好きな味なら異世界人も好き

 私はトゥーベルで作ったベルバターを食べるのは初めてだ。ジャガイモと同じだと思うけど、もしかしたら茹でた時に味が変わる特殊な食材かもしれない。


 私がベルバターを食べようとした時、周りから大きな声が上がる。


「うんまああああああいっ!」×子供達。


 泣きだす子や、ベルバターを無我夢中で貪る子が現れる。やはり、ジャガイモはこの世界の子供達にも人気があるようだ。


「はぁ、はぁ、はぁ……。あれ、あれあれ……。もうない。シャイン、僕のトゥーベル食べた?」


「はぁ、はぁ、はぁ……。え……、嘘、私のトゥーベルも無いんだけど……。ライト、私のトゥーベルを食べたでしょ」


 ライトとシャインはトゥーベルを無我夢中で食していたらしく、紙皿の上には何も載っておらず、寂しい状態だった。


「皆、美味しいって言ってくれてるし、どれどれ~。私も食べてみようじゃないか」


 子供達は手を使ってトゥーベルを食べる子が多い中、私はナイフとフォークを使って食べる。


 茹でたトゥーベルは見た感じ、身はしっかりと柔らかくなり、薄皮はしんなりとしている。

 バターを吸収した部分だけ、鼠色っぽく濡れており、他の部分は薄黄色。クリーム色っぽいかもしれない。ミグルムの黒っぽい粉が見栄えを良くし、美味しそうだ。


 私はフォークで身を支え、ナイフを使って半分に切る。ギコギコはしません。ナイフを入れただけでトゥーベルの身がすーっと切れ、気持がよかった。

 後は食べやすい大きさに切り、フォークで刺す。だが、身が解れすぎてフォークに刺さらなかった。仕方なく、フォークで掬うように持ち上げ、鼻下に持ってきた。


「スンスン……。ん~、ミグルムの刺激が強い香り……。あとバターの自然な甘い香りとトゥーベルの香りかな……自然の土っぽいにおいがする。でも、全然臭くない」


 私はフォークに乗っているベルバターを口に入れた。


 舌を動かすだけで身が解れ、唾液によってでんぷんが糖分に変わる。すると、甘みを感じ、バターのうま味がトゥーベルの味を一気に際立たせた。

 私は美味い! と声に出したかったが声が出せないほど感動している。涙がこぼれ、もごもごと口を動かし、ミグルムのツンッと来る刺激が涙をさらに誘う。


「お、美味しい……。これを冬の外で食べているこの状況がまた一段と美味しくしているよ~。はぐっ! んん~」


 私はベルバターを少し大きめに切り。口いっぱいに含んだ。窒息するかと思ったが、口の中が幸せいっぱいになり、涙が止まらない。

 このまま、私はベルバターを一気に平らげようと思った。でも、周りにはお供が沢山ある。どうせなら、組み合わせてやろうと思い、黒パンを手に取った。ベルバターと千切った黒パンを一緒に食べる。コロッケパンを思わせる食べ合わせで、今すぐにでも本物の品を作りたくなってしまうくらい美味しかった。


 ――あぁ、懐かしい味。高校にあった購買でよく買って食べたなぁ。コロッケパン……。今なら作れるかもしれない。でも、ソースがないから難しいか。


 私はトゥーベルの可能性を感じていた。ジャガイモは沢山の料理に使われている。カレーに肉じゃが、コロッケ、ポテトフライ、ポテトチップス……などなど。地球人は皆、ジャガイモが大好きなのだ。舌の肥えた地球人が大好きな食材が同じ感性を持つ人種が嫌う訳がない。

 美味しいトゥーベルが作れれば多額のお金を払う人も出てくるかも……。などと想像しながら食べる昼食は格別に美味しかった。


「はぁ~。お腹いっぱい。トゥーベルが思った以上にお腹に溜まるな~。やっぱり腹持ちが良い食材はお財布に優しくて良いね~」


 私が昼食を得終わると周りにハイエナの群れがいた。トゥーベル欲しさに群がってきている。トゥーベルがあと三個ほど残っており、皆、これを狙っているようだ。ドウドウ~と落ち着かせようと思ったが全く以て効果なし。皆、お腹空いているんだなと思ったのも束の間、トゥーベルがビーとブラットディア、アラーネアの三匹に食い散らかされた。


