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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
綺麗な街だと思っていたのに… ~街の裏側は真っ黒だった偏~
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村長さんの家へ向かう

次の日…私は配達、掃除、動物のお世話、牛乳の採取、チーズ作成…を一通りこなしたあと家に戻る。


「お母さん、私は今から村長さんの所に行ってくるね」


「ええ、村長さんのお家は教会のすぐ近くだから、私が付いて行かなくても大丈夫ね」


「うん、牛乳配達してるし。場所は知ってるよ」


私は、お土産にチーズと牛乳を持って村長さん宅まで歩いて行った。


途中どんな感じの家がいいか想像しながら歩き、村の空き家を見ながら検討する。


――大きめの家がいいか、それとも部屋が沢山ある方がいいか、子供たちは家族みたいに接してほしいから、顔を合わせられる大きな部屋は欲しい。


などとまだ子供たちがやってくるか、分からないにも拘らず、私は妄想で頭がいっぱいだ。


「子供たちが増えたら、この村に活気が溢れかえってくれるんじゃないかな。『超少子高齢化になってるこの村を何とか救いたいんです!』って強く言えばもしかしたら村長さんも私に賛成してくれるかもしれない」


「いつもながらに、安楽的な考えですね。何なら私が新しいお家のような建物を作ってもいいと思いますが。以前作った倉庫みたく頑丈に作れますよ」


ベスパは私の右斜め45度方向を背面で飛んでいる。


「まぁ、それも考えたんだけど…それじゃあトイレとかお風呂とか難しいでしょ。特にお風呂なんて水を火で温めてお湯にするんだから、すぐ燃えちゃうんじゃない?」


「それはそうですね…私たちの物はすべて火に弱いですから。簡単に燃えてしまいます。その点、ゴミが残らないのは便利なんですけどね」


「だからちゃんとした木柱で作られていて、中が整備されている家があるんだからそっちを使った方がいいと思ったの。それに空き家があるんだから新しい家を作っても仕方ないし、村が狭くなる一方だよ。使えるものは使うの精神でいないと、ただでさえ疲れやすいのに余計な労力を割く分けにはいかない、ベスパ達が動けてるのは私の魔力があるおかげなんだから」


「そうですね。確かにその方が良いような気がしてきました」


「万が一、貸してもらえなかったらその時はベスパの力を借りるよ。トイレとお風呂は仮設で作ったらいいし、小さ目の四角い部屋みたいな建物にすれば雨風はしのげる。寝泊まりできる場所さえあれば、見かけは何でもいいんだよ」


「その点はお任せくださればいくらでもお造りいたします」


「お願いね」


私達は村長さん宅まで到着した。


木製の扉を叩き、中に村長さんがいるかを確認する。


「すみませーん! 村長さんいますか!」


反応は無い…。


私はもう一度強めに扉を叩き、大きな声を出す。


「すみませーん! 村長さんはいますか! いたら返事をしてください!」


それでも反応は無い…。


――あれ…村長さんいないのかな…、仕事に行ってるのかもしれない…。でも村長さんはもう歳だから仕事が出来ないってお父さんが言ってなかったかな…。奥さんも去年ぐらいに亡くなられたそうだし…


「ベスパ、村長さんって探せる? あの頭が剥げてて髭を生やしている人なんだけど」


「はい、私もキララ様と配達のお手伝いをしている時に拝見した覚えがありますので可能です。それでは、捜索してきます」


「うん、お願い」


ベスパは上空に飛んで行く…。


数秒もしないうちに、ベスパは戻ってきた。


「あれ、もう見つかったの?」


「いえ…それがですね、ここら一帯と森の中をくまなく探したのですが、どこにも見当たりませんでした」


「え…そうなの。じゃあいったいどこに…。もしかしてこの家の中に居るのかも…」


「そう言えば…まだこの家の中は探索しておりませんでした。今すぐ見てきます」


ベスパは壁をすり抜け、村長さんの家に入って行った。


「大丈夫かな…」


するとすぐ反応があった。


「キララ様! 村長さんが倒れております!」


「ほんと! 早く見に行かないと…、ベスパ。玄関の留め具を外せる」


「分かりました。すぐに取り掛かります」


硬く締まっていた扉は開くようになり、私は一目散に村長さんを探した。


「キララ様こっちです!」


リビングに倒れ込む村長さんに駆け寄り、状況を確認する。


「えっと…傷は無い、誰かに殴られた形跡も無い…、呼吸は…よかったしてるみたい…。呼吸してるなら、命に別状は無いと思う。私は医者じゃないから分からないけど…。とりあえず村長さんをベッドまで運ばないと」


ベスパたちは村長さんをベッドまで運び、横に寝かせた。


「熱…はない、何で倒れたんだろう…」


「う…う…」


「あ…村長さん、村長さん! 聞こえますか!」


「は…腹が…腹が…」


「お腹? お腹がどうかしましたか」


村長さんの声は小さく、うまく聞き取れなかった。


村長さんの口もとへ、私は自身の耳を近づける。


「腹が…減って、動けん…」


「は?……」


私は茫然としたが、命に係わる状態じゃないらしくホッとした。


お腹が空いているそうなので、持ってきたチーズを食べさせる。


凄い勢いで完食し、普通に話せるようになった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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