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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
キララの誕生日公演会(ライブ) ~誕生日前なのにトラウマが再来する編~

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一人では言えなかった

「何言ってんだ。ライト。お前の魔法の才能に筋肉が合わせれば最強だぞ!」


 フロックさんはライトの肩に手を置いて腕の筋肉を見せる。


「そうだよ。魔法に加え、武器も扱えたら向かうとこ、敵無じゃないか」


 カイリさんもライトの肩に手を置いて腕の筋肉を見せていた。


「ぼ、僕は強くなりたいわけじゃなくて姉さんの役に立つために魔法を作ってるだけなんですよ」


 フロックさんとカイリさんは上裸の状態で上裸のライトを囲んでいた。


「はは……。わかり合えない世界……。じゃあ、ライト。あとで私の部屋に来てね」


「あ、ちょ! も、もう行くよ!」


 ライトは部屋を飛び出し、私のもとに飛びついてきた。そのまま扉を閉め、むさ苦しい空間から出る。


「はぁ、はぁ、はぁ……。もぅ、なんだよ、あの二人。僕はひょろひょろだって言いたいのか。僕だってそれなりに……」


 ライトは自分の右腕を上げ、力をぐっと入れるも、力こぶらしき盛上りは見えない。


「ま、まあ。『身体強化』で何とかなるし。僕は剣が苦手だから、無理に練習する必応はない」


 ライトは見ないふりをして、上着を着る。


「ライト、私の経験上。魔法以外も使えた方が何倍も安全になるよ」


「え? そうなの」


「うん。この前戦った巨大なブラックベアーは魔法が全然効かなかったからフロックさん達がいなかったら私、死んでたもん。その時、私はすっごく思ったの。あぁ、もっと剣の練習しておけばよかった~って」


「そ、そうなの。姉さんがそういうなら、剣の練習もした方がいいのかな……」


「まぁ、無理にとは言わないけど、ライトも世界を旅したいのなら物理火力は身に着けておいた方がいい。デイジーちゃんだって細細の弱弱しい男より、がっしりとしてたくましい男の方が好きだと思うよ。わからないけど……」


「はわわ……。どうしよう。こ、こうなったら、魔法で筋肉を増加させる魔法陣でも作るか……。いや、でもそれだと肉体の疲労が掛かり過ぎる。ムムム……」


 ライトはどうも自分では動きたくないようだ。魔法で何でも解決しようとするところはどこかこだわりを感じる。物凄い効率厨だ。そんな自尊心(プライド)を捨てて少しでも走った方がライトの力になると思う。


「じゃあ、ライト。私の部屋で待っていてくれる。私はシャインの様子を見てくるよ」


「う、うん。わかった」


 私は二階にある、お父さんとお母さんの寝室の扉を叩いた。


「お父さん、お母さん、入ってもいい?」


「ああ、いいぞ」


 私はお父さんの声を聴き、中に入る。だが、シャインの姿はなかった。


「あれ? シャインは……」


「え? シャインは来てないぞ。シャインがどうかしたのか?」


「う、ううん。何でもない。ちょっと待ってて、私、シャインを連れてくるから。あ、でもお父さんは寝てていいよ。お母さんだけ起きていてほしい」


「あ、ああ。わかった」


 お父さんはベッドに寝ころび、お母さんだけ編み物をしながら起きているようだ。


 私は両親の寝室から出てベスパに話掛ける。その頃にはシャイン用のナイトブラが完成していた。


 あまりにも完璧すぎるのだが、私には大きさが合わなすぎる。


――ま、私は横になって寝ても崩れるような胸はないんですけどね。ハハハ! はぁ……。ベスパ、シャインの居場所はどこ?


「シャインさんなら部屋に籠ってます。どうも、一人で話しに行く勇気が出なかったようですね」


――そうなんだ。じゃあ、私といっしょならいけるかな。丁度このブラジャーも着けてもらいたいし。


「はい。キララ様と一緒ならきっと話に行けますよ」


 私は一階におりて、シャインのもとに向う。


 シャインの部屋の扉を叩き、私の存在を知らせる。


「シャイン、入るよ」


 私はシャインの部屋に入る。


「お、お姉ちゃん。ごめんなさい……。一人じゃ、行けなかった……」


 シャインは私に抱き着いてきて泣きそうな表情をしている。


「いいよそんなの。私と行けばいいんだからさ。あとこれ。シャイン用のブラジャー。着心地が凄く良くて絶対に手放せなくなっちゃうから、一回着けてみて」


「ど、どうやって着けるの?」


 私はシャインにナイトブラを着けてあげた。まぁ、普通の寝間着を着るのと何ら変わらない。ため、シャインもすぐに覚えた。


「す、すごい。全然苦しくないよ。うお、うおお!」


 シャインは部屋の中で色々な動きをした。剣を振ったり、逆立ちしたり、飛び跳ねたり。ブラジャーの伸縮性がよく、無駄な力が入らないため、すごく動きやすいはずだ。まぁ、動きまくるように作られた物じゃないから、シャインが激しい動きを続けていたら壊れちゃうと思うけど。


