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『ゴミ』スキルだと思われている『虫使い(蜂)』が結構使えるんですけど!<異世界冒険食べ物学園ダークファンタジー(仮)>  作者: コヨコヨ
ドラグニティ魔法学園に入学 ~王子のことが大好きな令嬢と大嫌いな令嬢編~
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皆でお風呂

「リーファさん、卒業したらそのままマルティさんと結婚する予定ですか?」

「はは……、キララちゃんもカーレット先生と近しいことを聴くんだね。私はその気なんだけど、どうも多くの先生が良いように思ってないみたい。私、運動や勉強、魔法も出来るから、大学に行ってほしいんだろうな。生徒会長が大学に行かないのは今まで一度もないし」


 リーファさんは膝を抱え込みながら考え込んでいる。

 彼女は今年で卒業してしまう。その先、結婚か大学か未だに決めあぐねていた。


「皆さん、リーファさんに期待しているんでしょうね。ルークス王国は女性に対して風当たりが厳しいですし、何か変えてくれるかもしれないと。でも、リーファさんの人生ですし、好きに生きても良いと思いますよ。あと、マルティさんがリーファさんの大学在学中に他の女性と結婚することはないと思います。その点は安心してください」

「別に心配しているわけじゃないよ。でも、マルティくんは眼鏡を外すと結構カッコいいから他の女の子から、陰ながら人気があるらしくて……」

「へぇー、確かに、眼鏡を取るとイケメンですよね。でも、視力が弱いから眼鏡は外せないでしょうし、あまり気にする必要ないんじゃないですか?」

「その、眼鏡を外したマルティくんの顔が好みすぎるというか、眼鏡を付けていても好きすぎるのに、時おり外してレンズを綺麗にする姿がカッコよすぎて、もう、きゃぁあ~って」


 リーファさんはお茶目だということがわかった。

 あと、マルティさんのこと好きすぎ。彼が他の女の子とイチャイチャしているだけで、嫉妬にかられるそうだ。その対象が私であっても……。


「キララちゃんが、マルティくんと話していると彼は私に見せない笑顔を浮かべるの。それが、悔しい……。どうやったら、あの自然な笑顔を浮かべさせられるの。教えて!」


 リーファさんは頬を膨らませながら、私の肩に手を置いて聞いてくる。


「マ、マルティさんはバートンが好きなので、バートンの話題を持ち出すと自然に笑顔になりますよ。まあ、深く話しすぎると、彼はバートンの話しかしなくなりますから、注意してください」

「好きなものの話をしている時は笑顔になるんだね……。なるほど、私もバートンが好きだし、もう少しバートンの話をしてみようかな」


 リーファさんは両手を強く握りしめていた。

 すでにラブラブなのにまだラブラブになろうと頑張れるのは、凄いな。

 いや、彼女にとってはまだラブラブだと思っていないのかもしれない。

 だから、さらなる探求を。そうなったら最終的にベッドインしちゃう強硬手段に出てしまうかも……。


「リーファさん、強硬手段に出る時はマドロフ商会に売っている金貨五〇枚の避妊具は確実に買っておいた方がいいですよ」

「ひ、避妊具……。も、もう! キララちゃん、な、なにを考えてるの! そ、そんな品があるなら、早く言って……、じゃなかった。私はまだ学生だから! で、でも、助言ありがとう!」


 リーファさんは顔を真っ赤に染め上げ、吠えまくっている。だが、最終的に腰を八〇度ほど曲げて頭を下げた。

 あまりにも勢いが良い感謝の言葉だったので、私も面食らっている。

 彼女は金貨五〇枚の避妊具を買うだけの貯蓄があるのだろうか?

 この世界に避妊と言う言葉が浸透しているとは思えないけれど、そう言う点を考慮している彼女はやはり育ちが良い女性なんだな。


「レクー様、今晩は私と交尾してください」

「…………」


 レクーは食事中だんまりで、ファニーの発言を容易く躱す。

 バートンにとって避妊と言っても理解されないだろう。動物にとって、子供が増えるのが最重要な仕事だからだ。


 今後、ずっと言われ続けるんだろうなと可哀そうに思いながら、質が良いファニーとレクーの子供はサラブレッドになること間違いなし。

 ファニーのしなやかな筋肉と肉体に加え、レクーの肉弾戦車かと思うほどの巨体と体格、両者の賢さが合わさった子供は、レクーのお母さん以上の強さを誇る可能性は大きい。

 私としてはぜひとも産んでほしいのだが、学生の乗るバートンなので、まだまだ現役だ。普通は現役を退いた個体が、種牡バートンになる。


 私はリーファさんと厩舎を出て、騎士寮と冒険者寮の分かれ道で解散した。


「はぁ……。リーファさんがマルティさんのことを好きになった経緯を聞いたら、私も好きがわかると思ったけど、いまいちよくわからなかったな。どちらにしろ、急に来るかもしれないというのはわかった。胸に溜めた熱い気持ちが爆発するときが来ると良いな」


