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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
キララの誕生日公演会(ライブ) ~誕生日前なのにトラウマが再来する編~

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誕生日公演(ライブ)

「こ、今年はやけに大きいね。いつもは家の中でしかしてなかったのに……」


「だって、今年は姉さんのおかげで生活が一変したんだよ。何もかもいい方向に進んでる。姉さんの努力のたまものだよ。お金もかからないし、こんなに人も増えた。なら、これくらいの大きさの場所で歌って踊っていいんじゃん!」


 ライトは眼を輝かせ、私に話してくる。


「そうだよ! お姉ちゃんの踊りと歌。私、大好きなの! もっといろんな人に聞いてもらいたい。だから、子供達も呼んだし、沢山沢山の声援を送りたいって思っちゃったの!」


 シャインはピョンピョンと飛びながら話す。


 ライトとシャインは熱狂的な私のファンだった。


 私が前世を思い出した五歳の時からシャインとライトを泣き止ませるために踊って歌って熱狂させてきたのだ。


 私は恥ずかしくてたまらないのだが、歌と踊りが二人にとって馴染みの深い行事となっており、聖典式と誕生日の時にだけ歌って踊ると決めると当日が待ちきれないくらい好きらしい。


 今日もシャインとライトは解散した超人気バンドが再結成し、ドーム公演に来ている時くらい興奮していた。


「はぁ、わかったわかった。じゃあ、誕生日特別公演(ライブ)ってことで……。ライト、シャイン、村の人たちに数分間うるさくしてもいいかって言う許可は取った?」


「取ったよ。全然かまわないって。逆に、時間があったら見に来るって言っていたよ」


「うん。神父様も来たいって言ってたから来るかもね」


 ライトとシャインは村の人に許可をすでに取っていたらしい。準備がいいな。


――ベスパは、私の歌と踊りを見るのは初めてだよね。


「そうですね。実際に見るのは初めてです。あれですよねアイドル神様へ捧げる歌と舞ですよね?」


 ベスパは私の頭上で答える。加えてオタ芸をしていた。動きの切れがあってなかなかにうまい。


――ま、まぁ……そんなところかな。アイドル神が皆に力を与える舞と歌だよ。アイドル神が私に舞い降りるの。


 まぁ、私がアイドルで相手が信者って感じなんだけど、別に言う必要もないか。はぁ、にしてもこの世界で生を授かってまでアイドルをする羽目になるとは……。別に年二回公演だから楽でいいけど。


――じゃあベスパは発光して私を頭上から常に照らして。あと、ビーに私の声音を拾わせて増大させて。音楽はないけど、私のアカペラと踊りを見せるから。


「了解です」


 ベスパは発光し、私の頭上へと移動した。すると、スポットライトに当てられたようになり、気分が上がる。私は普通の衣装を着ていた。ならば、少しアイドルっぽい衣装にしてもいいか。


――ネアちゃん、今から服を繕える?


「はい。可能ですよ」


 私はヘアピンに擬態しているネアちゃんに話かける。


――じゃあ、ベスパから情報を貰って私の考えている服を作ってほしいんだけどいいかな?


「わかりました」


 私はネアちゃんを他のビーに預け、服をパパッと作ってもらった。八分ほどで服を持って来てくれたのでステージ裏でさっと着替える。


 服の大きさや形は過去の明るいアイドル衣装と違い、布地の色が少々芋臭く子供っぽいワンピースだが今の私なら着こなせる。


 私は緑色と黄色が基調の衣装を身にまとい、ネアちゃんに髪まで整えてもらった。


 もう、ここまで来ると本業なのではないかと再確認してしまう訳だが、最後、お決まりのルーチンとして服の確認のため、一回転する。


「うん。ずれなし、髪型も完璧。喉の調子もよさそう。何ともまぁ、今年は贅沢だ。これほどまで出来るようになるなんて思ってなかった。というか、やる気なんてそもそもなかったのに……」


 私は舞台(ステージ)裏から出てステージに上がる。すると牧場の広場は村人で満杯だった。


――まさか、初ライブが満席になるとは……。


 私がオーディションに受かって試しに地下アイドルを初めた時は、お客さんが全くいなかったのにな。


 牧場の会場には、お爺さんやお婆さんの姿が多く、若い子供たちは牧場で働いている子達しかいない。男性と女性の比率は五分五分。皆、私の踊りと歌が好きなのだ。なんせ、たまにある聖典式の時、祝いとして披露していたから。


「ふぅ……。みんな~! キララだよ~! こんばんは~! 」


 私はステージの中央で大きな声を出し、挨拶をした。


「こんばんは~!!」×ライト、シャイン、お父さん、お母さん。


 私の家族は掛け声も完璧なので、他の皆は訳がわからなくなっている。まぁ、別に無くてもいいのだが、あった方が私の気分も上がるのだ。


「今日は私の誕生日会に来てくれてありがとう~! キララ、すっごくうれし~い!」


 私はクルクルッと回り、皆に投げキッスを配る。サービスサービス~!


