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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
天才の弟と復興の街 ~弟は街に行ってもやっぱり天才だった編~
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巨乳お姉さん好きの変態天才児

 ライトはグラスを持ち、においを嗅いだ。


「あ、レモネの香りが凄い……。爽やかで涼しげだ」


 ライトはグラスに口を着け、レモネティーを飲む。


「凄く美味しい。家で飲むのと全然違う……。この紅茶、凄く美味しいよ。姉さん!」


「そうでしょ。お店で飲むのと家で飲むのとではやっぱり全然違うんだよ」


 私もグラスを持ち、レモネティーを喉に一口グイっと流し込む。ここに来るまで水分補給をおこなっていなかったので喉がカラカラだったのだ。


 ぐびぐびと飲み進め、満足いくまで飲んだら、口から放してコースターにグラスの底をドンッとつける。


「ぷは~~! 美味し~い! 沁みるうぅ……」


「姉さん、なんかオッサン臭いよ……」


「よかった~。キララちゃんにそう言ってもらえると安心するんだよね」


 カロネさんは手を合わせて笑顔になっていた。


「ライト、お礼をしなきゃ」


「あ、そうだよね」


「お礼?」


「えっと、とても美味しいレモネティーをありがとうございました。僕、特技が魔法を使うことなんですけど、困っていることがあればできる限り解決します」


「困っていること……。んーー。あ、そうだ」


「何か思いついたんですか?」


「うん。お気に入りの花が病気になっちゃって、種が取れなくなってしまったの。どうにかできないかな?」


「なるほど。では、その花を見せてもらってもいいですか?」


「わかった。すぐに持ってくるね」


 カロネさんは後方に駆けて行き、すぐに戻ってきた。


「この花なんだけど……」


 カロネさんが持ってきた植木鉢には葉や花弁の部分が黒く変色したガーベラに似た花だった。


「なるほど……。治せそうですね」


「え……。治せるの?」


「はい。病気なので、花に悪さをしている物質を消します。そうすれば、治るはずです」


 ライトはローブから魔法杖を取り出し、カロネさんの持つ植木鉢の花に向ける。


「『クリア』」


 ライトは詠唱し、魔法を発動した。花は光に包まれ、床に浮かぶ魔法陣が消えると同時に光りも分散する。


「わぁあ~! 凄い! 治ってるよ!」


 光が分散したあとの花は、黒ずんでいた葉が緑色を取り戻し、花弁も綺麗なピンク色になっていた。


「ありがとう。まさか、病気の花を治しちゃう魔法が使えるなんて思っていなかったよ。ライト君が凄い魔法使いだったなんて……。私、感激!」


 カロネさんはとびっきりの笑顔でライトを褒めた。


「そこまで喜ばれると……、照れますね……」


 ライトは綺麗なお姉さんに褒められて嬉しがっている。どうやらライトも男なのか美人な方には弱いらしい。


「では、カロネさん。商品の入荷をしますから確認をお願いします」


「うん! よし! 仕事頑張るぞ~!」


――ベスパ。牛乳パックの入ったクーラーボックスとレモネの入った木箱、紙コップ一〇○個と蓋一〇○個持ってきて。


「了解!」


 ベスパは扉から出ていき、私がお願いした物をすぐに持ってきた。


――テーブルの上に置いてくれる。


「了解」


 ベスパはクーラーボックスを、光学迷彩で姿を消しているビー達は木箱と紙コップ、蓋をテーブルの上に置く。


「これで全部ですね」


「はい。確かに注文通りありますね」


 カロネさんはテーブルの上に置いてある商品を確認し、私のもとに戻ってきた。


「では、牛乳パック一〇本で金貨五枚。レモネとレモネの葉、木箱一箱で金貨二枚。紙コップと蓋一〇○個で銀貨一枚。計金貨七枚と銀貨一枚です」


「わかりました。すぐに持ってくるね」


 カロネさんはカウンターに向い、お金の入った小袋を持って戻ってくる。


「この中に硬貨が入っているから確認してくれるかな」


 カロネさんは私に小袋を手渡してきた。


「では確認しますね」


 私は袋の中を見て確認する。金貨七枚と銀貨一枚が入っていた。


「確かに全額入っています。ではこれで取引は終了ですね。ありがとうございました」


 私はカロネさんに頭を下げた。


「こちらこそ。良い品をありがとう。じゃあ、キララちゃん、七日後もお願いね」


「はい、お任せください」


「ライト君もまた来てね。はい、ぎゅーっと」


