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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
キララの誕生日公演会(ライブ) ~誕生日前なのにトラウマが再来する編~

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広い土地を受け取った方

「二人とも、見ているだけじゃ駄目だって言ったでしょ。何気なく喋りかけて時を窺うの。好機が来たらすぐに攻める。何度も何度も繰り返しね。このままじゃあの二人がくっ付いちゃうよ」


「べ、別にガンマ君が誰とどうしてようが、わ、私には関係ないけど、私も心配だし、話かけてくるよ」


「ぼ、僕もデイジーさんが誰とどうしようが、僕には関係ないけど……、デイジーさんの脚が心配だし、話かけてくる」


 シャインとライトはお互いにツンデレなのか、常に心配しているくせに平然を装っている。そのまま、二人は前方にいるガンマ君とデイジーちゃんに話かけに行った。


 ――うんうん。話す回数が多ければ多いほど相手への感情が増す。何度もあった人の方が、安心感が生まれるからね。何度も話しかけて相手の心を鷲掴みにしないと。


「なぜ、キララ様が二人を過保護なまでにくっ付けたがるんですか?」


 ベスパは私の右斜め上に移動し、話し掛けてきた。


 ――何でって……。ライトとシャインの将来がどうなるかわからないけど、私の知っている人とイチャイチャしていたら安心できるでしょ。私の知らない人とイチャイチャされても困るよ。私の管轄下で恋愛してもらわないと。


「キララ様、あまりにも二人に対して過保護すぎるのでは……」


 ――えぇ、だって。ライトが知らない女の人に騙されて闇落ちしちゃったり、シャインがだめな男に引っかかって、やさぐれちゃったりするよりいいでしょ。せっかくの才能がくそったれの精神の持ち主によって削がれるのはもったいないよ。


「それが過保護だと思うのですが……。というのも、ライトさんとシャインさんともども、そこまでおバカではないと思いますよ。キララ様じゃあるまいし……」


 ――ちょ、おバカってどういう意味!


「いえ、キララ様なら相手が駄目駄目な男でも引っ掛かりそうだなぁと思いまして……。その過保護な精神で相手を癒したい、なんて発言をする可能性があるじゃないですか」


 ――そ、それは……、ど、どうかな。私はそこまで馬鹿じゃないよ。


「ま、キララ様はすでにフロックさんという憧れの相手がおられますもんね。あの方が結婚しない以上、キララ様も結婚しないでしょうし」


 ――ちょ! 何でそうなってるの。別に、憧れてないし。ちょっとカッコいい場面もあったけど……、感謝の気持ちくらいしか芽生えてないし。あんな強情で、優しくて、頼りになって……。って! 違う違う。背が低くて、筋肉馬鹿で、空気の読めないドジな人、惚れる訳ないでしょ!


「はぁ~、すでに心拍数が一二○回を超えております。走ったあとの疲れがまだ残っているのですか?」


 ベスパは胸に手を当てて翅を大きく動かす。


 ――心拍数が一二○回……。た、たまたまでしょ。怒ってるからだよ。うん。そうに決まってる。なんせ相手は二○歳。私は一一歳、年齢が一〇年違うんだから、恋愛対象とかあり得ないでしょ。さすがに相手の方が見向きもしないって。


「まぁ、年齢差は何年経っても変わりませんが……、人は成長するのでどうなるかは、わかりませんよ。私としてはキララ様を守ってくださる人がいいですね。傷つけるような者なら速、消します」


