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2-38 理央VSソラ

レオナがまだテラスに来る前のことだ。


理央がいつものようにヘラヘラと笑いながら ソラと二人で話をしたいとユキに言った


「二人で、って 理央 ソラの声聞こえないだろ?」

「うん だから コックリさん方式?YESかNOだけで意思疎通できないかと思ってさ、やってみたいんだ。紙に触れるなら石も触れそうじゃん? 


俺 視えない人だけど ソラと意思疎通できるかもって思ったらやってみたくってさあ な ユキちゃん お ね が い」


「理央が そういう言い方する時って すごく真剣な時だからな

 嫌って言っても引き下がらないんだろ? お前だけが見えない 聞こえない だもんなあ…

僕は ソラを理央の前に座るように促す事 ソラが逃げだしたらお前に伝える事 位しかできないぞ あと 二人の話は聞かないようにするけれど…」


「サンキュ!ユキ まあ 話は聞こえたら聞いてもいいかな」



**




そして 今 トキとソラがテラスにやって来た


トキはレオナと ガーデンを眺めて深淵マチだが 手持無沙汰なので家から持ってきた”あおいとり”をトキと眺めている。


ソラは奥のテーブルに連れていかれた。

理央と並んで座り 一つ椅子を開けてユキが座る。 一見 理央とユキが話しをしている体だ。



理央が 胸ポケットから碁石をだす 


「ソラ 俺の質問に答えてね YESなら 白い石 NOなら黒い石を触る、いい?」


ソラが 白い石を触る 理央にも石が揺れるのが分かった


「おお!俺 天才じゃん? 最初からこれやっとけばソラと意思疎通できたんじゃん?」


大きな声ではないけれど嬉しそうに言い、そして頬杖をついて視線を横に向ける。顏は笑っているけれど目は真剣だ。その視線の先に今日はソラがいる。



「ソラ 今日は楽しいですか?」

少し迷ってから 白石が揺れた


「ソラ? 俺のこと嫌い?」

すぐに 黒石が揺れる


「じゃあ 俺の事好きだな?」

白石が揺れたのを見て 理央は満足げに頷いて


「俺もソラの事好きだぜ」と言ってから 質問を続ける


「レオナちゃんのことは好き?」

YES

「トキの事は 好き?」

YES

「トキが 喜んだらソラは嬉しい?」

YES

「トキを喜ばせたい?」

YES

「トキを喜ばせるために協力できる?」

YES

「トキが居なくなったら悲しい?」

・・YES YES

「じゃあさ トキに協力するのやめる?」

石は動かない


「ソラがやめるなら 俺もソラに付き合ってやめようか?」

NO

「だめ!理央さん 

トキはずっと家族に会いたがってたんだからそれはダメだ。」


今まで口を結んで石を動かしていたソラが 黒い石を見つめながら黒い石を揺らしながら言う


理央にはそれは聞こえていないはずなのに


「うん ソラ そうだね 俺も悲しい。それは悲しいより寂しいんだよな。

トキがいなくなったら一緒に寂しがろうぜ。寂しさは分かち合えば小さくなるんだぜ 俺らの寂しさよりもトキの幸せだよな 男はつらいぜ!」


そう言いながら石を撫でる ソラの手も一緒に撫でられる 


「じゃあ 最後の質問な ユキの事は好きか?」


自分の名前が出たことにチラリとユキが理央の方を向く、ソラが照れくさそうな顔をして白石を動かす

ユキはソラ以上に照れくさそうな顔になって 顏を伏せてしまった


「うーん ソラはユキより素直でいいなあ ユキも素直にソラの事好きって言えばいいのになあ」


理央がそう言って ソラと一緒になって 白石をユラユラと動かす

理央も ソラも楽しそうだ


視えない理央が ソラと心を通じさせている。


理央は太陽だ 明るい太陽だから 影まで魅了してしまうのだろう

本日二話目です。

あと一回投稿予定です

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