「ギュ……っと」


 ライトはカロネさんに抱き着かれ、顔を豊満な胸に無抵抗のまま埋めた。


「じゃ、またね~」


 カロネさんはライトに満面の笑みを見せ、大きな胸を揺らすほど手を振っていた。


「は~い。また来ま~す」


 ライトは鼻の下をこれでもかと伸ばし、カロネさんに手を振っていた。


 その姿はキャバクラで飲み終わったおじさんの顔と同じ。


『パシッ!』


「痛っ! ね、姉さん。何するの!」


 私はライトがお店を出てきた瞬間に頬をびんたして、目を覚まさせる。


「ライトの腑抜け! 今の顔、デイジーちゃんに見せるよ!」


「見せるって……。どうやって……」


――ベスパ、今の映像出せる?


「はい。可能ですよ」


 ベスパはライトの目の前にさっきの腑抜けていたライトの表情を映した。


「こ、これが……。僕……」


 ライトは自分の鼻の下が伸びまくっている顔を見て絶句していた。


「平常心をちゃんと意識しないと、顔が崩れて悲惨な末路になるよ。私と同じように誰かに表情を見られて引かれないようにね」


「あぁ、姉さんも悪いこととか、お金のことを考えると顔が悪くなるもんね……」


「今回、ライトの腑抜けた顔を見ていたのが私だったからよかったものの、もし隣にデイジーちゃんがいたら一発で嫌われてるよ。だからおっぱいの大きな女の人に惑わされないよう、しっかりと気を持つようにしなさい」


「そ、そうだね。おっぱいなんかで気を惑わされたら駄目だよね。僕もまだまだだな」


 ライトは頬をパシパシと叩き、いつもの美少年に戻った。


――危なかった。ライトが巨乳お姉さん好きの変態天才児になるところだった。


「変態と天才は紙一重な気もしますけどね……」


 ベスパは私の発言を呆れた声で保管してきた。


――捉え方次第だよね。ライトは魔法の扱いが凄いけど、見方を変えれば魔法が大好きな変態だし。


「キララ様はお金が大好きな変態ですか?」


――その言われ方、すごく嫌なんだけど。せめてお金を稼ぐ天才って言ってほしいな。


「ま、捉え方は人それぞれですよ。私は魔力ですけどね~」


 ベスパは上空を優雅に飛びながら答えた。私を絶対馬鹿にしている。


「さてと、ライトの仕事は次が本番だから気合い入れてよ」


「う、うん! 頑張るよ!」


 ライトはきりっとしたいい顏で意気込んでいる。さっきの腑抜けた顔と同一人物とは思えない。


 私達はレクーのもとに移動し、荷台の前座席に乗って騎士団に向った。


 騎士団の前に着くと騎士達が熱い闘志を燃やして訓練にいそしんでいる。


 以前、デイジーちゃん達と見た時とはまったく別の集団だった。一人一人、汗水たらして懸命に訓練している。


「おらあああああ!!」


「まだまだあああ!!」


「ここから、もっと上げていくぞ!!」


「オオーー!!」×騎士達。


 騎士達の持っている剣や斧、槍がぶつかり合い、火花が散る中、聞こえてきたのは男の騎士を鼓舞する掛け声だった。


「ブラックベアーにビビって、闘志が消えたらしいな。情けねえ!」


 トーチさんは男性騎士を煽っていた。


「この前、私達よりも先にへばっていた方々がいるらしいじゃないですか! 情けないですね~!」


 マイアさんも男性騎士を煽っていた。


「私達よりも活躍しなかったのに貰える報酬が同じなんておかしいと思いませんか~?」


 フレイさんも男性騎士を煽っていた。


「わ、私ですら、戦えたのに……怖気づいていたなんて、だ、だっさーい!」


 ロミアさんですら男性騎士を煽っていた。


「何くそーー!! 俺達を舐めるなーー!!」×男性騎士達。


「ふっ!」

「はっ!」

「せいっ!」

「やっ!」


「どあああっーーーー!!」×男性騎士達。


 男性騎士達は女騎士達に弾き飛ばされていた。


「えぇ……。女騎士の皆さん、屈強な男達をなぎ倒してるよ……。なんか初めて会った時よりも強くなってる気がするんだけど」


「キララ様の魔力を浴びて体が覚醒したんじゃないですかね。それか、単なる彼女らの努力の結果かと思われます。ま、以前の戦闘経験が他の男性たちよりも多かったのが原因かと思われます」


――そうか。皆、努力しているんだね。今回の件で騎士団は変わってくれたのかな。


「そうだと思いますよ。ほら、見てください」


――え?


 ベスパはとあさっての方向を指さす。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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