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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
キララの誕生日公演会(ライブ) ~誕生日前なのにトラウマが再来する編~

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妹の体の成長

「むむむ……、シャインが泣いている。いったいなぜ……」


 私はシャインのいる部屋の扉を叩く。妹の精神を安定させるのも姉の仕事だ。


「シャイン、お姉ちゃんだけど、入ってもいい?」


「う、うん……」


 私はシャインの部屋の扉を開け、中に入る。すると、胸を包帯でグルグル巻きにしているシャインの姿があった。


――ワッツ? 


 私は頭の中が? で一杯になる。


「シャイン、なにをしているの?」


「うぅ……。私の体が、おかしいの……」


 シャインは話した。


 どうやら、胸が少々大きくなってきて、気づいたら二つのぽっちまで大きくなってきたらしく、自分の体の変化に恐怖していたそうだ。


 地球の女の子の胸が大きくなり始めるのは九歳くらいか。それにも拘わらず、シャインは八歳。平均値よりも速めの成長だ。私にとっては羨ましい限りだが、まだまだガキンチョのシャインには変わっていく自分の体が怖かったのだろう。


 私はシャインの胸を締め付けている包帯を取りながら喋る。


「シャイン、体の成長は別に怖がらなくてもいいよ。人はいずれ成長するの。生まれてから歳をとるたびに、成長し続けて二○歳くらいまで体が大きくなるんだよ。だから、自分の体を締め付けても意味がない。剣の技術や魔法の練度の成長は鍛錬を止めればすぐに止まる。でも、体の成長はどうやっても止められない」


「お姉ちゃんは止まってるよ……」


「こ、これは私の成長が遅いだけ。シャインはちょっと早いだけ。シャインはお母さんみたいな体になりたくないの?」


「う、うん……。だって、お母さんの体、おっぱいが大きくてお尻も大っきい。でも、全体的に線が細くて筋肉があまりついてないんだもん。あんな体じゃ、剣なんて振れないよ。アイクさんに絶対勝てない……。ガンマ君は男の子だから、お父さんやフロックさんみたいなバキバキの体になると思う。そうなったら、私、勝てなくなるかもしれない……」


 シャインは俯きながら呟く。


――どうしようかな。シャインの性格が負けず嫌いすぎて、敵の対象が皆男になってる。女は男に守ってもらうのが普通なんだけど、シャインはなまじ強い力を持ってるから、男と同じように考えちゃってる。負けてもいいって教えても、負けたくない気持ちが超えちゃうんだろうな……。


「シャイン、私、フロックさんにちょっと聞いてくるよ」


「え、何を?」


 シャインは私の方を向いて聞いてきた。


「胸が大きくて強い女の冒険者はいるかって。もし、いたら、シャインも強くなれるよ。前例があれば、そこに行きつくまでの道が出来ている。自分で道を作るわけじゃないから、絶対にたどり着ける!」


「お、お姉ちゃん、何を言っているの……」


 私はシャインの胸の包帯を取りのぞいた。すると、バネが跳ねるように二つの脂肪が吐出する。


「は?」


「うぅ……。あ、あんまり、見ないで……」


 シャインの胸はB、Cカップを超え、DまたはFカップへと到達しようとしていた。


――は? 


 私の頭では? が止まらない。


 私はてっきり、AからBカップくらい、よくてCカップくらいの成長だと思ってたのに……。何そのパインって……。シャイン、私を置いてそんなに大きく実っていたの。


「シャイン、えっと……。お母さんは知ってるの?」


「ううん。知らない……。だって、誰にも言えなかったから……。お姉ちゃんなら、話せると思って……」


「そう……。ありがとうねシャイン。話してくれて。ずっと一人で考えてたんだね。シャインの悪い癖だよ。そうやって一人で考えこんじゃうの」


「うぅ……。だって、恥ずかしかったんだもん。お姉ちゃんはの体は全然大きくならないし、私だけおっぱいが大きくなっちゃうし」


「だから、この前の朝、私の部屋を覗いていたの?」


「う、うん……」


 シャインは泣きながら頷く。


「はぁ。もう、胸を締め付けるのは仕事中だけね。本当は締め付けてほしくないけどけど……、シャインが誰にも見られたくないと言うのなら仕方ない。でも、寝る時は胸の形の綺麗さを保つために着心地の良いブラジャーを着けないとだめ。せっかく良い形なんだから、潰していたらもったいないよ」


 シャインの胸の形はブラジャーのモデルが出来そうなくらい完璧だった。ほんと八歳児の癖に、と思ってしまうが、自分の妹だと思うと自然と嬉しくなる。


「ぶ、ブラジャーって、私はまだ八歳なのに……」


「別にブラジャーはいつから着けても問題ない。いけないのは成長を怖がること。シャインは成長してもいいんだよ。誰も文句何て言わない。逆にお母さんは嬉しがるかもよ。やっぱり私の子供だ~って」


