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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
魔物の大量発生 ~肉と卵が欲しかっただけなのに編~

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バカみたいに遊ぶ

「う、うわ……。だ、誰のお尻ですか……この柔らかいの……」


「う、うぅ……、ガンマ君の馬鹿~!」


「ぐはっ!」


 シャインのお尻を鷲掴みにしていたガンマ君はシャインに強烈な回し蹴りを食らった。


 ガンマ君は何メートル吹き飛んだんだろうか。ビックリするくらい蹴り飛ばされ、木の箱が積まれている置き場につっこんだ。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


 シャインは顔を真っ赤にして、怒っているのか嬉しがっているのかよくわからない表情をしている。さすがにお尻を触られて嬉しくはないと思うので、怒っているのだろう。


「いたた……、しゃ、シャインさん。すみません! でも、なんか……凄くよかったです! ありがとうございます!」


「ガンマ君の馬鹿! そんなこと言わなくていいの!」


 ガンマ君とシャインは互いに目隠しを取り、顔を赤くして叫び合っていた。


「はぁ……、バカップルみたい。まぁ、事故だから仕方ないか」


 ガンマ君とシャインの距離が縮まったのか遠ざかったのかわからないが、仲は深まったはずだ。


「うわぁ~い、デイジーさん、どこどこ~」


 ライトは目隠しを付け、デイジーちゃんの声を追いかけている。


「こっちだよ~、こっちこっち~」


 デイジーちゃんは弟君と目隠しを取り、ライトに追いかけられていた。


「えへへ、そっちか~。まてまて~」


 きっと幼いルイ君が目隠しをするのは危ないと思ってライトが取り入れたのだろう。だが、そのせいでライトがすごくバカに見える。


「はははははっ! あはははははっ! ライトが、ライトが、赤ちゃんみたい」


 逆にここまでライトがバカに見えると、新鮮で笑いが止まらない。


 私がお腹を抱えて笑っていると、子供達が私の存在に気付いた。


「ね、姉さん……」


 ライトは目隠しを取り、私の転げ回って笑っている姿を見てきた。


「はぁ、はぁ、はぁ……。笑い過ぎた……。ライトでもあんなに子供っぽい声で走るんだね。いやはや、ライトが子供のころを思い出したよ」


「今でも子供ですけどね……」


 私の頭上にいたベスパはすかさず突っ込みを入れてくる。


「ね、姉さん。これは違って、その、皆に合わせていたというか……」


 ライトは顔を赤くして、恥ずかしがっていた。


「ライト、別に恥ずかしがらなくても良いよ。まだ八歳なんだから、かしこぶらなくてもいい。もっとバカみたいになってもいいんだよ。その方が気楽でデイジーちゃんのお尻を追っていた方が楽しいでしょ。今はそれでいいんだよ」


「こ、こんなバカをしていても良いの……?」


「良いの良いの。子供はバカしてなんぼなんだから。今、すごく恥ずかしいでしょ。その気持ちが心を成長させてくれるんだよ。子供のころから大人ぶっていたらつまらない大人になる。楽しい人生を繰りたいのなら、心から楽しいことを子供のころに経験していないと駄目なんだよ。だって、何も考えずバカなことをしていた感情が楽しいっていう気持ちなんだからね」