 昔のぶりっ子キャラがちょっと出てきてしまっているが今の年齢なら悪くないだろう。


「今日はキララの歌と踊りを楽しんでいってね~!」


「は~いっ!」×家族と村の人達。


 私はステージで一曲歌った。


 ビーが私の音声を拾い、大きくして会場に放ってくれていたので、しんみりとしたライブにならず、皆の心に響く歌声をとどけられたと思う。


 大太鼓の音が体や心臓に直接語りかけてくるような感覚と同じだ。


 私は一発目にライブで初めて歌った歌を披露した。歌の流れはそのままで、この世界にない単語は全部別の単語にしてる。車やら飛行機なんてこの世界にはないのだから。


「はぁ、はぁ、はぁ……」


「………………」×観客。


 私は右手でピースを作り、天に突き刺すように高らかに上げた決めポーズを取る。少し下げていた視線を観客席の方に向けると、皆、口をあんぐりと開け、絶句していた。


 面白かったのかつまらなかったのか、どちらの反応かわからない。


――まぁ、いつもの時より、かなり本気で歌って踊ったから心に響き過ぎてしまったのかも……。


 音も鼓膜が破れないギリギリで鳴り響いていた。心臓が震えるのも確実だ。


 私はライブの演出に慣れっこなので問題ないが、皆は何を感じてくれただろうか。


「ふぅ……。皆ぁ~! 一曲目、どうだった~!」


「うおぉおおおおおおおおおおおおおおおおお˝っ!!」×全員


 私が耳を塞がざるを得ないほどの雄叫びが起り、会場が震えた。もう、ブラックベアーの咆哮かと思うほどの大きな大きな熱狂の声だった。


 私はこの世界でいつこんな声を聴いただろうか。


 当時は嫌々やっていた仕事だが、今思うと、こんなに多くの人を熱狂させていたのかと胸が熱くなる。


――す、すごい。みんな、泣いたり凄い笑ったりしているよ。そんなに私の歌と踊りが良かったのかな。なんかやる気出てきた。あともう少し、頑張っちゃうぞ~!


「皆、楽しんでくれたみたいだね~! ありがとう~! じゃあ、二曲目に行っちゃうよ~! 準備は良いかな?」


「うおおおおおおおおおおっ!!」×全員。


「よ~し! 二曲目も一生懸命に頑張っちゃうぞ~!」


 私は二曲目もアカペラで歌いきった。


 歌うことは好きなので何ら苦ではない。


 ただ、振りつけが大人の時の私が踊っていた内容なので、少々セクシーな体勢が多く、今の私では映えなかった。なので、少々子供っぽいがぴょんぴょんと飛び跳ねたり、フィギュアスケートの選手のように回ったり、軽く足踏み(ステップ)を踏んだり、その場その場で切り抜ける。


 ほんと、今でも踊れるのだから当時は相当練習したんだなとしみじみ思う。


 二曲目が終わったころには日が沈み、真っ暗闇の会場を照らすライトの明りと、私を照らすベスパの明りしかなかった。


 私はステージに立ち、ベスパから照射されるスポットライトの中央に立っていた。こんな何もない村の人達が私に熱狂してくれたのがうれしくて、心から何かが沸き上がって着ているような気になる……。


「みんな、私の誕生日講演、楽しんでくれてるかな……?」


「楽しんでるよー! 姉さーん!」


「すっごく可愛いよー! お姉ちゃん!」


 ライトとシャインは周りが引きそうなくらい私を押していた。まぁ、今のところ周りの人も凄い楽しんでくれているのでいいのだが、姉としては凄く恥ずかしい。


「次で最後の曲になります……。皆さんとの楽しい時間もあと一曲。でも、この一曲で私の活動は終わらない。絶対、絶対、皆の前でまた……。歌うから。私のこと、忘れないでね~!」


 周りから大きな声で私の名前が呼ばれ、どこか昔を思い出す。あの時は何を叫んでるんだろうって勝手に思っていたけど、何だろう……、私が勇気や元気、やる気を与えているはずなのに、私の方がいろんなものをたくさんもらっている。


「ふぅ……。よし! 今の私の全力が出せる三曲目! いっくよ~~!!」


 私は右手のピースサインを天に掲げ、意気揚々と歌い出す。


「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」×全員


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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