表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
綺麗な街だと思っていたのに… ~街の裏側は真っ黒だった偏~
168/1148

子供達の仕事内容

「それじゃあ皆、今日はこの大きな家で寝泊まりしてもらうね。明日の朝また迎えに来るから。えっと……私がいなくても大丈夫だよね。何かあったらすぐに駆けつけるから」


「はい、大丈夫です。屋根があって風が凌げる場所で寝られるだけでもありがたいので」


――そうだよね。ずっと外で暮らしてたんだから、家の中で寝るのなんて、全く怖くないか。


「それなら、よかった。皆、今日はしっかりと寝て明日に備えておいてね。初めは仕事を覚えてもらうから、ちょっとしんどいと思うけど、少しずつ慣れていこう」


「は~い! 分かりました!」×子供達


「うん、よろしい。それじゃあガンマ君、今日のところは皆をよろしくね。この中だと一番年上だと思うから。何かあったら、大きく手を振って。そしたら、私が気づいてすぐ駆けつける。気負わずに出来る範囲で皆を纏めてあげてね」


「はい、分かりました。僕のできる範囲で頑張ります!」


「皆は、困ったことがあったらこのお兄さんに聞くんだよ。分かった?」


「は~い!分かりました!」×子供達


「えへへ……。これでお兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんじゃなくて、皆のお兄ちゃんになったわけだ」


「何嬉しそうにしてるんだよ。テリアは悲しくないのか? 僕が皆のお兄ちゃんになっても」


「悲しくないよ。だってお兄ちゃんにとって最初の妹は私だもん。だから全然悲しくないよ」


「そ……そっか~、そうだよな~。ほんとテリアは可愛い奴だな~」


「えへへ~」


――仲睦まじい兄妹……。私達にもこんな時期があったな~。最近はめっきりなくなったけど。


「それじゃあ、私は行くね。鍵をちゃんと閉めておかないとダメだよ。それと、今の季節は夜も暖かいけど体をしっかりと温めながら寝ないとダメだからね。それから…………」


私はおせっかいなお母さんみたく、言葉をいくつも付けたしていく。


少し喋り過ぎたなと思ったころ。


既にうつらうつらしている子供たちがいたため、この辺で話を止めた。


まだ伝えたい話はあったが今日のところはこれくらいにしておく。


私はレクーの荷台に乗り、ウシ君を連れて牧場に向かった。


「ふ~、今日はお疲れさま。レクーとウシ君、すごく疲れたでしょ。明日もきっと疲れるだろうから、夜はしっかりと休んでね」


私はレクーとウシ君の餌箱に干し草を大量に詰める。


「やっと食べられる……。お腹が空いて仕方がなかったですよ……」


よく食べるウシ君は、干し草を一瞬で食べきってしまった。


レクーは食べようと思えばいっぱい食べるのだが、いつもは小食気味だ。


昔、レクーの体を大きくするために行っていた大量食いが、今現在……結構トラウマになっているらしい。


レクーは干し草を少しずつ、そして確実に食べ進めていく。


「よしよし、レクーもちゃんと食べてるね。それじゃあ私はお爺ちゃんと話をしてくるから、もっと食べたくなったらベスパに伝えて」


「はいよ……」「了解です」


私はまだ仕事をしているお爺ちゃんに会いに行く。


「お爺ちゃん、まだ仕事しているの? もう暗いのに……」


お爺ちゃんはメークルたちのいる小屋にいた。


未だにお爺ちゃんはランタンの灯りを使って、仕事をしている。


「そう言うキララだって、もう夜遅いだろ。両親が心配しているはずだ。さっさと帰りなさい」


「もう帰るよ。ちょっと伝えたい話があって来ただけだから」


「伝えたい話。 それは……子供たちの話か?」


「え……。もうしってたの?」


「ああ、キララの両親から聞いた。子供たちを助けてやりたいんだろ?」


「うん……そうだよ。ここで働かせてあげても良いよね」


私は肯定されるのが当たり前のように話を進めていた。


ただ、お爺ちゃんは険しい顔をした。


「問題は無いが……課題は多いぞ。子供たちにしっかりと指導出来るのか? こっちは命を預かっている身なんだ。生半可な気持ちでは牧場の仕事なんて到底出来ないぞ」


「もちろん、誠心誠意を込めて指導していくよ。子供たちも、一生懸命に仕事をしてくれるはず。ここまで来てくれたのだって、自分たちの未来を変えたいという思いからだと思うし」