「あぁ~。虫達もトゥーベルが食べたかったのね~。ごめんね、皆。トゥーベルが無くなっちゃった~」


 私は子供達が喧嘩をするくらいなら、益虫に食べさせてあげた方が良いかな~なんて軽い考えだったのだが、周りにいるハイエナたちは狼のように口角を上げて歯を噛み締め、怒っている。


 ――いや怖い……。食べ物の恨みと言うやつか。これだけで悪魔が一体は生まれそうな気がする……。


「ちょ、み、みんな。ごめんね。またいっぱい取れたら作るから……、今は我慢して……」


「絶対?」×子供達。


「ぜ、絶対作るから、約束する。私は嘘をつかないよ」


「ほんとかな……」


 ライトは私の手を握る。どうやら嘘かどうかを本気で気にしているようだ。トゥーベルがどれだけ好きなんだよと思ったが、確かに美味しいので皆が本気になってしまうのもわかる。


「ね、嘘じゃないでしょ」


「うん。嘘じゃないみたいだね……。はぁ、よかった。もし、嘘をついていたらビーとブラットディア、アラーネアをめっためたにしてたよ」


「私もブラットディアをすべて踏みつぶしてた思う」


 ライトとシャインはトゥーベルを食べた三匹達に睨みを利かせる。全員死んだふりをして、ポテポテと倒れていった。

 私は三匹達が死んだふりをするところを見た覚えがない。よくよく見たら、気絶しているだけだった。


 ライトとシャインがよほど怖かったのだろう。ごめんね、皆。


 私は子供達に謝り。ビーの子をもう一袋あげることで許してもらった。ライトとシャインはその程度で許してくれないので家で何かごちそうしよう……。


 私達は午後からもせっせと仕事をし続けた。美味しい昼食を得たおかげか、子供達の働きぶりは眼を張るものがあり、とても一生懸命だった。そのおかげで私の仕事が減り、筋トレに当てられる。


「ふっ! ふっ! ふっ! ふっ! ふっ!」


「キララ様……、それには意味があるのですか?」


 ベスパは地面に立ち、苦笑いをしていた。


「え? あるある。大ありだよ」


 私は膝を地面に付けて腕立て伏せをしていた。なぜ膝を地面から離して腕立て伏せをしないか? そんなの、出来ないからに決まってるでしょ。

 外から見たらほぼ土下座しているような腕立て伏せを行い、上半身を鍛える。シャインみたいに、五本の指で逆立ちしながら腕立てをするなんて言う達人の域に達さなくてもいい。せめて腕立て伏せ八〇回くらいは出来るようにならないと……。


「腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワット……。目指せ、八〇回。最低目標は一回!」


「キララ様、一回なんてやる意味があるんですか?」


「も~! ベスパ。私がせっかく頑張っているだから、そんなチャチャ入れないでよ。何事も小さな作業の積み重ねなんだよ。例え一回でも繰り返し続けることが大切なの。三日で何でも投げ出しちゃう私だから、習慣化したいことはなるべく簡単にするべきなんだよ」


「なるほど……。確かに走り込みは毎日続いてますもんね。あれも初めは短い距離だった気がしますけど、最近は八〇〇メートルくらい走れるようになっていますし、少しずつ力になっているんですね」


「そうだよ。だから、継続の力はすごいの。私は継続の力を信じてる。私は天才じゃないから、何かを続けて他の人よりも多くの経験と知識、技量を身に付けておかないと、他の人と同じ時に始めたらすぐに置いて行かれちゃう。そうならないために今から頑張って普通を目指そう」


「わかりました。私はキララ様が継続できるよう。毎日見張らせてもらいます!」


 ベスパは地面にドカッと座り、腕を組む。


「毎日見張るって……。いつも私の傍にいるくせに……」


「私はキララ様がさぼろうとしていても見逃してきましたが、もう、見逃しませんよと言う意味でもあります」


 ベスパは眼を大きく見開き、覗き込んでくる。私は恐怖し、震えた。何が何でも続けなければ私の身が危険にさらされてしまうと直感する。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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