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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
天才の弟と復興の街 ~弟は街に行ってもやっぱり天才だった編~
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姉弟妹の三人で話し合う

「ふ~。終わったよ。そっちは?」


 私は台所にいるシャインとライトに声を掛ける。


「こっちも終わったよ」


「完璧に拭き終えて、皿をピカピカにした」


 ライトとシャンは二人で使った食器を光り輝くほど綺麗に洗っていた。そこまでしなくてもいいのに……、と思うが綺麗に越したことは無いので黙っておく。


 私達は椅子に座り、温かい牛乳を飲みながら話合う。


「お姉ちゃん。あの二人って冒険者なの?」


 シャインは眼を輝かせながら聞いてきた。


「そうだよ。最近、最高位ランクのSランクになったんだって。凄いよね」


「へぇー。やっぱりフロックさんって強い人だったんだ。私はアイクさん以外にあんなに強い人と初めて戦ったよ。凄い楽しかった。やっぱり強い人と戦うのって楽しいんだね」


 シャインは剣聖のアイクと剣をまじ合わせていた経験がある。まだ、剣聖のスキルを貰う前のアイクだったけど、シャインと互角に戦っていたと思うとアイクもやっぱり凄かったんだなと思わされる。


「まぁ、弱い人と戦うよりは楽しいかもね。特にシャインとか他の子供達と比較できないくらい強いとなおさらね」


「でも、皆に剣を教えるのも凄く楽しいよ。なんか、別の楽しさがある感じ。強い人と戦うのは自分が高まる感じがして楽しいし、皆に教え得ている時は考えが深まってる感じがするの。どっちも癖になる楽しさがあって、私は剣がもっと上手くなりたいって思っちゃった」


 シャインは木剣を振るような動作を行いながら笑う。


「なら、シャインも学園に通えるようになったら、入学してみたら? 僕も行くし」


「え……。ライトも学園に行くって決めたの? 私もそう思ったんだよ。学園に行けばもっと楽しくなると思ってさ」


「僕達はまだあと四年もあるから、いっぱい練習して勉強すれば学園に入れるかもしれない。何事も準備は早くやっておかないとね」


「うぅ~。私は勉強苦手だからなぁ……。何でライトはあんな数の羅列を見て興奮できるの? わけわかんない」


「えー。僕は毎日一〇〇キロメートル以上走ってるシャインの方がわけわかんないよ。どこにそんな体力あるの?」


 双子はそっくりな顔で互いの顔を見合わせていた。


「私は二人ともわけわかんないよ。はぁ、真面目なのが私しかいないなんて……」


「え? 姉さんも十分わけわかんないことしてるよ」


「うんうん。お姉ちゃんもわけ分からないことしているよ」


「え……、そうなの?」


「だって、今日、食べた料理を僕は全然知らないし。バターだってわけ分からないくらい美味しかったもん。あれだけ皆を幸せに出来る料理を生み出せるなんて僕からしたら訳が分からないよ」


「私、お姉ちゃんの料理が好きすぎて、お姉ちゃんが学園に行っちゃったらお腹をどうやってみたそうかっていつも考えちゃうくらい、魅了されてるんだよ。もう、わけ分からなくらい好き」


 ライトとシャインは尊敬の眼差しを私に向けてくる。


「はは……。そう言ってくれるとすっごく嬉しい。二人ともいい所を目一杯伸ばせるように努力を欠かさないこと。苦手な部分も平均くらいでいいから克服しておくこと。苦手がない方が生活しやすいからね」


「うん。僕も家から牧場まで魔法で行くんじゃなくて、少し走りながら通うようにするよ」


「私も魔法とか、計算の勉強とか、ちょっとずつ頑張ってみる」


 ライトとシャインは苦手分野を克服する気になったようだ。


「うんうん。二人ならきっと出来るよ。お姉ちゃんが保証する」


「姉さんは何を頑張るの? 姉さんって、勉強も出来るし運動もそこそこ出来るよね」


「私はもっと時間の使い方を上手くするよ。さぼり癖も直さないとね。最近は直って来たけど、まだたまにふらっとどっか行っちゃうし」


「あー、確かに姉さんは仕事中にふらっとどっかに行っちゃうよね。何しに行くのかと思ったら、河川敷で寝てるんだもん。あれだけ寝てるのにまだ眠いのか~っていつも思ってるよ」


