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露店は大盛況

「姉さん! 早く手伝って! 僕だけじゃ手が回らないよ!」


ライトは既に露店でチーズの販売を行っていたらしく、てんやわんやしていた。


「良し! やるぞ~」


澄み渡る青空に私は右手のこぶしを突き立て、気合いを入れる。


村人の隙間を練って私は露店へ到着すると、それはもう…アニメでよくある高校の購買パン争奪戦のような状態だった。


「こっちにもくれ!」


「私にも!」


「こっちは7日も待ってるんだ! もう待ちきれないんだよ!」


――う…うわ…ちょっと怖いな、そこまでぐいぐい来られるとこっちもやりづらい…。


始めに売る予定だった大きなチーズ20個は露店の販売開始と同時に速無くなり、そして…試しに作った大きさや形の違うチーズも…完売した。


チーズのついでに牛乳を買っていく人も多く、露店の商品は今日も大盛況だった。


「なんでこんなに売れるのか…理解できない…。確かにおいしい牛乳だけど…まさか麻薬的効果がある訳じゃないよね…」


ちょっと怖いくらいの売れ行きに私は、その理由を考えても全く分からない…。


「ねえ…ライト、今…牛乳飲みたい?」


「え? そりゃあ、飲みたいよ。美味しいもん」


「そう…。飽きたりしないの?」


「飽きる? ……うん、飽きてないよ…」


「牛乳を飲まないと苦しくなったり…無性に飲みたくなる時はある?」


「あ~、どうだろう。一日に一回は飲まないとなんか落ち着かないってのは、あるかもしれない」


「そうなんだ…」


――ん~牛乳を飲むのは体に悪くないと思うけど…、どうして売れるのか理由が分からないと、この先どう伸展させていけばいいか分からないな…。


牛乳は甘くておいしいけど…ん? 甘くておいしい…は!


甘い…つまり糖分…これだ! 糖分! 牛乳には乳糖って言う糖分が含まれているから甘くておいしいんだ…。


――糖分…つまり砂糖…牛乳の場合は乳糖だけど…。この世界で砂糖は超高価な調味料…、この村に済んでいる人で砂糖を食べた覚えのある人は絶対にいない。いや…この村だけじゃない貴族以外の人たちが砂糖を食べるなんて滅多にない世界なんだ…。そんな人たちに、砂糖と同じような甘みのある牛乳を飲ませたら…そりゃあ、依存してもおかしくない…。


砂糖はタバコの8倍依存性があるって聞いた…。


砂糖ほどではないにしても…牛乳で依存症になる可能性は…あるのかな…。


――どうしよう牛乳依存症なんて変わった依存症が流行ってしまったら…いやないか。タバコなんかより全然健康的だよね。村人のちょっとした安らぎになっているなら、きっと私は良い商品を売っているんだよ。


私は牛乳瓶を一本、ズボンのポケットから取り出し、ふたを開け青空を見ながら一気に飲み干した。


「プは~美味しい~! 良い味してるね~!」


「あ~キララ様、それ露店の商品ですよね~、泥棒ですよ~」


「私はお金をちゃんと払うから良いの~!」


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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