2-42 有害と無害
「ペット かあ 俺 動物には嫌われるみたいで 飼った事ないんだよな」
「動物は危険が分かるっているからな お前よくいろいろ連れているしな」
「師匠 。。。やっぱり 深淵って危険なんでしょうか?」
「深淵は怖い物じゃないって言ったでしょ?レオナちゃんノートに書いてなかったっけ?」
「そうでした!!」
「それに 理央が連れて来るのは 深淵だけじゃないからね」
ユキはチラリと遊んでいるトキたちに目くばせした。
レオナはポケットからいつものノートを取り出して パラパラと捲る、めくっている内に レオナの暴走スイッチが入ったらしい
「ドビッシーのシレーヌって曲ご存知ですか?学校で聞いていた時に シレーヌって深淵に響きが似てるって思って ついでに 雲って曲もあって 雲ってクラウドの雲ですが スパイダーの方のクモ思い出して アリ地獄も思い出して みんな他の物の命を必要としているけど 悪 じゃないですよね? 本能だり食物連鎖だし ってことは
それは 有害深淵ではない? 有害か無---」
「ちょっと ちょっと ちょっと ねえ ユキ レオナちゃんが壊れた!」
理央が強引にレオナの暴走を止め ユキが苦笑しながら意見を言う
「うーん アリはウスバカゲロウに食べられるために生まれてきたんじゃないよね だから アリにとっては蟻地獄は悪 なんじゃないかな?」
「あー なるほど それなら 人にとっては深淵は悪だと?」
「ちょっと待って! 深淵が人の命を必要とするって前提になってるじゃん?」
「まあ もし深淵が人の命を狙っているなら 人は頑張って 踏ん張って その人としての使命を全うすべき って僕は思うよ アリだって必死に逃げようとするでしょ?」
ちょうどその時に近くに来たソラが言う
「使命ってなん、ですか?深淵に食べられれるのが 使命って人間もいるかもしんない、ですよね?」
「ソラはそう思うの? 僕はそうは思わないけれど」
「師匠 有害深淵と無害深淵ってどこから変わっちゃうんでしょうか?
シレーヌが居る深淵は最初からそんな深淵なんですか?シレーヌって本当にいるんでしょうか?
青い鳥 もう一回読みました 未来の国からのお土産が病気だったりする子供もいるんだから y有害深淵を持って生まれてきちゃう子もいるんじゃないですか? 残念ですが 殺人を犯しちゃう人もいるみたいに あと 生まれてくる前に 恋人と会えないって決定している人ってどう思いますか?」
再び暴走中のレオナが 自分でもよくわからないままに疑問を投げかける
それを ユキが苦笑いして受け止める
「レオナちゃん 待って、耳と鼻また摘まむ? あ いいよ やらなくて」
レオナがまず 鼻をつまんだのをみてユキが止めて 言葉を続ける
「まずは 深淵の真理は僕だってわからない だから 一緒に考えているんでしょ?
可能性としては シレーヌがいるような深淵もあるのかもしれないね」
「ないよ!」
珍しく 強い調子で理央が入って来た
「トキのマルにはシレーヌなんて待ってない!トキの両親が待っているんだよ 何言ってるの!
ユキ 今日 暑くて頭おかしいんじゃない?
マルは最初からトキのバディなんだからね マルだってトキを探していたんだからね だから会えたんじゃんか!」
理央が珍しく 声を荒げて言った事は、、 ユキやレオナが 信じたい思いと一緒だった。




