表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/96

2-36 8月突入

とうとう 8月に入った

祖母の作ってくれたワンピースは作りが単純だから涼しくて、しかも トキとお揃いっぽい という事でレオナのお気に入りだ。なんなら一日おきに着ているくらいだ。


レオナは その大きなポケットに凍らせた小さいペットボトルを入れて今日も ガーデンのカフェに居る。


トキが決断したら、と既にユキと理央は相談してあったらしく カフェにメンバーが、最後に不機嫌そうなソラが揃う頃には 話が纏まっていた。


そして そのことにソラは更に不機嫌そうな顔になり、その隣で深淵がソラに反応して震えていた。


作戦?としては”レオナに見えない、且つトキの気に入る深淵をいつものカフェ周辺で待ち構えて捕まえる”という 当たり前 な上にきわめて単純なものだ。


この単純な計画に至るまでには ユキと理央でいろいろ考えたらしいが、結局の所、一番簡単な手段となったのは…トキが風に飛ばされてしまう事を心配したから、らしい。


「まずは ガーデンの門あたりの結界を解くね というか 結界張るのを止めるから レオナちゃんはそのつもりでいてね」


ああやっぱりっとレオナは納得する ガーデンでレオナが深淵に遇わないと思っていたのも ソラが入ってこれなかったのもユキの結界のちからだったのだ。


でも なぜ ユキはガーデンに結界を張っていたのだろう?レオナが少し首を傾げるのと同時に 理央が軽口をたたく


「ユキ ちょっと神経質な所があるじゃん? 自分の周を綺麗にしておきたいのよ それなのに俺が連れ込むから 怒るったらありゃしない…余裕のない男は嫌われるよお?」


「師匠が結界を解いたら 深淵だらけになるんですか?」

「そんなことにはならないと思うよ?そんなに深淵だらけになったら嬉しいけど…」


ユキはレオナがぞっとするような事をさりげなく言ってから、続けた


「それに レオナちゃんが嫌だなって思う深淵にはお帰り頂けばいいよ? ああ、でも 悪霊退散!っというは止めようね。基本的には 怖いモノじゃないからね?」 


あら?悪霊退散は違ったらしい。自分では「やってやったわ!」っと少し誇らしくさえ感じていたのにっと 恥ずかしくてちょっと赤くなって俯くレオナにユキが言う


「多分 バディを見失ってちょっと荒れてるだけだろうから優しくしてやってね。

 ”ここにはバディはいないから バディのところに帰りなさい”って言って でもこっちには来ないでね って気持ちを込めてお清め代わりに少し塩をまいておけばそれで充分だと思うよ。」


レオナは俯いたまま 頷くという器用な事をやってのけた


「ねえ ちょうどよくっていうか 台風が来るじゃん!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