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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
キララの誕生日公演会(ライブ) ~誕生日前なのにトラウマが再来する編~

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打ち明けたスキル

「よし。あとはライト、岩石で出来た牢に耐久力上昇の付与を行ってくれる」


「分かった『岩石強化』」


 ライトは岩石で出来た檻を強化し、鉄以上にカチカチにした。脱走が出来ないように扉は作っていない。でも、天井が外れるようになっているので出し入れは出来る。まぁ、虫かごの超絶頑丈な(バージョン)だと思ってもらえばいい。


――ベスパ、雄のブラックベアーを逃げられない檻に入れてくれる。雌のブラックベアーと子供のブラックベアーは扉付きの方の檻に入れておいて。


「了解です」


 ベスパは重たそうな蓋を多くのビー達に持ち上げさせ、雄のブラックベアーを入れた。加えて隣にある檻の蓋も持ち上げさせ、雌と子供のブラックベアーを入れた。


「よし、これで逃げられない。あとは目が覚めるのを待つだけかな」


「ほんと……、レディーたちは規格外だね……。こんな檻をすぐに作るなんて考えられないよ。まぁ、土属性魔法の応用なんだろうけど、ここまで加工するなんて」


 カイリさんは檻をボケーっと眺めていた。もう自分が何もせずにブラックベアーが捕獲されてしまった状況に理解が追い付いていないのかもしれない。


 私たちがブラックベアー達を捕獲したころ、シャインとフロックさんが戻ってきた。


「はぁ、はぁ、はぁ……。森には特に異常がなかったよ。昨日と同じままだった」


 シャインが呼吸を荒げるなんて珍しい。きっと相当遠くの方まで見てきてくれたのだろう。今は包帯によって胸部を締め付けられているため、吐出していないが、呼吸を荒げるとそこそこ大きいので気になってしまう。


――なんで私は妹の胸を見て嫉妬してるの。今はそんなことを考えている場合じゃない! これからどうするのかを考えなきゃ。


「こっちの方も特に何もなかった。雄のブラックベアーが本当にたまたま狂暴化しているだけの可能性はないのか?」


 フロックさんは檻に入っているブラックベアーを見て眼を細める。


「いえ、雄の体内から魔造ウトサが含まれているとわかりました。なので、この子は人為的に暴走させられた可能性があります」


「なに……。もう、そこまでわかったのか。キララは魔造ウトサがブラックベアーの体内に含まれているってどうやって調べたんだ?」


「あぁ~っと、その……」


「姉さんのスキルのおかげです」


 ライトはフロックさんに言ってしまった。


 私は自分の本当のスキルをフロックさん達に教えてないのに……。


――まぁ、フロックさんとカイリさんになら言ってもいいかもしれないけど、恥ずかしいなぁ。なんせ、最弱の生き物を使役しているだけだからなあぁ。


「なに? キララのスキルで魔造ウトサがわかるのか?」


 フロックさんは首をかしげる。


「ま、まぁ……。はい。わかります」


「レディーのスキルは物を浮かせるスキルじゃないのかい? ブラックベアーの体が重たいとか重たくないとかで魔造ウトサの混入を調べているということかな?」


 カイリさんも首をかしげていた。


「そうじゃなくて、ですね……。簡単に言うと魔造ウトサが含まれている個体は魔力の質が通常の個体と違うんです。なのでブラックベアーの体に流れている魔力を吸い取って通常の場合と比べています」


「ん? キララのスキルが全く関係ないように思えるんだが、どういうスキルなんだ?」


 フロックさんは先ほどよりも首をかしげる。


「はぁ……。ベスパ、顕現して」


「いいんですか?」


 ベスパは上空から私の前にスーッと降りて来た。


「まぁ、いいんじゃないかな。フロックさんとカイリさんになら見せてあげてもいいと思うよ」


「了解です」


「レディーはいったい誰と話しをしているんだい?」


「まぁ、見てもらえば早いです。二人の前にいますから」


「ん?」×フロック、カイリ。


 二人が頭上に? を浮かべた時、空間が白い光を伸ばしながら輝いてベスパの魔力体に映像が付与される。ベスパの本体はビーの姿なので燃やされる可能性があった。そのため、話しやすい姿のまま、顕現してもらう。