 ライトは夜遅くに寝て朝早くに起きると言う、常人離れした生活を送っている。それなのに日常生活に支障をきたさないとなると、ショートスリーパー気質なのかもしれない。


「はは……、ほんとにね。何であんなに眠くなるのか分からないだけどさ、時間は刻々と迫ってくるから、私は一秒も無駄にしない気持ちで生活しようかなって思ってる」


「でも、お姉ちゃん。それじゃあ、息が詰まっちゃうよ。たまには息抜きしないと」


「まぁ、私のしたいことが息抜きになるから問題ないと思うよ。ライトとシャインも自分の好きなことなら、何時間でも集中しちゃうでしょ」


「うん、魔法の研究なら一日中没頭できるよ」


「私も素振りなら一日中やり続けられる自信あるよ。お姉ちゃんも好きなことと同じくらい頑張るってこと?」


「うん。私は一日一日、努力し続ける。そうすれば、必ず自分の身になるってわかってるからさ。あと、一日でもさぼると、三日分能力が落ちるって言うし」


「え! 一日さぼると、三日分も戻っちゃうの。それじゃあ、毎日続けないともったいないじゃん」


「そうだよ。ほんの小さな習慣でもいいからやり続けるっていうのが大事なの。一日で成長できる限界は小さい。でも、何日も掛けて成長し続けたら限界はないんだよ。どこまでも成長し続ける。私はそう思ってるんだ」


「そうだね。僕もそう思うよ」


「私も、そう思う。だから、毎日無理なく努力し続けないとね」


「うん。頑張ろう、シャイン。僕達も、姉さんみたく一人で生きていく力を身につけないと」


「うん。頑張ろう、ライト。私達も、お姉ちゃんみたいに、努力し続けられるように」


 ライトとシャインは見つめ合って、手を組み合った。


――二人がどんな大人になるのか、楽しみだな~。でも甘やかしすぎるのもよくないし、二人の自主性を重視しないと。ただ、二人が学園に行きたがるとは……、やっぱり人とのつながりも大事なんだな。


「キララ様にはお友達いませんもんね。虫経由で幅広い地域の情報を得られるのに、お友達が一人もいないなんて、可愛そうです」


 テーブルに座っているベスパが私の頭の中に話かけてきた。


――はは、そうだね。私には友達がいないし、学園に行ったら友達を沢山作るよ。


「キララ様をしたってくれる友達が出来るといいですけど……」


 ベスパは眉を顰め、なぜか不安そうだ。


――なに、ベスパ。私に友達が出来ないと思っているの?


「キララ様の優しすぎる性格では、貴族との生活となると私は心配です。友達だと言ってキララ様が騙されてしまい、勝手に利用されないかと……」


――考えすぎだよ。そんなふうにならないとも言い切れないけど、私の思考は私だけじゃなくてベスパも一緒に考えてくれてるから、実質思考速度が二倍だし、いろんな角度から物事を見つめられる。だから、私が騙されそうになったらベスパが止めてくれればいい。そうすれば私も別方向から物事を捉えて詐欺をされずに済む。


「なるほど、私もキララ様に意見すればいいという訳ですね」


――まぁ、簡単に言えばそうかな。でも、あまり未来の話をすると悪魔が笑うよ。どう考えても未来が定まったりしないんだからさ。


「そうですね。実際、悪魔に笑われていましたからね」


――別の意味で笑われていたと思うけど、まぁ、あいつらを倒すために努力していると言っても過言じゃないし、一緒に頑張ろうね、ベスパ。


「はい。頑張りましょう! 私も誠心誠意、キララ様と尽力することを誓います」


 ベスパは私に敬礼し、びしっと立っている。出会ったころと何も変わらない容姿なのに、どこか頼もしく感じるのはなぜだろう。


「ふふぁ~。お姉ちゃん、私、眠くなってきちゃった……」


「ふふぁ~。シャインがあくびするからうつっちゃったよ……。まぁ、僕も眠いや……」


「ふふぁ~。そうだね。今日はもう寝ようか」


「うん」×ライト、シャイン。


 私達はそれぞれの部屋に向う。ライトとは階段でお休みと言いあい、解散した。


「じゃあ、お姉ちゃん。お休み」


「うん、お休み。ゆっくり休みなよ」


「うん。そうするよ」


 シャインは部屋に入っていった。私も自分の部屋に入っていく。


 私は部屋で寝間着に着替え、固いベッドの上に寝ころんだ。


 子供でなければすでに疲労困憊で全身筋肉痛になっていてもおかしくない。


 栄養剤を飲んで、無理やり置き続けていた現役時代とは違うのだ。


――このまま眠ってしまってもいいなんて……、子どもの体、最高。


 私はシーツを被ることなく、寝落ちした。


 たとえ古臭く、固いベッドだとしても私にとっては最も安心できる場所なのだ。


 ベッドと言う安息地に入った私は一気に全身の危険察知器官が切れ、死ぬように眠る。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


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毎日更新できるように頑張っていきます。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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