「シャイン、上の寝間着を着てお母さんに言いに行くよ。そんなに大きくなった胸をお母さんがいきなり見たら驚いちゃうし、知らせておいた方がいいよ」


「う、うん。わかった。ありがとう、お姉ちゃん。私、お姉ちゃんがいなかったら、ずっと怖いままだったよ」


 シャインは頭をペコペコと下げてくる。


「何を言っているの。シャインは私の妹なんだし、お姉ちゃんが妹を助けるのは当たり前でしょ。あ、そうそう。シャインの危惧していた女が男に勝てない問題。あれは嘘だよ。フロックさんの師匠がね。女性ですっごく強いんだって。しかも胸とお尻が大きくて腹筋がバキバキなんだって」


「そ、そうなの! 私、その人にあってみたい! どこにいるの!」


 シャインは少し跳ねながら私に聞いてくる。


「さぁ、フロックさんにもわからないんだって。どうやら師匠は自由気ままな人らしいね。でも、あのフロックさんが一度も勝った覚えが無いって言っていたから、相当強い人なんだよ。冒険者で剣神の称号を持っているんだって。私も一度会ってみたいな」


「わ、私もなれるかな……。剣神……」


 シャインは木剣の柄を持って目標を見つけたような笑みを浮かべる。


「なれるなれる。シャインなら絶対になれるよ。だから、自分の体の変化に怖がっている暇なんてないよ。フロックさんも剣神を目指しているらしいから、シャインもたくさん鍛錬して強くならないとね」


「うん!」


 シャインは返事と共に木剣の柄を握り潰した。妹は苦笑いを浮かべ、両手で木剣の端と端を挟み、バキバキと内側に縮めていく。すると木剣だった物は球体になり、箱に投げ入れられる。


――あ、あれぇ~。さっきの木剣は粘土だったのかな?


 私とシャインは部屋を出た。その時、トイレに行っていたライトと落ち合う。


「シャイン、胸のこと母さんにやっと言う気になったの?」


「え、なんでライトが知ってるの?」


「シャインが僕を疑ってきたんだよ。魔法で何か悪戯してるんでしょっ! って。僕は全くの無実なのにさ~。もう、何度殺されかけたか」


「あ、あの時はごめんって……、何度も謝ったでしょ」


「ま、でもよかったよ。母さんの子供なんだから胸くらい大きくなるって……、あ」


 ライトは私の方を見て来た。


「ライト、あとでお姉ちゃんとお話ししましょうね~。私は二人より三年も先に産まれているんだけどな~」


 私が負の感情を抱くと床が突き上がるように揺れた。


「はわわわ……」


 ライトの表情が青くなっていく。


「お、お姉ちゃん、魔力が溢れちゃってる! 家が滅茶苦茶揺れてるよ! ライト、早く何か言わないと、お姉ちゃんが物凄く怒ってるよ!」


 シャインはライトの背後に隠れてしまった。

 

「ご、ご、ごめんなさい。姉さんは胸がなくても凄く可愛くて最高の姉さんです。胸がなくても強くてかっこよくて」


「胸がないかぁ~。そうだよね。私には胸が全然ないよね~」


 先ほどよりも振動が大きくなり、天井から砂ぼこりが落ちてくる。


「ライト、逆効果だよ! 馬鹿! このおっぱい大好き変態男!」


「な、何を言ってるんだ。シャインは筋肉大好き変態女だろ!」


 私達は一階で魔力と闘気を駄々流しにしながら言いあっていると、誰かが階段をドドドっと勢いよく降りてくる。


「静かにしなさい! もう、夜遅いのよ!」


 お母さんが悪魔の形相で私たちを怒鳴りつけた。私達はあまりの恐怖から、頭をすぐさま下げて謝る。


「ご、ごめんなさい……」×キララ、シャイン、ライト。


「ほんとにもう……。ん? シャイン。どうしたのその胸……。パンパンに腫れてるじゃない。え、ええ、どうして?」

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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