 私が持論を話していると、子供達は固まった。理解できていないのかな。逆にイーリスさんは私の方を見て、本当に一一歳なのかと真剣に疑っている。


「さ! 皆はもっとバカみたいに遊んで。私はその姿を見て楽しく笑うから!」


「キララ様、性格が悪いですよ……」


 ベスパは苦笑いをしながら呟いた。


 ――私は性格が悪い訳じゃないよ。子供達が好きなだけ。楽しんでいる姿を見て、私も楽しみたいの。


「はぁ、あの輪に入ろうとは思わないんですか?」


 ――いや、流石にあの中に入れないよ。私の羞恥心が爆発しちゃう。


 そんなふうに思っていたら、ライトとシャイン、ガンマ君、デイジーちゃんが私のもとに走ってきた。


「姉さん! もっとバカにならないとダメじゃん!」


「そうだよ! お姉ちゃんこそ、もっとバカにならないとつまらない大人になっちゃうよ!」


「キララさん! 目隠し付けてください!」


「キララさんも一緒に遊びましょう!」


「え、ちょ、ちょちょ。私は……」


 私は四名の子供達にもみくちゃにされ、遊びに参加せざるを得なかった。


 ――うぅ……、なんで私がこんなこと……。


「自業自得ですよ。キララ様」


 私は目隠しをされ、子供達を捕まえなければならなかった。皆は目隠しをせず、私に声を掛けて場所を教えてくれるそうだ。


 ――ベスパ、『視覚共有』。


「ずるい……。目隠しの意味がないじゃないですか……」


 ――この場を早く終わらせたいの。だから『視覚共有』をして。


「はぁ……、わかりました」


 ベスパの視界が私の視界になった。すると高所からの視点に変わり、ゲーム感覚で私は脚を動かす。言わば、私の体を地上四メートルの位置から覗き見ているような状態だ。


「よ~し行くぞ~」


「こっちだよ~」×ライト、シャイン、デイジーちゃん、ガンマ君。


 私は手始めにデイジーちゃんを狙う。


 デイジーちゃんの位置は一二時の方向。つまり、真っ直ぐ歩いて行けばデイジーちゃんにぶつかる。


 ――あれ、これは合法で美少女の体に抱き着けるというご褒美では……。


「キララ様? 考えが変わっておられますが……」


 私はニシシと笑いながら、デイジーちゃんの方向に歩いていく。


「キララさん~、こっちこっち~」


「は~い。今行くよ~」


 デイジーちゃんの愛らしいカナリアのような声につられ、私は演技をしながらノソノソと歩いていく。

デイジーちゃんは簡単に捕まらないように少しずれたりしながら、声をかけてくる。その度、私は進行方向を変えるふりをして、デイジーちゃんに近づいて行った。


「うわぁ~い、デイジーちゃん捕まえた~」


 私はタイミングを計り、デイジーちゃんの華奢な体に抱き着く。


「きゃ~、捕まっちゃった~」


 デイジーちゃんは八歳児と言うことで体はまだまだ小さいが、小学二年生くらいの身体つきなので、仕方ない。

 だが、畑仕事をして遊びまくっているにも拘わらず、とんでもなくなく良い匂いがした。花の匂いなのだが、とにかく甘い。金木犀のような自然な甘さで、とても厭らしい……。


「デイジーちゃん、すごく良い匂いがするんだね」


「そうですか? 自分じゃわからないですけど、って。キララさん、ちょ、何処を触っているんですか~」


 私は一応知っておきたかった。


 ――うん、ぺったんこ。よし! 仲間だ! こんなに心強い仲間はいない!


「キララ様、八歳児の胸なんて元からありませんよ……」


 ベスパはあまりにも当たり前のことを呟いた。


 だが、私はそんなことを信じない。なんせ、シャインはすでに胸が大きくなっているのだ。


 でもデイジーちゃんのお胸はぺったんこだった。とんでもなく嬉しい! ま、まぁ、四年後どうなっているかはわからないけど……。いや、イーリスさんのおっぱいがバカみたいに大きいんだからデイジーちゃんも成長しちゃうのか。く……、私のも大きくなれよぉ……。


 私はデイジーちゃんから離れ、近くにいたライトを狙う。


「姉さん、こっちこっち~」


「…………」


 私はライトの舐め腐っている表情を見て、別の方向に進み、馬鹿を演出する。


「もう、姉さんこっちだってば~。やっぱり、見えてないと姉さんも僕といっしょじゃないか。よかったよかった~」


 ライトの心が少々癒されたのか、悔しそうな顔が薄れ、微笑みに変わる。


「ライト~。どこにいるの~」


「こっちだよ~、姉さん」


 私はライトがいる一〇時の方向を向き、走る。


「うわっ! ね、姉さん!」


「へへ~、ライト捕まえた~」


 私はライトに抱き着き、捕まえる。


「ま、まさかわざと……」


「さぁ、どうでしょうね。にしても、ライトの体。女の子みたいな体してるね。細すぎじゃない?」


「そんなこと言われても、筋肉が体に付かないんだから仕方ないでしょ。僕だってできるなら父さんみたいにバキバキになりたいよ」


「お父さんみたいなバキバキすぎるのはちょっとどうかと思うけど……、まぁ、男らしさを出すなら、筋肉が手っ取り早いよね」


 私はライトとデイジーちゃんをつかまえ、残るはシャインとガンマ君のみ。


「お姉ちゃん、こっち~こっち~」


 シャインが私を呼んでいる。ただ、シャインは私に捕まらないように少々高い台の上に乗っていた。ずるいやつめ。


「キララ様が言うのはちょっと……」


 ベスパはぼそりと呟いた。


 ――なに? 文句あるの?


「い、いえ、何も……」


 私はシャインをどうやって捕まえるか考える。


 ――うん、あの台から降りたくなるようにすればいいんだ。


 私は残っているガンマ君のいる方向に歩いていく。


「キララさん、こっちです」


「ガンマく~ん。どこどこ~。どこにいるの~」


 私は猫なで声を出し、ぶりっ子全開でガンマ君のもとに歩いていく。大人の私がやっていたら女性からの批判殺到の電話と、可愛すぎて萌え死にましたと言う男達のSNS(ソーシャルネットワークサービス)のつぶやきで溢れかえるだろう。


「き、キララさん?」

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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