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空飛ぶ生き物の名は『ビー』と言う

「お父さん、お姉ちゃん、お帰り」


「もう大丈夫なの?」


 私達が家に帰ると、ライトとシャインがお出迎えしてくれた。よちよち歩きで玄関にまでやってくる姿が愛くるしい。


「うん、もう大丈夫。今日からいっぱい遊んであげられるよ」


 私はライトとシャインをぎゅっと抱きしめて頬擦りする。


「やった~」×ライト、シャイン。


「キララ……、無茶はあまりするなよ」


 お父さんはまた何か病気にならないかと心配そうな表情を浮かべながら私に話しかける。


「わかってるよ、お父さん。私はもう大丈夫だから、心配しないで。これからは靴もちゃんと履くから」


 私は右脚を上げて足裏をお父さんに見せる。


「は~、どうせ言っても聞かないんだから、仕方ないか……」


 お父さんは『いつものことだ』と言いたそうに木製の椅子に座る。


「さ、皆。朝食にするわよ」


 お母さんが食卓テーブルの上に朝食? を並べていた。


「お母さん、朝食って……、薄いスープと黒いパンのこと?」


 私はをしながら食卓テーブルに乗っている朝食とは思えない品を見て苦笑いをしながらお母さんに聞いた。


「それがどうしたの? いつも食べるじゃない」


 お母さんは首を傾げ、当たり前のように言う。


「あ……、そ、そうだよね。いつも食べてるよね……」


 食卓テーブルに並べられていた朝食は黒いパンと具の入っていないスープのみ、だった。


 ――私は、この黒いパンと薄いスープを知っている。知っているけど……、ご飯、食べたかったぁ……。


 昨晩、私は日本の朝食を思い出してしまい、目の前の食事に嫌悪感を覚えてしまった。今まで食べていた品と昔食べていた品があまりにも違い過ぎたのだ。


 私は黒いパンに手を恐る恐る伸ばす。


 黒いパンを手に取ると、岩だった。厳密に言えば岩のように硬いだ。とりあえず、齧ってみる。


「ハグ……。 硬ったい。なにこれ、全然食べられないよ」


 私は黒パンにそのまま齧り付くが、硬すぎて嚙み切れない。逆に歯が折れそう。


「キララ、何してるんだ? 黒パンは手で少しちぎって、スープに浸して軟らかくして食べるんだ。黒パンにそのまま噛り付くなんて、キララはお腹が相当減ってたんだな」


 お父さんは黒パンを一口より少し小さめに千切り、スープに浸したあと、口に放り込む。


「あ……。は、はは……。そ、そうだよね、ちょっとお腹減りすぎて噛り付いちゃった……」


 ――そうやって食べる物だったんだ。日本のパンと食べ方が混ざり合ってたみたい。


 私はお父さんから言われた通り、黒いパンをほんの少しちぎってスープに浸す。この千切る作業も歯を食いしばらないときつかった。


 黒パンが薄いスープを吸って、だいぶ軟らかくなった。


 ――高野豆腐、ドライ食品? まあ、行儀は悪いけど、致し方ない。


「はぐ…。モグモグ………」


 私は黒パンを食べたが、あまりにも美味しくない。なんせ、何も味がしないのだ。


 スープの味は塩気を全く感じず、ほぼ水同然。黒パンも美味しくなければ、不味くもない。いや、焦げっぽいので不味い。バターの風味、砂糖の甘味、塩の塩味、小麦大麦の香りすら感じない。何だこれは……パンなのか?


 本当にただの活力(エネルギー)補充でしかない食事だった。


 朝食が始まる前と終わった後、お父さんとお母さん、ライト、シャインは両手を握り合わせ、何かに祈りを捧げていた。


 見様見真似で私も両手を合わせ、何かに祈るふりをした。


 ――あぁ、神様仏様お代官様。私はいったいどうしてこんな風になってしまったんでしょうか。もしよろしければ教えてください。


 神に祈ってみたが、何の返答も得られなかった。


「よし、それじゃあ俺は仕事をしてくるよ。暗くなる前には、戻ってくると思う」


 お父さんは椅子から立ち上がり、お母さんに伝えた。


「わかったわ。気を付けていってらっしゃい。特に、ブラックベアーには特に気を付けて」


 ――ブラックベアー? 何ぞや?


