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2-49 ソラの決断

レモン色のTシャツにデニムのジャンバースカート、もちろん胸の大きなポケットにはリングノート スカートのポケットにはユキからもらったボトルと台所から拝借した桜塩 茶色のリュックには宿題とお弁当 そのほかいろいろ…


「おねーさん!」

今日もガーデンの門で深淵をつれたソラがレオナを出迎えた。

レオナはいつものように 小さく小さく手を振って応える。

それから 黙って歩き出す 


「ソラ どうしたの?」


黙ったままのソラに まあそう簡単に元気にならないよね?と思いながら聞く


「トキが決断したように 僕も決断したんだ。今日 ユキさんに話すから 理央さんに通訳してくれ…ませんか?」

「いいよ でも 決断って?」


ソラはニッと笑ったが答えなかった。


「あ!来た来た レオナちゃん はろー ソラ連れてる? ここ暑くってさあ」


相変わらず明るく元気な理央の隣でユキが小さく手を振っている

ソラがレオナの方を向いて頷く レオナも小さく頷き返した

…ここ一か月でレオナは小さいリアクションが得意になって来たような気がする


テラスの奥の指定席 三人とソラが座り レオナの前には いつものノート


「ユキさん お願いがあります 僕が居る場所を探してください」

「理央 ソラが 自分のいる場所を探してくれ って言ってるぞ。」


レオナが書くより先に ユキが少し嬉しそうに理央に言った。


「ソラ 俺たちがお前がどこにいるか見つけたらどうするんだ?」

「…できれば 元に戻りたい…」


”戻りたい”とノートに書きながら レオナはその意味を考える


「戻れても お前自身で居たいって願いは叶うかわからないよ」


「それでも 僕は僕が居るべき場所に帰りたい。トキとマルは何十年もお互いを探し

続けて 身体を失っても待ち続けた。

僕が深淵に落ちた時に 最後まで引きずり込まれなかったのは 僕の魂を今でも 

落ちないようにつかみ続けている存在があるからだって 気がついたんだ。

それは 僕の両親だ 僕はその声に応えたい。間に合うかわからないけど…」


レオナがなんとかメモを取る 最後の一節は聞き取れなかったけれど…


「ソラ やっと 素直になったじゃん。

 トキを連れてきたときに 先にこの子を助けてって言ったじゃん?

その時にはソラはもう 助けてほしかったんだ そしてやっと今 決心できたんだな」


珍しく理央がソラの方向を向いて言ったら ソラが理央の首に抱き着いた


「ソラがお前に抱き着いてるぞ」

ユキに言われて 理央がソラの身体に手を突っ込んみながら抱きしめた


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