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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
大口契約が決まって順調そのもの! ~でも、街の様子がやっぱりおかしい偏~
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顔合わせ

ベスパは窓を飛び出してからほんの数分で戻ってきた。


「キララ様、出来ました。完成度は高めですよ」


ベスパが持ってきたのは、確かにブラジャーだった。


――色はいつもと同じ茶色。形はフルカップブラ。私が想像していた物と同じだ。私には包み込むような程大きくなかったから着た経験はないけどね。触り心地はしっとりとしていい感じ。これもビーの巣から作ったのかな。化学繊維に負けてないよ。まぁ、凄くださいけど……。


「さすがに細部まで再現するのは今の私達には少し難しかったですね。ですがその代わりに、質感の方を重視して作成しました。出来るだけ木のザラザラ感を無くし滑らかに仕上げてます。友達にも手伝ってもらい、耐久性も上がっているはずです。簡単に切れたりはしません。もちろん火には弱いです」


――いや、十分だよ。売り出せそうなくらい完璧に出来てる。ホックの部分もしっかりしてるし、さすがだね。


「それほどでも、ありますよ。私達は凄いんです!」


――まぁ、確かに凄いけどそんなに威張らないでよ……。


「メリーさん、これを着けてください。簡単な作りですけど、胸が大分楽になるはずです」


私はメリーさんにブラジャーを手渡す。


「え、いいの。凄~い、始めて触ったよ。これがブラジャー、早速つけてみるね!」


 メリーさんは徐にボロボロの服を脱ぎ捨てると、薄汚れた肌着が現れた。それも胸でパツパツだ。きっと子供のころから使っているのだろう。今もまだ年齢的に子供だけど、体はもう子供じゃないんだよな。


「ん~っしょっと~!」


薄い肌着も脱ぎ捨てると、私の目の前で大きなメロンがバインバインと跳ねた……。


私の口と目が開きっぱなしで、全く閉じない。それくらいの衝撃だった。


確かに、大きなメロンにも驚いたが体中痣だらけ。


それを見れば、きっと幾度となく暴行を繰り返されたのだろうと容易に想像できる。


「ん……、どうしたのキララちゃん?」


「い、いえ。体の痣がすごいいっぱいあるなと思って……」


「あ~これ……。あはは、お金稼いでたとき、結構殴られるんだよ。『うちの夫を篭絡しやがって! このクソガキ!』ってね~。確かに私からお願いしたけど、あっちもノリノリでお金払ってくれたんだから理不尽だよね~。でも、カイト君の為にお金を稼がなきゃいけなかったから全然苦じゃなかったよ」


メリーさんは満面の笑みを私に向けた。


「ううう……」


私はメリーさんの笑顔を見て、不本意にも涙を流してしまった。


「え! ちょっと! キララちゃん、どうしたの」


「す、すみません。メリーさん……すっごく強い人だなと思って……」


「何言ってるの~、私は全然強くないよ~。ほら、こんなに貧弱な腕で筋肉なんて全くないんだから」


メリーさんは腕を曲げて筋肉の無さを主張してきた。


「い、いや……。そういう意味じゃなくてですね……」


「え、そうなの?」


メリーさんは頭に? を浮かべ首をかしげる。


――やっぱりこの人、頭が少し弱いのかな。


メリーさんは私の渡したブラジャーを付けようとするが後ろのホックを上手く付けれない様子だった。


「メリーさん、後ろを向いてください。私がつけてあげます」


「うん、おねがい。私、体硬いみたいだから」


私はメリーさんが着けているブラジャーのホックを少し引っ張り、輪に引っ掛ける。


「これでよし。どうですか、メリーさん。苦しくないですか? 苦しかったらまた作り直しますよ」


「ううん。全然苦しくないよ。着けただけですっごく楽になった。特に肩が一気に軽くなって凄い動きやすい。これならいくらでも飛び跳ねれそう!」


メリーさんは子供のようにはしゃぎながら、その場で飛び跳ねる。


先ほどまでバインバインと動いていたメリーさんのメロンはブラジャーにしっかりと包まれ、そこまで動いていない。ただ、見えなくなった分、色々と破壊力を増してしまった気もする。


「それじゃあ、メリーさんとカイト君、このまま退院できますか?」


「ええ、私達の持ち物なんて何も無いし。あるのはボロボロのシャツだけ。あと今、キララちゃんに貰ったこのブラジャー。私、一生大事にするね!」


「いや、ブラジャーは消耗品なので、きっと壊れてしまいますよ。特にメリーさんは何度も壊すと思います。なので、壊れてしまったらまた私に言ってください。その都度メリーさんにあったブラジャーを用意しますから」


「そうなんだ。ちょっと残念。でも、これからはキララちゃんのところでずっと働けるんだよね?」


「はい、バリバリと働いて、お金を溜めちゃってください!」


「あの……。えっと、私もそっちに行っていいですか……」


「ん?」


私がメリーさんと喋っていると、病室の扉が開き、セチアさんが立っていた。


「あ、セチアさん。村に帰るまで時間はまだありますけど、もういいんですか?」


「うん、もう大丈夫。なんか、ラルフを見てたら頑張れって言っている気がして」


「そうですか。あ、こちらの2人はメリーさんとカイト君、私の牧場で働いてくれる2人だから、セチアさんとも深くかかわる相手だよ。」


「始めまして。メリー・ポーシャと言います」


「初めまして。カイト・ポーシャです」


2人はセチアさんに向って最小限の自己紹介を行った。


「初めまして。えっと、セチア・サスリエと言います。これからよろしくお願いします」


セチアさんも2人に向って自己紹介をした。


「これで、ほとんどの子供達を牧場に連れて行けるね」


「ちょっといいですか……」


「はい、何ですかセチアさん?」


「あの、メリーさんって何歳ですか。私は12歳なんですけど……」


「あら、それなら私の方がお姉さんね。私は13歳だから」


「な! そんな……そんな馬鹿な……。私と1年しか変わらないなんて」


セチアさんは自分の胸とメリーさんの胸を何度も往復しながら現実を受け入れられない様子だ。


そりゃ、そうだろう。メリーさんはメロン、セチアさんはまな板なのだ。


かく言う私も今のところは、ぺったんこなんだけど。


――セチアさん……。それが変えられない現実と言うものなんだよ。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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