 私は知らない単語に頭を悩ませた。どうやら、キララも知らない名前らしい。


「ああ、わかってる」


 お父さんは木を伐りにでも行くのか斧を持ち、玄関の方へ歩いていく。


「お父さん行ってらっしゃい!」×ライト、シャイン。


 ――お父さんか……。


 田中真由美の父は私が物心つくころには既に、生きていなかった。


 田中がまだ小さいときに交通事故で、死んでしまったらしい。


 田中のお母さんが変わったのは、父が死んでからだと、お祖母ちゃんは言ってた。


「お父さんがいる感覚って……、こんな感じなのかな……」


「ん? キララはお父さんに『行ってらっしゃい』を言ってくれないのかい……」


 キララのお父さんは、一度振り向き、私に問いかけてきた。


 私が『行ってらっしゃい』と言うのを、待ち望んでいるかのようなまなざしを向けられる。


 ならば元アイドルとして最高の『行ってらっしゃい』をしてみせよう。


 私はお父さんのもとに駆け寄って腰に手を回し、ギュッと抱き着く。


「お、キララ。いきなりどうしたんだ?」


 私はお腹に埋めた顔を上に向け、お父さんの眼を見る。そのまま満面の笑みで、言い放つのだ。お父さんの望んでいる言葉をとびっきりの元気と共に。


「お父さん! 行ってらっしゃい! 早く帰ってきてね! 私、ずっとずっと待ってるから!」


 元アイドルの一〇〇万点の笑顔を諸に食らったお父さんは、後ろへよろける。千鳥足になり、倒れてしまいそうなほど、私の可愛さが直撃したようだ。


「そ、それじゃあ、行ってくる。仕事をすぐ終わらせて帰ってくるよ!」


 お父さんは満面の笑みを浮かべながら玄関の扉を開け、仕事に向って行った。


「お父さん、私よりもキララに『行ってらっしゃい』って言われたときの方がうれしそうにしてた。なんか、悔しいわ……」


 お母さんは頬を膨らませ、腕を組みながら大きな胸を持ち上げた。少々ムスッとしており、お父さんに何か言いたそうだ。


 私に嫉妬しているお母さんの姿を見るのは、とても新鮮で笑いそうになる。


 ☆☆☆☆


 私とシャイン、ライトは外で遊ぶことになった。


 教育番組をやっていた私にとって、子供と触れ合う仕事に関しては結構自信がある。


 何十人の子供達を見て来たか。私に掛かればどんなおてんばな子共でも言うことを聞いてくれるようになり、おりこうさんになっちゃうんだから。


 私とシャイン、ライトは靴を履き、家の外に出て散歩する。


「お姉ちゃん、何して遊ぶ?」


 シャインは私の右手を持って呟いた。継ぎはぎだらけの子供服を身に纏っているものの、幼児ながら顔立ちがすでに整っており、違和感がすごい。こういう服が流行ですよ~と宣伝すれば継ぎはぎだらけの服が売れると確信できるほどの顔立ちだ。声も天使のように愛らしく、いくらでも相手をしてあげられる。


「そうだね、シャインは何がしたい?」


「ん~、バートンに乗ってみたい!」


 シャインは馬のような生き物を指さして答えた。ただ、バートンの足から背中までの高さは一五〇センチメートルはあり、身長が一メートルにも満たないシャインが乗るにはまだ早かった。


