表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/1148

ネ―ド村からの帰還

積み込み作業は、時間がかかると思っていた。


しかし、それほどかからずレモネとレモネの木で荷台をいっぱいに出来た。


「いっぱい取れたね…結構重そうだけど大丈夫かな…」


「大丈夫なんじゃねえか、これくらいなら余裕で引いて行けるぜ…」


レモネでいっぱいになった荷台をウシ君は軽々動かしている。


「それじゃあ、いったん村に帰ろうか。私たちも仕事を手伝わないと牧場は回らなくなっちゃうから」


レモネとレモネの木を積んだ荷台はネ―ド村を通過していく。


「キララさん、もう帰るんですか? もう少しゆっくりしていけばいいのに」


「早く帰らないとお母さんに怒られちゃうからね、それにまたすぐ会えるよ。今度の休みにまたネ―ド村に来るから。あ…そう言えば、はいこれ」


私は、昨日オリーザさんから貰ったパンをデイジーちゃんに渡す。


「え…パンですか。こんなに沢山」


「うん、いっぱいもらったんだけど…私、そんなに食べきれないから、村の人と分けて食べてよ。まだ1日しか、経ってなから美味しく食べられると思う。何ならちょっとあぶってみても美味しく食べられるよ」


「キララさん、ほんとに何から何までありがとうございます! 皆もきっと喜んでくれると思います。いつかこの恩は必ず何かで返しますので、えっと…絶対に返しますから。楽しみにしていてください!」


――ほんとは『お礼なんてしなくていいよ』と言いたいところだけど、デイジーちゃんがそこまで言うなら…。


「分かった、楽しみに待ってるよ」


「はい!」


私はネ―ド村を出発した。


――ネ―ド村の人たち…大分元気になってよかったな。家は壊されちゃってたけど、前よりも綺麗な家が作られ始めてたから、結構いい感じの村になるんじゃないかな。ボロボロだと魔物に壊されちゃうかもしれないし。今回はその魔物に壊されてたんだけど…それに、雨が増えてくるから、野宿はきついし。


ネ―ド村を出た時には晴れていた空へ少し雲が掛かっていた…。


「あ~まずいな…雨降ってきちゃいそうだよ…。そりゃもう6月だからね、気候はほぼ地球と一緒だから梅雨の時期に入ってきちゃうんだ…。雨だと大変なんだよな、色々と…」


空はだんだん暗くなっていき、雫が1つ…また1つと、その数を増やしていく。


そして、いつの間にか天気は雨となってしまった。


「ああ~もう、やっぱり降ってきちゃったよ…。でもこれでレモネを洗う手間は省けたけど。問題なのは早くしないと地面がぬかるんじゃうんだよな。コンクリートで固められている分けじゃないし」


私が通っている道は普通の土砂で作られた道。


周りには草が何食わぬ顔で生えており、整備など全くされていないような獣道だ。


当然雨が降れば地面は緩くなってしまう。


私達の引いている荷台は、結構重い。


その為、泥濘にはまったら面倒になるのは間違いない。


私達は早めに移動し、何とか本降りになってくるまでに村へ帰ってこれた。


レモネでパンパンになった荷台をウシ君と一緒に牧場まで運びぶ。


ウシ君は小屋へ、荷台は倉庫の隣へ移動させた。


ひと段落終えた私は、一度家に戻り報告する。


「ただいま~。ふ~疲れた」


「あら、お帰りなさい。やっぱり昨日には帰って来れなかったわね。ちゃんとデイジーちゃんたちをネ―ド村に運んであげられたの?」


「うん…何とかね、デイジーちゃん達をネ―ド村まで送って行ったときにはもう大分暗かったの。だからネ―ド村で一晩過ごして…さっきレモネをいっぱい取ってきたんだよ」


「それは大変だったわね…。ほらキララ、梅雨の準備をしないと。貴方も手伝って」


「え~いまから~、私ちょっと疲れちゃった~」


「そんな愚痴言ってないで、早く家に上がりなさい。風邪ひくわよ」


「は~い…」


今日の仕事を終えたお母さんは家の中で黙々と何かを縫っている。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
面白く読ませていただいてます。が、蜂使いでパティシエ志望ときたらハチミツ使い放題キタコレ!と思っていたけれど一向にハチミツのハの字も出てこずアレェ?とw ハチミツ酒とかパン作りとか化粧品とかetc…正…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