私は自分の思いを素直にお爺ちゃんに伝えた。


ランタンの灯りに照らされてほりの深いお爺ちゃんの顔が少し怖く見えていたが、穏やかな表情になっていく。


「そうか……。なら、ちょうどいい仕事を子供たちにやってもらおうか」


「ちょうどいい仕事……。いったいどんな仕事なの? 私は、配達から始めてもらおうと思っていたんだけど」


「これだよ……」


お爺ちゃんは細見にも関わらず、大型犬以上の大きさがあるメークルを1頭抱きかかえ、ハサミで毛を刈り取っていった。


――は……早い。バリカンも使っていないのに、たった1、2分でメークルの毛を刈りつくした……。


「でも、子供たちにハサミを使わせるのは少し危ないんじゃない? メークルたちもずっと止まっているわけじゃないし……」


「いやいや、子供達にハサミはまだ使わせんよ」


「それじゃ、…どんな仕事をしてもらうの?」


「もうじき、夏が来る。メークルの毛を刈り取る工程を本当はもっと早くやりたかったんだが、今年はモークルの方が忙しくなってしまったからな。だいぶ遅れてしまった。毛を刈り取る作業を早めにやっておかないと、メークルの体調が悪くなる。だから今もこうして刈り取っている状態だ。ただ、いかんせんメークルの数が多くてな……。1人で小屋に運び、毛を刈るというのを繰り返すのは流石にこの歳だときつくなってきたところだったんだ」


「あ~、メークル達を1頭ずつこの小屋に連れてくる仕事か。確かに、子供達もメークルに直接触れるから楽しく仕事できるかも。子供たちの数も多いから仕事を、配達、掃除、牛乳づくり、メークルの移動に分けて、回していく感じでいいかな。メークルの移動っていう仕事が終わったら、残り三つの仕事に綺麗に分かれてもらおう」


「そうだな。まずは慣れてもらうのを第一に考えるべきだ。子供達、動物達の安全面はキララのスキルを使えば十分可能だろう。それぞれ指導者を付ければさらに安全だ」


「うん、安全面には抜かりないよ。私のスキルを使えば、安全に仕事をしてもらえるはず」


「それじゃあ。キララの考えた流れでやってみるか」


お爺ちゃんからの了承を貰い、私は家に帰った。


「ただいま……」


「あら、キララお帰りなさい。今日はちゃんと帰ってきたのね。今日も帰って来ないと思ってたわ」


お母さんは玄関で腕を組みながら待っていた。


――危なかった……。また遅れてたら雷が落ちるだけじゃ済まなかったよ。


「そりゃあ、何度も言われていることだからね」


「それで、子供達は連れてきたの?」


「うん、連れてきたよ。街にまだ4人残っているけどね。4人以外の子供達は村の家に移動してもらった」


「そうなると明日からこの村もにぎやかになるわね。ライトとシャインのお友達もできるかしら。まだ2人に友達って呼べる子はデイジーちゃんくらいしかいないから、仲良くなってくれればいいけど……」


「そうだね。でも、年齢の近い子もいるし、案外大丈夫だと思うよ。まぁ……ライトとシャインの2人が子供たちの相手をしてあげられるのか、姉としてちょっと心配かな」


「そうね、他の子供達と遊んだ経験なんて殆どないものね。でも、ライトとシャインだって子供なんだから、いっぱい遊びたいだろうし、あんまり気にしなくても思うわ」


「仕事の手伝い、魔法や剣術の鍛錬だけじゃなくて、他の選択肢も生活に入ってくれるといいよね」


――年が近い人と遊ぶのは、これからの生活で必要な交友関係を深めてくれるはず。


「それじゃあ私は、ライトとシャインに明日の内容を伝えてくる。お父さんとお母さんにもそれぞれ子供たちが数人つくから。優しく教えてあげてね」


「ええ、大丈夫よ。しっかりと教えてあげるわ。お父さんにも私から言っておく」


「うん、よろしくね」


私は初めにシャインのいる部屋へと向かった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


続きが気になると思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


毎日更新できるように頑張っていきます。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