「そ、そうかな……」


「当たり前でしょ。じゃあ、今すぐブラジャーを作るから、ちょっと待ってて」


――ベスパ、寝る時用の、最高級ブラジャーをシャインに作ってあげて。あの着けてるか着けていないか、わからないお面みたいな素材でお願い。


「了解しました!」


 ベスパはシャインの周りを数回見て、胸の大きさや形、体型を確認したあとネアちゃんと共に森の方へと飛んで行った。


 シャインは服を着てお母さんのもとに、私はフロックさんのもとにと向かう。


 今、フロックさんはライトの部屋にいるはずだ。ライトも同じように体を拭いているはず……。


 私はライトのいる部屋の扉を叩いて声を掛ける。


「ライト、私だけど、中に入ってもいい?」


「う、うん。良いよ……」


 私はライトの声を聴き、中に入った。


「ふっつ! はっ!」


「ふん! せいっ!」


 フロックさんとカイリさんはバキバキの肉体をさらけ出し、筋肉の映える体制を取っている。


「…………」


 ライトは床に座り、沈黙していた。


「えっと……、フロックさんとカイリさんは何をしているんですか?」


「いや、ライトが筋肉のどこがいいのかわからないと言ってきたから、俺の肉体を見せていたんだ」


「男性は筋肉質の方が女性から好印象を持たれやすいからね。私もなるべく鍛えるようにしているんだよ」


 フロックさんとカイリさんは鍛え抜かれた肉体美を持ち、至る所に傷が入っていて、まぁ、エロいくらい男らしかった。初対面なら引いていたが、何度も会い、窮地を救われている間柄だからか、あれに抱かれていたんだな……と不意に思いだしてしまう。


――いかんいかん。今は筋肉に見惚れている場合ではない。シャインの不安を取るために胸の大きな女性の冒険者がいるか聞かなければ。


「あ、あの。フロックさん。少し質問してもいいですか?」


「ん? なんだ。キララもこんな筋肉が欲しいのか?」


 フロックさんの体は腕に血管を浮き上がらせるほど引き締まっており、身長が低いとか関係なしに、私の鼻から血が出そうになる。


「いえ、そうじゃなくて……。単刀直入に聴きます。冒険者の中で女性で胸が大きく、すごく強い方はいますか?」


「胸が大きくて強い女……。思い出したくねえな……」


 フロックさんの顔から血の気が引いていく。


「ま、フロックはそうかもしれないね」


 カイリさんは苦笑いをしながらフロックさんを見た。


「え……。思い出したくないってことは、いるってことですか?」


「ああ、いるぞ。胸と尻がやたら大きくて腹筋バキバキのえぐいくらい強い女。俺の師匠だ……」


「そうなんですか。じゃあ、女で胸が大きくても強くなれるんですね」


「まぁ、そうだな。だが、師匠は強いとかそういう段階じゃないんだよな。化け物なんだよ。ほんと……。俺はまだまだ足下にも及ばない。見栄を張って大剣を使っているが師匠が知ったら激怒するかもな」


「えぇ……。フロックさんがそこまで言う人。その人は今、どこにいるんですか?」


「さぁ、知らねえ。ふらっとどっかに行って戦ってふらっと戻ってくるんだよ。ほんと戦闘狂って言葉がお似合いの師匠だ」


「フロックの初恋の人だよね」


 カイリさんがにやけながら呟く。


「なっ!」


 先ほどまで真っ青だったフロックさんの顔が一気に赤面した。


――フロックさんにも初恋の人がいたのか。ま、まぁ、そりゃあそうか。いないとおかしいもんな。


「ばっ! なに言ってるんだ。あんときはまだガキンチョだっただけだ。今はあんな婆、反吐が出るぜ」


「そんな見え張っちゃって。五歳の時は『師匠! 俺が勝ったら結婚してくれ!』なんて言っていたじゃないかか。ま、今でも絶対に勝てないと思うけど」


 カイリさんはプププっと笑いながらフロックさんを弄る。


「るっせ。あと、五年。いや、一〇年で超す。あの生意気な顔をひんまげて剣神(ソードマスター)の称号を貰う。それまでずっと特訓だ!」


 フロックさんは右手を頭上に掲げ、決意していた。


「剣神の称号……。始めて聞く単語ですね」


「あぁ、レディーは知らないか。えっと冒険者の中で特段強い者が持っている資格が、称号と言われている。それぞれ剣、弓、槍、魔法杖、斧、拳の武器の種類で最も強い者が称号を持っているんだ。フロックの師匠は剣神の称号を持っている。冒険者ギルドではすごい有名な人なんだよ」


 カイリさんはわかりやすく教えてくれた。


「へぇ……。その人が女性で胸が大きいんですね。教えてくれてありがとうございます」


 私はフロックさんとカイリさんに頭を下げる。


「姉さん、なんでそんな質問をしに来たの?」


 ライトは正座をしながら縮こまっていた。


「いや、ちょっとね。ライトは何か悩みごとはない?」


「この二人をどっかにやってほしい……」


 ライトは切実そうに言葉を漏らした。

 おまけ。

 約一五年前。フロック五歳。カイリの実家の広い屋敷の庭にて……。

「師匠! 俺が勝ったら、結婚してくれ!」

 フロックは真剣を持ち、胸と股部分しか隠していない女性に対して言い放った。

「へぇ~、フロック。私と結婚したいのか~?」

「悪いか! 結婚出来たらそのでっけ~胸を揉ませてくれるんだろ!」

「ほほぉ、それが狙いか~。エッチい奴め。ほれほれ、何なら、今、触ってもいいぞ~」

 女性は下乳に手を置き、揺らしてフロックを誘惑する。

「うぉ~!」

 フロックは剣を持って女性に突っ走った。

「ほんと、馬鹿正直なやつだ。吹っ飛んで来い~」

 女性はフロックの後ろに一瞬で移動し、股を蹴り飛ばす。

 フロックはカイリの屋敷を越え、意識と共に空の星となった。

 その後フロックはモークル達の糞の山に突っ込み、潰れかかっていた二つの玉はカイリの母に治してもらったと言う。

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