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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
綺麗な街だと思っていたのに… ~街の裏側は真っ黒だった偏~
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営業と配達

「ふ~何とか家族の皆に、子供達をばらけさせれたぞ。私は牧場で主に働いて無いからほとんど教える仕事ないんだよね。いつも手の足りないところを補佐している感じだし。まぁ、私は営業部所属かな。それじゃあベスパ、今から街へ配達しに行くから注文通り、荷台に商品を積み込んでくれる」


「了解です!」


ベスパは空へ高く飛び上がり、周りのビーたちを集め、指示をだしている。


私は、その光景をもちろん見れない。


その場で身を屈め、丸まる。


「キララ様! 牛乳パック10本入りクーラーボックスを計6箱、積み込み完了しました! 他に何か積み込む商品はありませんか?」


「ん~そうだな……。賞味期限が近い牛乳瓶を2ダースくらい積んどいてくれる」


「了解です!」


「よろしくね。あ、そうだ。余ったチーズもちょっとだけ積んでおいて。1,2ピースでいいから」


「分かりました!」


昨日も街に行ったが、今日も街に行く。


昨日残してきた子供たちの回収と大口契約先に牛乳をさっそく配りに行くのだ。


――もうすぐ夏が来るし、お金を蓄えておきたいんだよね。牛乳は暑さに弱いから、夏の時期に遠くまで売りに行くのは安全面の危険が少し増す。もし、牛乳を飲んで食中毒何て起きたら、一発で契約破棄だもん。牛乳以外に出来れば暑さに強い主力商品を作りたいな。


「この世界の夏も暑いんだよな……。クーラーもないし扇風機もない、魔法で氷が出せるのが唯一の救いだよ。さて、そんな炎天下の続く夏にどんな商品を売ろうか……」


私は歩いて荷台に向いながら、考える。


――今のところ、チーズが有力だけど、暑い夏にはレモネが良いよね。でも、レモネを使ったものって何かあるかな。レモネ汁、単純すぎか……。なら、レモネの葉を使ったハーブティーなんてどうだろう。今から配達しに行く相手にカフェをやってる人がいたよね。その人の所に行ってレモネとレモネの葉が売れないか交渉してこようかな。


「キララ様、チーズの積み込みが終了しました」


「お疲れさま。それじゃあ、行こうか」


私はレクーを厩舎から出し、荷台に縄でつなげる。


その間、私は子供達がお父さんから色々教わっているのを見て『校外学習みたいだな』と思ってしまった。


お父さんも酪農家に馴染んできたようだ。


「今日は僕だけなんですね」


「そうだね、人を運ぶわけじゃないから。レクーだけで十分なんだよ」


私はレクーと話し合い、体調を確認する。


レクーは今日も毛並みが良く、足の動きも軽い。どうやら体調は万全のようだ。


私は、革製の手袋をはめて荷台の前座席に座る。


手綱をしっかりと持ち、レクーに指示を出した。


「それじゃあ、レクー。まずは、川に向ってくれないかな」


「了解です」


私は新鮮なレモネとレモネの葉を収穫するため、以前、ネ―ド村から植え替えたレモネの木に向う。


昨日の雨が嘘だったように空は晴れていた。


地面はまだ雨に濡れており、日に当てられて蒸発している。


そのお陰で、とても過ごしやすい気温だ。


レクーが引く荷台の車輪は地面に5センチほどの溝を作る。


地面はまだ少し軟らかいが、天気がいいのですぐ乾燥して硬くなるはずだ。


「ん~ 爽やかな風~。これくらいの気温が一番過ごしやすいな~」


私は川までやってくると、レモネの木は堂々とその場に生えている。


未だに、大きくて色艶の良いレモネを多く実らせていた。


「えっと、皮に艶、張りがあって、少しの弾力、色が濃くて、重量感もあって、香りが良い物。ちょっと欲張り過ぎかな。でも、出来るだけ良いレモネを持っていきたいから、とこどんこだわって収穫して行こう。レモネの葉も、同じくらい良い物を持って行かないと落差が生まれちゃう」


私はレモネを10個ほど収穫し、レモネの葉も10枚程度千切った。


既に手からレモネの良い香りがしてきている。


「爽やかで良い香り。心が落ち着く……。でもカフェの人だったらレモネを知らない訳無いだろうし。目新しさじゃなくて、どういった点が他のレモネと違うのかを説明した方がいいのかな。知らないんだったら、どういう風に使えるか教えないといけないし」


私は、レモネを荷台に積むとそのまま街へと向かった。


街まで続く道は昨日よりも乾燥していた。


まだ湿ってはいるが泥濘にはまりはしなさそうだ。


――いつか、この道の脇に何か出来ないかな。周りは殆ど草原だから牧場とか新しく出来るかも。まぁ、家の牧場の動物たちが増え過ぎたら、この土地でも買って使わせてもらおうかな。


私達はもうすぐ来る初夏の風を感じながら移動していた。


「あ、街の門が見えてきた。でも、毎回毎回この距離を移動するのはやっぱり大変だな。少しくらい短くできたらいいんだけど……」


私はいつも通り、門の横に立っている兵士のおじさんに挨拶した。


「おはようございます! 今日はいい天気ですね! どうぞ、牛乳瓶です。目覚めの一杯にグイっと行っちゃってください! 空の瓶は燃えるゴミに捨ててもらえれば問題ないですから」


「おいおい、いったい何だ……。牛乳?」


私は兵士のおじさんに牛乳瓶を1本押し付け、感想を聞かずに門をくぐった。


「さてと、初めはどこに行こうか。そう言えば、私……5人のお店を知らないんだけど。オリーザさんの所に行って聞くのもな。きっと忙しいだろうから、他の所で聞いてみよう。丁度病院に行くし、リーズさんに聞けばお店の場所が分かるかな。残りの2人はまだどこにいるか分からないけど、先に病院に行こう。ラルフさんとメリーさんの状態を見ておきたいし」


ベスパは気温がビーの体温に適しすぎて、レクーの頭の上で眠っていた。


――ベスパを起こすのも悪いし、病院でお店の場所が分からなかったとき聞けばいいよね。


私達は朝早くから病院に向った。


朝早くと言っても、街の人は働きに出ている時間帯だ。

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