「ん~、もっと大きくなったらね」


「そ、そうなの……。じゃあ、ライトは何がしたい?」


 シャインはライトの方を向き、呟いた。


「メークルを眺めていたい……」


 ライトは私の左手をぎゅっと握りながら、広大な牧場を眺めている。


 メークルというのは羊に似た動物で、クリーム色っぽい毛がもこもことしており、まるで雲のようだった。牧草をむしゃむしゃと食べる姿は、何とも和む時間である。


 ライトはすでにイケメンだ。子供にイケメンと言うのもおかしいかもしれないが、もう子役をやらせたいと思ってしまうほどの美形。この頃の男子はやんちゃな子が多いのだが、ライトは物静かな子だ。だからか、もの凄く大人っぽい。まだ幼児なのに……。


 ライトにじっと見つめられると精神年齢二一歳の元トップアイドルの私がドキリとしてしまうほどだ。それだけで、彼がどれだけイケメンかわかってもらえるだろうか。


 ――この双子本当に可愛いな。にしても、意見がバラバラだ。本当に双子なんだろうか。まぁ、双子でも意見は分かれるか。仕方ない。ここはお姉ちゃんである私が子供の遊びというものを教えてあげよう。


「二人とも。お姉ちゃんと一緒に探検しよう!」

 

 私はシャインとライトの手を持ち上げて高らかに宣言する。


「探検?」×シャイン、ライト。


 シャインとライトは眼を丸くしながら呟いた。


「そう! 探検! 近くにいっぱいお宝があります。そのお宝を三人で見つけ出そ~!」


 私は教育番組のお姉さんみたく小さな体を大きく動かして二人の注意を引く。


「……」×シャイン、ライト。


 沈黙の時間が過ぎ去る。


 二人は互いの顔を見詰めあった後、私の方を見て言う。


「面白そう! 私やる!」


「僕もしたい! 探検!」


 ――よ、良かった。食いついてくれた。ずっと手を上げた状態は、すっごく恥ずかしかったんだよね。でも、ここまでくれば私が主導権を握ったのも同然。


「それじゃあ、まずあの原っぱでお宝を探そう!」


「は~い!」×シャイン、ライト。


 私達は原っぱまで駆け寄ると草の根をかき分けながら視線を低くし、ゆっくりと歩いた。


 まるで地面に埋まっている宝を探すように、じっくりじっくり動く。


「宝箱、宝箱、出てこーい」


 草原や川、山、洞窟、など様々な場所を私達は歩き回った。


 シャインとライトも、終始笑顔で私の横を歩いている。


 草木を足で踏む歩行音、川の水が流れるせせらぎ、洞窟に反響する水滴音、私にとってすべてが新鮮で心地いい。アイドルの仕事とは全くかけ離れた自然の中を歩き、心の中が浄化されていく……。


「お姉ちゃん、歩き疲れちゃった……」


 ライトは座り込み、呟いた。


「そうだね、お家にそろそろ帰ろうか」


 まだ小さい双子は動き回ったせいで疲れてしまったらしい。


 私は双子と手をつなぎながら帰ってる途中、家が一五メートル先と言う所で、とある生物が現れた。


 身の毛がよだつ『ブ~ン!』という不快な音を一帯に響かせ、何にも阻まれることなく、ゆらゆらと飛んでいる。


 その生物を見た途端、私はしゃがみ込んでしまった。背中に冷や汗をぐっしょり掻き、震えが止まらない。


 ――な、な、な……。なんでここに蜂がいるの。この世界は地球じゃないのに。いや、もしかしたら蜂に似た違う生物かも。


 私は面を恐る恐る上げる。


 双子は不思議そうに私を見つめていた。


「お姉ちゃん、何してるの?」


「お腹痛いの?」


「ん……、ちょっとね」


 足手が未だに震える。


 私は背中だけでなく、いつの間にか全身から変な汗を大量に掻いてた。あの小さな生物にこれほどまでの恐怖を覚えてしまったのだ。以前は何ともなかったはずなのに、過去の悲劇を思い出してしまったのが原因だろう。


