表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
綺麗な街だと思っていたのに… ~街の裏側は真っ黒だった偏~
134/1150

家族会議、街の子供達をどうしたら救えるか。

帰宅後。


「キララ、今日は夕飯までに戻ってこられたのね。いつも帰って来ないか、帰ってきても夕食が冷めちゃってる時だし…」


お母さんは、皆にスープを配りながら私の方を向いている。


「まぁ、色々あった時もあるんですよ…。それよりもちょっと聞いてもらいたい話があるんだよね」


「何? 聞いてもらいたい話って」


私は椅子に座って皆に街の話をした。


「あのね、街に行ったら子供たちが酷い状態で放置されてたの…。その子たちをこの村に迎え入れようと思うんだけど、どうかな? 多分その子たちに親はいないと思うんだけど…」


「あぁ…街は今そういう状態なのか。昔はもっと配慮が効いていたんだけどな…」


お父さんは椅子に深く腰掛け怒った時みたく、眉間にしわを寄せる。


「そうね…確か昔の領主さんが、他の領主さんに変わったのよね」


「うん…4年前に変わったらしい。そこから子供たちにとっては酷い環境になって、仕事をする人も大変な目に合ってるんだって」


「そういえば…村で聞いたわ…。お隣の息子さんが街へ仕事しに行ったっきり全く帰って来なくなったんですって。お隣さんは『街であの子が楽しくやってるのならそれでいいの』と言っていたけど…。息子さん…もしかしたら仕事が原因で帰って来れないのかしら…」


「まだ分からないけど…帰れないほど働かされているのかも…」


「それでキララ、子供たちの人数は何人なんだ?」


「20人…」


「20人…。多すぎず少なすぎない…。今の家には住まわせてやれないな。それに大きな人手だ…正直一緒に働いてくれるなら相当ありがたい…。キララもそう思ってるんだろ?」


「うん…牧場の人手不足は深刻だからね…。子供だとしても、仕事場にいたら凄く助かるはずだよ。これまでよりも多く商品を作れるし、一人一人の時間も確保できる。今7日に一度だけ休みを入れているけど、やっぱりその時お爺ちゃんに任せっぱなしなのは、申し訳ない。私も新商品を開発する時間が欲しいし、その分売れるものが作れたら給料も上げられる。皆にはそれぞれ違う仕事をしてほしい。いつこの仕事が出来なくなるか分からないし、シャインとライトには仕事以外の経験をしてもらいたい。このままじゃ仕事ばっかりの人生になっちゃうかなって…。別に『街の子供たちに無理やり働かせよう』って言う訳じゃなくて…、子供達が生活できるだけの環境を与えてあげたい。年が経って、大きくなったらまた街に戻ってもらってもいいし、他の仕事を見つけてもらってもいい。ただ、なぜ生まれてきたのかも分からず、寒さと飢えに苦しんで死んで行くのはあまりにも可哀そうだと思ったの…」


私の長々とした話を家族のみんなは真剣に聞いてくれた。


頷いたり、『こうしたらもっと良くなるんじゃないか』とかの助言や、問題点などを洗い出したりもしてくれた。


「父さんと母さんは賛成だ。いつでも働いてもらって構わない」


「僕とシャインも同じ意見だね。僕たちと同い年の子たちがそんなひどい目に合っているのなら助けてあげたいよ。仕事だって僕とシャインなら教えられるし、遊び相手が増えるのも楽しそうだからね」


「お姉ちゃんなら何でも大丈夫だと思うけど、何か困る事態になったら私とライトが補佐してあげるし、そんなに考えなくてもいいんじゃない」


「ただ…一番の難点が…。住む家だよな…。流石にうちでは見きれないし…牧場の待機所にもそれだけの人数を住まわせてやれるほど広くない…」


「そうね…。それに、その子たちを養っていくお金も必要だし食料も必要になってくるわ。そこはどう考えてるの?」


お父さんとお母さんからの指摘も何とか考えた。


「住む家は、この村にある空き家を使わせてもらおうと思ってる。最近、村一帯の家が次々空き家になっている。こんな時だから、村長さんも少ないお金で空き家を貸してくれると思うんだ。それと食料は初めの頃は自給自足になるかも知れないけど…、一応森もあるし、ビーの子もある。少なからず食べられる物は確保できると思うの。シャイン、確か森にボワとか出るんだよね?」


「うん、結構出るよ。最近も2~3頭くらい見かけたから追い払ったし。ボワを捕まえて食べるの? 私達ならともかく、力のない子供が戦っても勝ち目無いよ」


「うん、それは分かってる。でも、私達が戦えば多分勝てるからそこの心配はあまりしてない。駆除の対象になっている大きく成長してしまったボワを駆除してその肉を食事に回す。牙や毛皮は街で売って子供たちの生活必需品を買うお金にする。とりあえずはこの考えで行こうと思うけど、もし何か問題が起ったらその都度対処していかなきゃいけない。それと、もし街に子供を村に連れて行ってはいけないという法律なんてものがあったらそもそも連れてこれないし。そこら辺の話は7日後にギルドで話をしてくるよ。ギルドで話を聞いて可能だと判断したら、そのまま街から子供たちをこの村まで連れてくる。子供たちは皆、限界寸前らしいから、早めに行動を起こさないと…」


「確かに…早い方が良いわね、もしかしたら妊娠してる子もいるかもしれないでしょ。そんな子が街でほったらかしにされてるならすぐ助けてあげなきゃ…」


「お母さんの言う通りで、もしかしたらそう言った酷い行為をされている子供がいるかもしれない…。心の方がボロボロの子もいるかも…。その子たちを何とかしてあげられるのは私たち人じゃ難しいと思う。だけど私たちの村には動物たちがいる。きっと心を癒してくれるはずだよ」


「特にメークルなんてモフモフしてるだけで心が落ち着くもんね。僕もモークルと一緒に昼寝するの好きだよ。街には牧場ほどいっぱいのモークルはいないだろうからきっと驚くんじゃないかな」


「そうね…。とりあえず、食料は良いとして。明日にでも村長さんに空き家を貸してくれるか交渉に行った方がいいわね…」


「それは私が行ってくるよ。現状とこれからを話して来ようと思う」


「キララが行くのか? 父さんでもいいと思うんだが、顔見知りだしな」


「確かにお父さんでもいいかもしれないけど、これは私が持ち込んできた私情だから。私が何とかしないといけないの。私の方が今の気持ちを村長さんに伝えられると思うし」


「そうか…それなら仕方ないな。キララに任せるよ、村長の所には何かお土産を持って行くといい。喜んで話を聞いてくれるはずだ」


「分かった。何か持って行くよ」

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