 私もリーファさんのように熱い恋をしてみたい。

 だが、精神年齢が三〇歳を超えている。そんな私が真面な恋愛が出来るだろうか……。

 子供が相手はまず難しい。子供っぽいなと思ってしまうと、冷めてしまう。やはり、大人の男の方が私は好みだ。


 冒険者女子寮に戻ってくるころに午後七時になっていた。多くの生徒が夕食を得ており、部活に行っていた皆も帰ってきている。


「はぁ~、いい汗かいた~。ほんと、キララさんの作ってくれた服のおかげで、動きがもっと機敏になったよ」


 モクルさんは私が揚げたスポーツブラの姿をさらし、食事していた。

 陸上選手がユニフォームを着た状態で食事している姿に酷似しているが、彼女の胸は爆弾級。

 縦線が容易に見え、顔を埋められるほど深い。まあ、彼女が喜んでいるのなら、私は気にしない。なんせ、ここは冒険者女子寮。男子はおらず、女子だけだからそのような姿でいても文句は言われない。


「はぁ、はぁ、はぁ……。か、体が……、体がぁ……」

「うぅ……、体が重たくて腕が上がらないよぉ~」


 メロアとミーナが部活の影響で体がボロボロになっており、スプーンを持つ腕が上がっていなかった。

 休みが終わったら授業参観が始まるというのに、大丈夫なのだろうか。


「はぁ……、はぁ……、はぁ……」


 近くに座っているローティア嬢は一分に一度は深いため息をつき、何かしら心に重荷を背負っているっぽい。

 話し掛けようか迷う。

 彼女は自分から話しかけてこようとしない。

 溜息の回数だけ、私が呼ばれているような気がする……。

 大貴族の方から平民に話しかけられない制約でもあるのだろうか。

 仕方がないので、私の方から話しかける。


「ローティアさん、どうしたんですか?」

「もうすぐ、授業参観だと思うと食べ物が喉を通らなくて……」


 どうやら、大貴族のローティア嬢でも緊張するらしい。周りが貴族だらけで、自分の親が見に来るとなれば、それりゃあ緊張するか。しない方がおかしいよな。


「ローティアさんなら、大丈夫。絶対に成功しますって。練習は嘘をつきません!」

「そ、そうよね。綺麗な走りを見せるだけだもの。絶対に大丈夫」


 ローティア嬢は胸に手を当てながら心を穏やかに保っていた。

 食事を終えた私達は仲がいい皆でお風呂に入り、一緒に汗を流す。

 裸の付き合いも何度もこなしていれば普通になっていた。まあ、モクルさんとローティア嬢の乳に嫉妬するのは変わらないのだが、それでも一人でお風呂に入るより、仲間と一緒にお風呂に入った方が何倍も楽しい。

 皆は私の浸かり湯を当てにしているようだけどね……。


「キララと一緒にお風呂に入ると、体の痛みがすっかり元通りになっちゃう。ほんと、命の泉ね」


 メロアは手の平を開いたり、閉じたりしながら、感覚を確かめている。


「ほんとほんとー。キララが入った後のお湯なら、飲めそうなくらい綺麗で、いつも間違って飲んじゃいそうになるよ」


 ミーナな笑いながら手で作ったお椀でお湯を掬い、顔に掛ける。唇周りをチロリと舐めているため、ほぼ飲んでいるのと変わらないのでは……。


「私はキララさんと一緒に入れるだけで、十分幸せだなー」


 モクルさんは私と肩を組み、大きな乳を顏に押し付けてくる。酔っぱらった上司を相手しているような感覚に陥るが、同性だからまだ許せる範疇だ。


「もう、皆さん、お風呂の中では静かにするのが規則ですわよ。がやがや騒ぐのはみっともないわ」


 ローティア嬢はお風呂の中で滅多に喋らないが、叱る時と口論するときはお嬢様の雰囲気を度外視してまで喋る。

 彼女も喋りたい気持ちを我慢して、お風呂に入っているのが丸わかりだ。


「もうー、ローティアさんも楽しみながらお風呂に入ればいいじゃないか。ワイワイするお風呂も楽しいぞー」


 モクルさんはローティア嬢の近くに向かい、彼女の体をぎゅっと背後から抱きしめる。

 大きな乳がローティア嬢の頭に押し付けられ、不愉快そうだ。でも、口角がプルプル震えている。口角を上げなように我慢していると思われる。

 その姿を見て、私は彼女の脇腹を擽る。


「ちょ、キララ、何するの!」

「ローティアさんに笑ってもらおうと思って」

「お、お節介ですわ!」

「にひひ、ローティア、風呂の中で大笑いすると気持ちいいって知らないの?」


 メロアも手をにぎにぎしながら、ローティア嬢の脚を擽る。


「私も私も~」


 ミーナも私達に混ざり、ローティア嬢のお腹を摩った。

 ここまでもみくちゃにされている大貴族が他にいるだろうか。

 ずっとしかめっ面を貫いていたローティアさんはお風呂の中で、口を大きく開けて、笑い出した。

 笑い過ぎて、目尻から涙を流し最後は赤ん坊のように両手両足を振り回し、怒りだす。

 だが、心の内側に溜まった鬱憤を発散した彼女の顔はとても清々しい。

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