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3-4 王子様再び

我儘を言っただろうか? 師匠に嫌われたくない


「覚悟はできているって事なんだね。 弟子の成長の為に許可しますか

 というか 僕もレオナちゃんと手をつなぐといつもはぼんやりとしか

 見えないものがはっきり見える あの不思議な感覚は好きなんだ」


あ。。。手をつなぐのだ 分っていたはずのレオナだが改めて ユキから言われると ドキドキした


「はい」

ユキの手が差し出された。

恋人繋ぎ、、、は できないから 兄妹の様に手をつないで ニヤニヤしながらやり取りを見ていた理央の方を見ると


今の理央は、、、、ニヤニヤしながら 虹色や金色に輝く シャボン玉に囲まれていた。シャボン玉しょってる王子様 というかあの笑いは悪役だな。

まあ アレだ これは舞台とか 漫画とかでみるからいいんだろうな それとも 理央程度では役不足なのか?


 あ ごめんなさいね 理央


レオナとユキは顏を見合わせて 同じように鼻にしわを寄せた

「少し お散歩しましょうか お姫様?」


珍しくおどけて言うユキにレオナが頷いて バラ園を歩く


咲いた花の周りや すれ違う人の周りにかすかなシャボン玉 それから 深淵を連れた人も見るけれど 怖いという気持ちが湧かないのは ユキが一緒だからなのか?


最初の角で右 次で右 っと曲がればもう元の道に出てしまう

多分 5分か10分の散歩 もとのテラスに戻って 手を放す


レオナはもちろん ユキの世界からもキラキラしたシャボン玉は消える 


テーブルに両肘をついて 二人を待っていた理央は普通の人に戻っているし、

世界も せみ時雨の暑い午後に戻る


「元の世界に戻ったチルチルとミチルってこんな気分になったんじゃないかな?」


ユキが感じる事は レオナの感じる事とやっぱり同じだ


元の世界に戻っても シャボン玉が見えなくなっても

見えなくなっただけで 無くなったわけじゃない 消えたわけじゃない

世界は 綺麗なシャボン玉が溢れているのだ


「僕さあ 深淵を通って 彼岸に行って 次どうする?ってなったら とりあえず 一度 あのシャボン玉になって地上に戻ってきたいな 光や風になってこの世に帰って来て それから 輪廻の輪に乗ろう いいなあ そうしよう」


誰に言うでもなく ユキが言った


レオナは ぼんやりしたまま 


「私も 輪廻転生の輪に乗る前に あの光になりたいです」


と答えた。


理央が 勝手にレオナのノートを開いて ”輪廻転生” といつもの流暢な字で書いた


理央君のお話を短編として投稿しました。

親友は視える人 です 作者名からも探せます。

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