「な……、なんだこいつ……」


「こ、これは……、生き物? いや、精霊か……」


 ベスパが顕現するや否や、フロックさんとカイリさんは眼を見開いて驚いていた。見覚えのない生き物を見た時のようなビックリした顔だ。


「どうも、お初にお目にかかります。キララ女王様の配下、ベスパにございます」


 ベスパはこれまたご丁寧なあいさつをして二人に頭を下げた。


 二から三頭身ほどしかない体に四枚の羽根が背中から生えており、虫のくせして腕と脚が二本ずつ。


 タキシードのような黒い衣装に身を包み、髪はまっ金金で癖っ毛。大きな眼に長いまつげ、真っ黒な瞳はこの世界では珍しい。蝶ネクタイをグイグイッと引っ張りながら整え、私の頭上へと移動する。


「この子が私のスキルです」


「じゃあ、今まで俺達はキララのスキルを勘違いしていたのか……」


 フロックさんは目と口をぽかんと開けていた。


「はい、私が嘘をついていました。その、いうのが恥ずかしくて……。でも、学園に行ったらどうせ言わないといけませんし、恥ずかしがっていられないなって……」


 私は苦笑いをしながら呟く。


「いったいどのようなスキルなんだい?」


 カイリさんは私に質問してくる。


「えっと、ビーと友達になれるスキルです」


「ビー?」×フロック、カイリ。


「はい。ビーです。あの、最弱の生き物ですよ」


「でも、その子はビーと似ても似つかぬ姿なんだけど……」


「私はキララ様の命令でこのような姿になっておりますが、実際の姿はこれです」


 ベスパは光に包まれ、本体である元のビーの姿になった。ブブブブッという気持ち悪い翅音が頭上から聞こえ、私は身を屈める。


「お、おい。キララ、大丈夫か?」


 フロックさんは私を気にしてくれたらしく、聞いてきた。


「は、はい。大丈夫です。えっと、私はビーが大の苦手でして。全く以て触れられもしないんですよ。加えて、見たくもないですし、翅音も聞きたくありません」


「そ、そうだったんだ。ごめん、えっと、ベスパ君。元に戻ってくれるかな」


 カイリさんが言うと、ベスパはいつもの状態へと戻る。


「キララ様はビーが苦手なので、私はこの姿になっています。皆さんもこの姿の方が話しやすいですよね」


「ベスパ、久しぶり。最近見てなかったけど、ちゃんといたんだね」


 シャインは木剣を手の平に当てるようにしてパシパシと叩き、ニコニコと笑っていた。


「しゃ、シャインさん。えっと、昔みたいに遊ぶのはちょっと……」


 ベスパは苦笑いをしながらしり込みしている。


「ベスパ、久しぶりだね。姉さんのためにちゃんと働いてる? 丁度試したい魔法があるんだけどさ~、試しに撃たせてもらってもいい!」


 ライトは両手に魔法陣を浮かべ、ニマニマと笑っていた。


「ら、ライトさん。その……、私は的じゃないですよ……」


 昔、ベスパはシャインとライトの遊び相手になっていた。文字通り遊ばれていたのだが、相当ひどい目にあっていたそうだ。シャインの剣術につき合わされたり、ライトが魔法の命中率を上げるための修行につき合わされたりと、いろんな場所で被害を被ってきた。私の代わりに……。


「キララ、ベスパには何が出来るんだ? ビーつったら、特に攻撃力もないし、耐久力もない、しいて言うなら他の生き物より早いくらいだろ」


 フロックさんは私に聞いてきた。


「そうですね。でも、大量に集めて物を持ち上げたりすることはできます。フロックさんに付与と言って浮かばせていたのもビーの力です」


「そうだったのか……。じゃあ、キララはベスパを通して他のビー達と繋がっていると考えていいのか?」


「はい。言わば使役スキルって言う部類に入るスキルだと思います」


「そうだよね。ビーと友達になるスキルなんだから、使役出来ないとおかしい。まぁ、使役できる生き物は最弱だけど……」


「カイリ、言ってやるな。そう思われたくないからキララは黙っていたんだろ。そこの意図をくみ取ってやれよ」


「す、すまない。想像と少し違っていて驚いていたんだ」


 カイリさんは笑いそうになっていたところをぐっと堪え、平常心を保っていた。私はとうとう打ち明けてしまったと思いながらも、少しすっきりした。


「キララ様、魔造ウトサの件を話さなくていいのですか?」


「あ、そうだね。えっと、このベスパは魔力体なんですけど、ブラックベアーの体内にある魔力を吸い取って有害な魔力があるかどうかを調べられるんです。さっき言っていた魔造ウトサの判断方法はベスパが実践してくれています」


「へぇ……。そうなんだ……って、どういうこと? 魔力を吸い取る? 調べられるって?」


 カイリさんは驚きの連続で考えることを放棄してしまったらしい。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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