 ――さ、殺人者発言しないでよ……。


 私達はデイジーちゃんの家に戻る。


 私が到着したころにはライトが氷を出し、シャインが割って、氷袋にガンマ君が氷を入れたあと、デイジーちゃんの足首に当てている。


 三人でデイジーちゃんの足をアイシングしてあげているようだ。


 ――うん、いい感じに仲が深まっているじゃないか。良い調子いい調子。


 その後、私達は昼食を得て今日の鍛錬は終了する。


 ライトやシャインは何時間でも鍛錬しようとするが、今日は苦手な科目も鍛錬した影響でいつも以上に疲れたのか、午前中で疲労困憊のようだ。


 私も皆より少ない量しかこなしていないのに、もう疲れすぎて眠たい。


 ただ、デイジーちゃんだけはまだ元気そうだ。さすがの体力お化け……。「まだまだ頑張れるよ~」などと言って剣術や魔法を披露していた。


 私達は苦笑いをし、デイジーちゃんは面白がっている。天使が踊るように練習するから、疲れを全く感じさせない。まぁ、疲れを本当に感じていないだけかもしれないけど……。


 私達は午後に遊ぶ。いや、違うな。私以外は遊ぶか。


 ライトとシャイン、デイジーちゃん、ガンマ君の四人は村の中で子供らしく遊んでいた。


 あの四人が子供っぽく遊んでいるという姿はあまりにも珍しく、私は目を疑う。


 ライトとシャインが時おりこけながら小学生のように走り回り、笑っている。


 デイジーちゃんはネ―ド村に子供が少ないのでライトとシャイン以上に笑い、とびっきりはしゃいでいた。


 ガンマ君は皆の兄のような立ち位置で見守るように笑いながら遊んでいた。


 ――皆楽しそうに遊んでるな~。私があの中に混ざるなんてちょっと無理だから、大人と話しをしてこよう。


 私はガンマ君に三人を任せ、興味のある人に話かけに行く。


「あの、イーリスさん。私も畑仕事を手伝ってもいいですか?」


「え……、キララさんが手伝ってくれるの?」


 私はデイジーちゃんのお母さんである、イーリスさんの畑にやってきた。


 どうやら、イーリスさんは実のお爺ちゃんから荒地を貰い、耕している途中らしい。


「えい、えい、えい……。むぅ~、かちかち~」


 デイジーちゃんの弟君のルイ君もイーリスさんと共に働いていた。若干、三歳ほどだというのに小さなスコップを持って土を耕している。と言っても砂場で遊ぶ感覚に近いだろう。


 私がイーリスさんの受け取った荒地を見ると青々と茂る雑草が生えまくっており、耕すのに時間が相当掛かりそうだ。


 以前、瘴気が充満してしまい、土地が死んだ。だが聖職者たちのおかげで土地は生き返り、栄養満点になった。生き返ったのはいいものの雑草が全ての栄養を食い尽くし、成長してしまったようだ。


 引っこ抜いて耕してと行っていたら一年以上かかってしまうかもしれない。


 この世界には機械など無いのだ。


 イーリスさん一人には土地が広大すぎてもったいないと思ってしまう。デイジーちゃんのお爺さんもいったい女性一人にどれだけの土地を与えているのか……。まぁ、土地が広いのはいいんだけど。


「はぁ~、これだけ土地が広いと耕しがいがあるよね~」


 私は右腕を回し、肩を解す。特に私が耕すわけではないのだが……、準備運動を行っておくのは悪くない。眠気覚ましのようなものだ。


「えっと、キララさん。何をする気なの……」


 イーリスさんは流石デイジーちゃんのお母さんというだけあってとても美形な人だった。加えて、豊満な胸を持っている。この世界にいる美人の巨乳率はいったいどうなっているんだろうか。


 あの駄目神が絶対確率操作してるよ。って思うくらい美形で巨乳の人が多い気がする。


 まぁ、そんなことはさておき、イーリスさんの手が泥まみれかつ、荒れ放題なのは可哀そうだ。鎌は錆び錆びのボロボロなので雑草も上手く刈り取れていない。


「イーリスさん。ここは私に任せてください。私がこの土地をふっかふかの完璧な土壌にしてみせます。えっと、刺激が強いかもしれないので少し離れていた方がいいかもしれません」


「え……。刺激が強い?」


「ささ、ルイ君を連れて畑から一度出てください。もう、暑い中、雑草を刈り取るなんて面倒な真似はしなくていいですよ」


 私はルイ君をむりくり持ち上げ、イーリスさんに渡したあと、大きくてモチモチのお尻を手で押して畑から出てもらう。


「ふぅ~、私の仕事は終わり」


 ――ベスパ、ここの土地はどれくらいあるかな?


「そうですね。ざっと五○○メートル四方はありそうです。デイジーさんのお爺さんはネ―ド村一番の地主だったようですね。ネ―ド村の入り口でカギを開け閉めしているだけのご老人がまさか……」


 ――本当だよね。でも、これだけの土地があれば農作物をたくさん作れそう。ま、私が作るわけじゃないけど、私が手伝ったんですよ。と言えば、その分安く良い品が仕入れられるかもしれない。今は荒地だけどもとは畑だったわけだから、作物は育つはずだよね。


「はい、雑草が育つ場所ですからね。作物も十分育つはずです」


 ――ベスパ、友達は呼んでくれたかな?


「もちろんです。これだけの土地ならば彼女に頼んだほうが早そうです。もうすでに地面の下に到着しているとの連絡を受けました」


 ――わかった。じゃあ、呼んでみるね。


 私は息を吸って大きな声を出して友達を呼んでみた。


「オメちゃん! 出てきて~!」


 地面が振動し、畑の土が盛り上がる。次の瞬間、火山が噴火するように土柱が舞い上がった。


「はぁ~い!」


 荒地からツルツル頭のオリゴチャメタ(超巨大ミミズ)が姿を露らした。あまりに巨大で気温が暑いのにも拘わらず、身が凍る。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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