「大丈夫、もういない……。たった一匹だもん、刺してこない刺してこない。まずあの生物が、あいつかどうかさえわからないし……」


 私はシャインとライトの手を握り、家に向ってさっきよりも速足で歩く。


 『ブーン! ブーン!』


 蜂のような姿をした生物は草むらからいきなり現れ、二匹に増えた。不快な音を辺り一面にまき散らし、私の全身を硬直させる。


「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーー!」


 私は恐怖に耐えられず、その場で大声を出してしまった。少女らしからぬ、絶叫を腹の底から出し、気絶しそうになる。そのまま、腰が抜けてしまい、尻もちをついた。悪寒によって脚が震え、立ち上がることは到底出来ない。


 蜂に似た生物は翅を『ブーン、ブーン』と鳴らし、私達に近づいてくる。


「キララ、大丈夫!」


 何事だ! と家を飛び出してきたのは私達のお母さんだった。


 腰を抜かした私と飛んでいる生物を見て察したのか、飛んでいる生物に向って、お母さんは指を差し、言葉を放った。


「『ファイア!』」


 すると、小さな生物は燃えだし、空中で灰になり、消えてしまった。


 お母さんは靴を履かず、私たちに駆け寄ってくる。


「キララ、シャイン、ライト、全員怪我はない?」


「うん、大丈夫」×シャイン、ライト。


 シャインとライトは、けろっとした表情で答えた。


「お、おおおおお、お母さん、さっきの生物は何……」


「あの飛んでいた小さな生物は『ビー』よ」


「ビー?」


「そう、『ビー』。小さな体に四枚の翅がついていて、色は黄色と黒が合わさった個体が多いわね。お尻に針がついているから。子供たちには少し危ない生物なのよ」


 ――お母さん、その説明をされてしまったら、ビーは蜂です! まさかこの世界にも蜂がいるなんて! 蜂が意気揚々と外を飛んでいたら、もう私は外を出歩けないじゃん!


 お母さんは腰の抜けた私を優しく抱きかかえてくれた。


 お母さんは片手でシャインと手を繋ぎ、シャインはライトと手を繋ぐ。そのまま家に戻った。


「まさか、キララは『ビー』が絶叫するくらい嫌いだったなんてね」


 ――自分を殺した生物を好きになる人はいませんよ、お母さん!


 夕方になり、自分の部屋の窓から、赤色に染まる景色を私は眺めていた。


「夕日が赤いのは地球と同じなんだ……。じゃあ、あの光は太陽なのかな。いや、太陽系に地球と同じような星が見つかってないとなると、別の恒星か」

 

