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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
綺麗な街だと思っていたのに… ~街の裏側は真っ黒だった偏~
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ただが大金になっていいの?

――えっと単純計算で、6×5=30。つまり金貨30枚! すっごい大金だ! しかも7日で金貨30枚、1ヶ月はだいたい4週だから、金貨120枚か。こ……こっわ! ドドドどうしよう。こんな大金、もらっていいのかな。あ、でも子供たちに振り分けていくんだから、大金がもらえるのはありがたい悲鳴なのか。


「はぁはぁはぁ……金貨120枚」


私は頭の中で大量の金貨を想像し、息が荒くなる。


「いけない、お金を稼ぐのはいいけど、それに伴う危険もちゃんと考慮しないと。とりあえず、深呼吸をしよう。すぅ~はぁ~」


「嬢ちゃん! 今日余ったパン、持って行くか」


私はパン屋さんの中で美味しいパンの匂いを嗅ぎながら深呼吸していると、オリーザさんが話しかけてきた。


「はい! もちろんです。今回は全部持って行きます!」


「お、助かるぜ。廃棄するのはどうも気が引けてな。食べてもらえると凄くありがたい」


「オリーザさんのパンはすごく美味しいですから。家族の皆も大好きなんですよ!」


「そうか、それなら良かった」


私はオリーザさんからパンが一杯詰まった紙袋を貰い、皆さんに一礼してから、その場を離れる。


その後、私は紙袋を抱えながらレクーの引く荷台にまで歩いてきた。


荷台の帆を開けると、試飲用に持ってきた牛乳瓶がまだ残っていた。


「えっと、この余った牛乳瓶を皆さんに渡してこよう、ベスパちょっと運んでくれる」


「了解しました」


ベスパに牛乳瓶の入ったクーラーボックスをパン屋さんの前まで運んでもらった。


私は扉を開けて店の中にクーラーボックスを押し込んでいく。


「すみません……この牛乳瓶は今回のお礼として受け取ってください……。皆さんで均等に分けてくださいね」


私は床をこすりながらクーラーボックスを移動させていると……。


「これは、いったい何ですかキララさん?」「何かを入れる箱か?」


「え?」


なぜか食いついてきたのは、ルドラさんとスグルさんだった。


「えっと、これは牛乳を運ぶときに使う箱です。通称名としてクーラーボックスと呼んでいます。牛乳はとても傷みやすいので冷やしながら出ないと、持ち運びが出来ません。この箱の中には氷を入れる部分があり、内と外の二重構造になっていますので、中の低い温度を一定に保つように出来ているんです」


「なぁ、ルドラさんよ。これって相当やばそうじゃねえか……」


「そうですね。この氷は魔法によって生み出されたものですか?」


「はいそうですよ。私の弟に頼んでいつも氷を出してもらっています。私も出せますけど、綺麗な形にならないので……」


私の説明を聞いてから、ルドラさんとスグルさんはブツブツと言葉を発しながら考えている。


「これが有れば、遠くへ生ものを運べるのか。ほしいな……」


「研究で使う資料の保存にも使えそうだ……。角材で作った箱よりも格段に軽い……。それなのに、頑丈そうだ。いったいどうやって作っているんだ」


「え……えっと……」


――どうしよう。普通に言っていいのかな、でもなぁ。


私が返答に困っていた時、オリーザさんが話し始めた。


「ああ、その箱な。うちの店でも重宝してるぞ。なんせ氷を入れておけば、数日は生ものでも持つからな。それのお陰で発注の間違いを無くせるようになったぜ」


「えっと、皆さんにも一応お配りしようと思っていますけど」


「何! それは本当か。まさか、ただでとは言わないだろうな……」


「いや……。ただでも構いませんけど、何かまずいですかね?」


「こんな精巧な品をただでって……。お前の村はいったいどうなっているんだ」


「ほんとですよ。商人なら大金叩いてでも買います! いや、僕が買いたいくらいですから……。商品にして売り捌けば、とんでもない金額になります!」


「は、はぁ」


「もしかして、このクーラーボックスというのは、大きさを指定すれば、その大きさに作ってくれたりしますかね。例えば、バートン車の荷台ぐらいに……」


「え、えっと。試した覚えが無いので分かりません。あの、聞いてくるのでちょっと待っててください」


「え、今から村に聞きに行くんですか?」


「いえ、すぐそこまで……」


「?」


私はお店を出て、ベスパに語りかける。


――ベスパ、クーラーボックスの大きさの調整ってできるの?


「キララ様。私達は倉庫を作れるんですよ。そんな創作、朝の牛乳配達より簡単です!」


――確かに、家が作れちゃうんだもんね。


私はすぐお店の中に戻る。


「え、もう聞いてきたんですか?」


「はい。えっと、大きさの調整はできるみたいです。その分、氷を多く設置しないと危険です。あと、普通に燃えやすいので注意してもらわないといけませんけど」


「そうなんですか。それならぜひ買わせて貰いたいんですけど。そうだな……金貨50枚でどうでしょうか」


――ん? 


「金貨50枚……、聞き間違いじゃないですよね……」


「はい、金貨50枚出します。それで、クーラーボックスと同じ効果を得られる荷台が手に入るのなら、安い出費です。今手持ちがないので、明日商業ギルドで金貨をおろしてきますね」


「わ、分かりました。明日には作成できると思うので、すぐ持って行きます。あと、出来るだけ誰にも言わないでほしいです。今のところは……ですけど。まだそこまで回せる余裕がないので、余裕が出てくるまでは内密にお願いします」


「なるほど、分かりました。それでは楽しみにしていますね」


「はい……」


私は未だによく理解できておらず、頭の中で物事を整理しながらパン屋さんを出た。


――ただで作れるものが金貨50枚って、どうしよう。そんなつもりなかったのに。大丈夫だよね。私、騙されてないよね。いきなり壊れたとか言って全額払い戻しとか、損害賠償とか、吹っ掛けられたりしないよね。


「キララ様、考えすぎですよ。あ、一応試作してみましたがどうですか?」


「え? もう……」


私はベスパが飛んで行く方向へ目をやると、レクーの隣に木製の荷台と遜色ない荷台が出来上がっている。


「いつの間に……」

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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