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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
大口契約が決まって順調そのもの! ~でも、街の様子がやっぱりおかしい偏~
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7月7日、街に牛乳を運びに行く

魔造ウトサを知ってから6日経ち、今日は7日目。


牛乳を街に配達する日がやってきた。


――今日は7月7日だ。何かいいことがありそうな予感。というか今日はライトとシャインが8歳になる誕生日。出来るだけ早く帰ってこないとな。あの2人を怒らせたら私がどうなるか……。


ベスパにお願いして必要な本数の牛乳パックを荷台に積んでもらう。


レモネやレモネの葉も出来るだけ積んだ。


すると、荷台に乗せる隙間はほとんどなくなった。


私は厩舎からレクーを出して縄で荷台に繋ぐ。


「今日もよろしくね、レクー」


「はい、任せてください」


――今日もレクーは調子がよさそう。いっぱい食べて運動しているからかな。


「キララ様。ドリミア教会に少し動きがありました」


「え、ほんとう。どんな動きがあったの?」


「ショウさんのお店は頑なに魔造ウトサの使用を拒み続けていました。それに嫌気が差したのか、他のお菓子屋さんにも手を出し始めたようです。言い分としては『実験台がないと何も分からない』だそうです」


「そう来たんだ……。でも、そうなるときついね。数が増えるだけで私達としては困るし」


「はい。お菓子屋さんの中にはお金に目が眩んでいる方々も多くおられます。5店のうちショウさん以外が承諾したようです」


「そうなると、作戦を速めた方がよさそうだね。街中の人が魔造ウトサ依存症になる前に止めないと」


「ですが、まだ魔造ウトサを消せるという確証がありません。今日、ディアに食べさせて反応を見る予定でしたのに、作戦を速めていいのでしょうか」


「そうだよね。ディアはベスパ達みたいに姿を消せないし、大群で動いたら目立っちゃう」


「魔造ウトサの使用を止めさせるには販売しようとしているドリミア教会を止めるか、販売を許可している領主を止めるか、はたまた魔造ウトサの危険性を軽視している研究員に危険だと王都の食品安全庁に知らせるしか方法がないと思われます」


「ドリミア教会を止めるのは、規模が大きすぎて難しい。研究員だと権力が弱いからとどけが出される前に教会に潰されそう。残ってるのは、販売を許可している領主を止める。そうすればとりあえず、街での依存者を出さずに済むはず……」


「そうですね。一時しのぎかもしれませんが、領主を止めるのが一番期待できるかもしれません」


「やるしかないか。私は領主を止められるのかな。そうだ、顔がバレないようにお面も着けないと……」


「最後は力技で行くしかないかもしれませんね。戦闘を覚悟するしかないでしょう。情報によると血の気が多い方だそうです。話の通じない相手は力でねじ伏せればいいと言ったかんじですね」


「そうなんだ。私達でも勝てるかな……」


「1対1なら、ただ……敵が複数だと対処しかねます。うまく敵の戦力を削いでいかないと総攻撃を受けてしまうのでキララ様の身が危険に晒されます」


「領主の裏にはドリミア教会と騎士団がいるもんね……。いざとなったら盾にして逃げられるかもしれない。一番いいのは街の人達に反乱を起こしてもらう方法だけど……。期待しない方がいいかな」


「そうですね。ほとんどの人に領主の息がかかっています。すでに領主がいないと生活が成り立たないと言った具合に洗脳されているかもしれません。その状態で反乱を起こさせるのは難しいかと思われます。加えて、魔造ウトサの依存によって自身では思考すらできなくなるでしょう。何としてでも止めないと街が金の木になります」


「それだけは何としてでも止めないと。とりあえず街に行ってみないと実際の現状が分からなから、今すぐ向かおう」


「了解です」


「キララ女王様! ついに行くのですね!」


ディアはブローチに擬態して私の胸元にくっ付いている。


これが結構分からないのだ。


凄い近くから見ても、ディアが足と触覚を縮こませていれば、真っ黒な光沢のあるブローチにしか見えない。


「そうだよ。今から街に行って様子を見てくるの。ディアは今回の主力だから、頑張ってもらうよ」


「お任せください!! 私達一同キララ女王様のお役に必ずやたってみせましょう。今は私、1匹ですが荷台中に計10匹忍んでおります」


「わかった。頼りにしているよ」


胸元にゴキブリがいると思うと複雑な気持ちになるが結構いい子なので悪い気はしない。


「それじゃあ、街に行くよ!」


「了解です!」


「はい!」


「行きましょう!!」


私とベスパ、レクー、ディアは朝1番の大声を出し、自身を鼓舞する。


私達が街に向かっている途中。


「ベスパ、何か使い勝手のいいお面作ってくれない」


「お面ですか?」


「そう、やっぱり顔がバレたら後々面倒でしょ。だから敵と当たる時は顔を隠しておいた方がいいと思うの。今からお面を作れるのはベスパしかいないから」


「分かりました。色は付けられませんが、出来る限り作ってみます」


「お願い」


ベスパは山の方へ飛んで行く。


少し移動したころ、ベスパは数枚のお面を持って帰ってきた。


「色々と作ってきました。キララ様の好きな物をお使いください」


「いっぱい持ってきたね、何枚あるの?」


「10枚ほど作ってきました。お面も種類が豊富でして。キララ様の頭の中に思い描かれていたお面も作ってきました」


ベスパの持ってきたお面は、キツネ、おたふく、ひょっとこ、鬼……etc、私の記憶の中にあった仮面が勢ぞろいしていた。


中には、懐かしすぎるものもある。


「これは初代。懐かしすぎるでしょ。見た覚えないのに……」


「それは虫を題材にしたお面ですね。なかなかカッコいいです。私、それを元にこんな物も作っていました」


「ぎゃっつ!」


私はベスパの持ってきたお面に恐怖し、気絶しそうになった。


「ビーの顔をお面にするとかあり得ない……。しかも私に見せるとか、何考えてるの」


「す、すみません。お面なら大丈夫かなと思ったんですが、無理みたいですね」


「ま、まぁ確かに本物よりはマシだけど。でも本物にそっくりすぎるでしょ」


「木材の色しか使えないので、黒統一にしたのですが使えませんかね?」


「うぅ……、でも1番しっくりくるかも」


私は全てのお面を一応着けてみた。


普通に着けれるお面ばかりなのだが、ビーを主要の題材としたお面だけ顔にぴったりと合う。


止めておくための紐すら要らない。


顔を上下左右どれだけ動かしてもまったくずれ落ちず、1枚の肌かと思うくらいの着け心地。


口を動かしてもなぜか伸縮し同じように動いた。


特撮で使う、特殊メイクよりも実際すごいと思う。


「ベスパ。このお面だけ本気出しすぎじゃない。私に着けさせる気しか伝わってこないんだけど」


外すときもすぐ取れた。


――なにこれ、怖い……。もしかしたらベスパに他人の顔を作ってもらえば、その人の顔になれてしまうかも。まぁ、色が難点だけど……。


「仕方ない。今回はビーのお面を使うか。何事もなければ使わなくて済むし、もしつける必要があったとしても私の顔が見えないから、嫌悪感は少ないはず。妥協だけど」


「ありがとうございます!」


ベスパは営業で商品を買ってもらえたサラリーマンのように何度も頭を下げてきた。


元から着ている服装も相まって、よけいサラリーマンに見えてしまう。


金髪の社会人は殆どいないけどね。




最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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