 ☆☆☆☆


「ただいま! 皆~、お父さんが帰ってきたぞ~」


 汗まみれ、泥まみれのお父さんが玄関から家の中に入ってくる。


「お父さん、お帰りなさい! 今日もお仕事お疲れ様!」


 私は満面の笑みでお父さんをお出迎えした。


 お父さんの帰りを待つのは、私のちょっとした夢だったのだ。


「ありがとうな、キララ。これで明日もお父さん、お仕事を頑張れちゃうぞ!」


 私はお父さんに頬をモミモミされる。


「ちょ、ちょっと、お父さんやめてよ……」


 私は、お父さんから逃げるようにお母さんの背後に退散した。


 お父さんは椅子に座り、深いため息をつく。


「は~、参ったな……」


「どうしたの、あなた?」


「いや……。昨日、村の近くで『ブラックベアー』が出たらしいんだ」


「ブラックベアー! それじゃあ、あなたの仕事、大変じゃない!」


 お母さんはお父さんのもとに駆け寄り、大きな声を出す。


「そうなんだ。だからちょっと困ってるんだよ」


 ――朝にも言っていたけど、ブラックベアーとは何なんだろうか。名前からして黒いクマ? なのかな。それとも全く違う生物かもしれない。


「明日、俺は村長にブラックベアーの話をちょっとしてくるよ」


「そうした方がいいわ。これ以上お金が無くなったら、それこそ大変だもの。さ! この話はもうおしまい。あなたもそんな弱気な顔をしてないで、早く夕食にしましょ」


 お母さんは手を叩き、雰囲気を一変させた。


「ああ、そうだな」


「私も、お腹ペコペコだよ」


 今日、私は外を歩き回って空腹が限界だった。


「お母さん今日の夕食は何?」


「何言ってるの? 今日も黒パンとスープよ」


 テーブルに置いてある料理は、朝食べたものとほとんど一緒だった。


 違うのは、朝食に啜った味のしないスープに申しわけ程度の山菜が少量入っているだけ。それ以外朝食と何も変わらない。


「こ、これだけ……」


 私は心の声が漏れてしまった。五歳なのでお漏らしをする可能性はあるが、精神年齢二一歳の心の声を漏らしてしまうとは……。


 でも、心の声が漏れてしまうのも無理はない。広大な自然で遊び回ってペコペコのお腹に入る料理が硬い黒パンと薄いスープだけ。


 この量では五歳児の無限の胃袋を満たしてくれない。


「ごめんなさいね、皆には体に良いものをもっと食べさせてあげたいんだけど……。最近食材がどんどん値上がりしていて、買いたくても買えないの。だから、キララはいっぱい勉強して良い職に就きなさい。お父さんとお母さんみたいになっちゃだめよ」


 お母さんは表情を暗くし、私と視線を合わせ、肩に手を置きながら話してくれた。彼女は今にも泣きだしてしまいそうだ。


「だ、大丈夫! 私、黒パンが大好きだから! 毎日黒パンでも全然大丈夫だよ!」


 お母さんを悲しませたくなくて、私は小さな嘘をついた。胸に針を刺したような痛みが走る。


 ――本当はお肉を食べたいし、砂糖をいっぱい使ったお菓子だって凄く食べたかった。


 昔の記憶を思い出してしまったため、私の食に対する欲求は、さらに強くなってしまう。


 だが、今の家の状況を考えると好きな物をお腹いっぱい食べるのが物凄く難しい事実くらい、五歳児の頭でもわかる。


 私達は食卓を囲み、祈る。その後、 黒パンとスープをチビチビと味わいながら食べた。


 ――味は全くしない。これは食事と言えるのか。栄養の偏りが心配だよ。


 食事中、私は出来るだけ情報収集に勤しんでいた。知らない知識を柔軟な五歳児の頭に詰め込むのだ。


「えっと、お父さんはいつもどんな仕事をしているの?」


「ん、お父さんの仕事か? お父さんの仕事は林業と言って、木を切ったり加工したりする仕事なんだ」


「へー、そうなんだ。でもどうしてブラックベアーが出ると大変なの?」


 さっきの話が気になっていたので、私はお父さんに聞いてみることにした。


 空腹を紛らわせるのにちょうどいいお題だ。


「それはな、ブラックベアーの縄張りの木を勝手に切ってしまうと、木を切ったことに怒って攻撃してくることがあるんだ。この辺ではブラックベアーが滅多に現れなかったんだが、昨日、一頭のブラックベアーが姿を現した。他のブラックベアーと喧嘩をして負けてしまったやつが下の方まで来てしまったのか、また好奇心ゆえに下りて来てしまったのか。どちらにしてもブラックベアーを駆除、または追い払ってもらわないと、仕事に支障が出てしまうんだよ。って、キララに話してもわからないか」


 ――なるほど、なるほど。そういう事だったのか。確かにブラックベアーはどうして下りてきたんだろう、気になる。周りは自然だらけだし、食べ物には困らないだろうに。何なら、私達よりもいい食事ができるのではないだろうか。


 私は見たこともないブラックベアーについて考え込んでいると、子供用の脚が長い椅子に座っているシャインとライトが頭をフラフラさせていた。


「あら、そろそろ眠る時間かしら。私はライトとシャインの体を拭いて寝かせてくるから。あなたとキララも体を水で拭いて寝る準備をしなさい」


「は~い」×キララ、父。


 私とお父さんは手を上げてお母さんに返事をする。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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