表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/1150

チーズ発売の準備

「キララ様、お疲れさまです。凄く頑張りましたね…」


「うん…ホエイの溜まった牛乳パックを見れば自分の頑張りが分かるよ」


牛乳パックは大きめのカッテージチーズを作るのに2パックほど使う。


その為、20個のチーズを作るために40本ほど使った計算になる。


「ん~もう少し小さくてもいいかな…。チーズの大きさを変えれば作れる量も増やせるし…。今度から1本にしてみようか。…それとももっと少なくして大量に小さいチーズを作る…。う~ん、迷うな…」


「キララ様楽しそうですね」


「え? そう…私楽しそうな顔してた?」


「ええ、それはもう」


「そうか…私楽しそうにしてたんだ…フフ…良し! 迷ってるくらいなら実践してみよう! まだ時間はあるからね。ベスパ牛乳パックをもう1パック倉庫から持ってきてくれない?」


「分かりました! すぐ戻ってまいります」


ベスパは言った通り、すぐ戻ってきた。


私は一度だけ瞬きした。


すると、既にキッチンテーブルへ牛乳パックが置かれていのだ。


「さすがに早すぎない…」


「いえいえ、キララ様の楽しい時間をもっと楽しい時間にしてもらいたいので、スピードを重視しました!」


「そう…ありがとう。それじゃあまずは牛乳を半分の量にしてチーズを作ってみよう」


――単純に考えて、1パックので作ったチーズは2パックで作ったチーズの半分になるはず…。


そして完成したのだが…、やはりまだ大きかった。


「次は…一パックの半分で…作ってみよう」


――牛乳パックを半分にしたら、やっぱり初めのチーズよりも半分の大きさになった。次に作るチーズは半分の半分…つまり四分の一になるはず…。


そして出来上がったのは掌サイズのチーズ。


「やっぱり思った通り…。これくらいの大きさが食べやすいかも…。牛乳を温める時間もだいぶ抑えられたし、こっちの方が皆に買ってもらいやすいんじゃないかな…。値段も四分の一に出来るし…」


「キララ様は色々考えながら作業を行っているのですね…」


「そりゃあ…考えないで行動するのと考えながら行動するのでは成長の度合いが違う…って昔神父様に教えてもらったんだよ…」


「なるほど…考えながら…行動する…。では私も考えながら行動すれば、もっとキララ様のお役にたてるでしょうか…?」


「え…。まぁ…ベスパが私より賢くなってくれたら凄く頼もしいけど…。なんかベスパが私の知らない方向に行っちゃいそうだから、おっちょこちょいなベスパのままでいいと思うよ」


「そうですか…なら私もキララ様と一緒に考えてもいいですか?」


「それなら…良いかな。何か気づいたら何でも私に教えてよ」


「はい!」


ベスパは私の嫌いな羽音を鳴らさないよう、無音で部屋の中を飛び回る。


「さてと…結構いろいろ作ったけど…もう外暗くなってきたね」


チーズを20個作り終えた後も試行錯誤を繰り返し、丁度いい大きさや値段…形などを私は考えた。


「最初はこれで行こうか…」


私が作ったのは掌サイズで円形のカッテージチーズ。


使用した牛乳の量は牛乳パックの半分ほど。


この量であれば20個以上の量を作れる…それに値段も大分抑えられる。


時間も節約しながら保存も楽になる…。


「うん…いい感じ」


明日はとりあえず、最初に作った大きなチーズと最後の方に作った小さいチーズ、試行錯誤した形…大きさが様々なチーズの3種類を売る。


「チーズは…いいんだけど…このホエイ、何とかして無くさないと…」


ホエイの入った牛乳パックはテーブルを埋め尽くすほど大量にある。


「ふぁ~あぁ…。もう疲れた…今日はお終い! 潔く仕事を止めるのも大切。ベスパ、ホエイの入った牛乳パックを、倉庫に保管しておいて」


「了解です! キララ様目を瞑ってください」


私は目を瞑り、両耳を抑え、その場にしゃがみ込む。


聴覚…視覚…触覚を何とかゼロに抑えようと努力し、ベスパが脳裏に語りかけてくるまで心を無にした。


だんだんと私の背筋に怖気が走り出し…全身の産毛は逆立つ…。


「キララ様~終わりました~!」


そっと目を開け、テーブル上に合った牛乳パックは綺麗さっぱり無くなっていた。


「はぁ~、やっぱりどれだけ感覚を無くしても、体が…震えちゃうよ…」


「キララ様…もう私たち出会って半年経とうとしてるんですよ、そろそろ慣れてもらわないと。私達の本当の力が引き出せないじゃないですか」


「無理無理無理…。未だに見るだけで冷や汗と震えが止まらないんだから…。ベスパでもそのゆるっとした人の姿じゃなかったら一瞬で燃やしてるよ」


「はぁ…いったい何時になったら…xxxx」


「え? なんて言ったの?」


「いえ…何でもないですよ。私はキララ様に何としても『スキル』を使いこなしてもらえるよう、考えていきますね!」


「そんな解決不可能な問題を考えなくていいから…」


私達が片づけを終えたころ、お母さん達は帰ってきた。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