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レモネの木を運ぶ

ウシ君と共に私はレモネの生えている川の近くまでやってきた。


瘴気が蔓延していたとは思えないほど川の水は透き通り、流れる音は心地いい。  


レモネのさわやかな香りと、草木の優しい香りが合わさり私の心を癒す。


こんなときはティータイムといきたいところだが…私はお茶葉を持っていない。 


――レモネの葉を使えば美味しいハーブティーを作れるかも…いや作ろう! 作ってやる!


私は前世でもコーヒーよりお茶の好きな人間だった。


お茶と一緒にスイーツも食べたいが…肝心のスイーツは一向に作れていないままだ。


私は荷台から降り、レモネの木へ歩いていく。


「いつにも増していっぱい実を付けてるな…。さてと、どうやってレモネの木を牛君の引く荷台に乗せるか…。でも…まずは地面を掘り起こさないといけないんだよね…。木の根を傷つけないよう慎重に掘り起こさないと…。根が傷ついたら木はすぐ枯れちゃうから」


――ベスパたちに頼んでも地面はさすがに掘れないよね…。


「出来ますよ、キララ様! 我々は地面の土を掘り起こせます! 何なら鉄や岩であってもかみ砕いて御覧にいれますよ」


「え…、でもビーの体は凄く小さいのに地面の土をほんとに掘り起こせるの? レモネの木の根を傷つけないように地面を掘るの結構大変だと思うけど…」


「ご心配なく、我々ビーは土を掘るのが得意ですから。地面の中に巣を造る友達もいるくらいです。我々が地面の土を掘っている間にキララ様は出来るだけ多くのレモネを収穫してください。そうすれば、作業を分担できます」


「そう、ベスパがそこまで言うならお願いするよ。それじゃあ、私はレモネを収穫しているかられよレモネの木が掘り終わったら一度私を呼んでね」


「了解しました!」


私はレモネの葉を一枚千切り、掌どうしで強く叩きつける。


すると、風に乗ってレモネのさわやかな香りが『ふわっ』と広がった。


私は手に持っているレモネの葉一枚を籠にいれ、その後から一個ずつレモネを収穫していく。


籠はすぐレモネでいっぱいになり、私は荷台へレモネを運ぶ。


私は籠の中に入っているレモネを荷台へ移し替える。


「一回でこんなに収穫出来るんだ。いったい何個収穫できたかな、多分30個くらい…だよね」


その後、私は4回ほどレモネの収穫を繰り返し、重い籠を運びすぎて腕はパンパンになってしまった。


「は~、レモネを収穫するだけでも一苦労だよ! ここから村まで戻って、チーズを作るためにいろいろ工程を踏んで、売り出すために魔法を掛けて殺菌…梱包…もう! 絶対人数が足りない! 私のしたいスイーツ作りが全くできないじゃん! スイーツにも使えるチーズを作れたからまだ…いいけど…。私はチーズ以外にもいっぱい作りたい食べ物があるのに」


――はぁ…愚痴を言っていても仕方ないか、口より手を動かせって…よくブラック企業で言われていよね。つまり…私たちの牧場は…今、ブラック企業なのか…。


「キララ様! 土の掘り起こし終了しました、一度見てください!」


「分かった、今行くよ」


私は重い腰を持ち上げ、まだ10歳だというのにその歩き方は熟練の農家そのものだ…。


「キララ様、どうでしょう。こんな感じでよろしかったですか?」


空中を飛んでいるベスパの下に、レモネの木は力無く横たわっていた。


「うわ…根の細部まで全部見える…。ちょっと気持ち悪いね。これだけ綺麗に掘れたら十分だと思う。よし、それじゃあ、このレモネの木を荷台に乗せていこう。何本、レモネの木を荷台に乗せられるかな…」


「荷台の大きさ的に半分レモネを積み、もう半分にレモネの木を乗せてみてはどうですか?」


「まぁ…初めはそれくらいでいいか。さっさと運んじゃおう、ベスパお願いできる?」


「勿論ですよ、キララ様。我々に任せてください!」


私はそのままレモネの収穫に戻り、ベスパたちは黙々と私の見えないところでレモネの木を荷台へ乗せていく。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、続きが読みたいと思って頂けましたら、差支えなければブックマークや高評価、いいねを頂ければ幸いです。


毎日更新できるように頑張っていきます。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
ちゅうかどうして蜂蜜を集めないんだろう もしかして蜂と違ってビーにはできないとか
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