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2-27 レオナはお姉ちゃんです

「なんで 病気になって死んじゃうのに生まれるんだろう?」


チルチルとミチルの来年生まれる弟が「僕は3つの病気を持って生まれて その後はいなくなるんだ」と言うセリフを読んだ後でレオンが呟く


その場面はレオナにとっても不思議な場面だった。

だが 今 膝で弟が呟くのを聞いたときに 自然に答えが出た


「それでも チルチル達の弟に生まれたい お母さんやお父さんに会いたいって思ったんじゃないのかな?」

「そっか 僕も お姉ちゃんの弟に生まれたい この家の子に生まれたいって思ったから 今 居るんだよ」


レオンが甘えて レオナに身体を預けて顏を上げてレオナを見てニッコリ笑った。


そんな二人を母親が書き物を止めて 幸せそうに見ていた。




***



トキはテレビを見るのが好きらしい。最初は中にひとが入っている不思議なものだと思ったらしいが、今は そういう訳ではないということを理解している。


アニメーションや 時代劇 音楽番組 それから 意外な事に高校野球も好きなのだとか…神社の境内で兄たちが野球をするのを生前よく見ていたらしい。高校野球を見ると、境内での野球とはずいぶん違うと思いながらも 兄たちを思いだすのだそうだ。



レオナがトキと一緒に番組表をチェックしていると

「おねーちゃん」


と レオンが声をかけながら、おぶさって来た


「レオ もう 重いって 4月から小学生でしょ ピシっとしなさいって」


と言いながらも レオンを下すことは無く軽く揺すってあげるときゃっきゃっと笑う

そんな二人をトキはじっと見ている。


「ねえ レオ もし 家が火事とかになっちゃって 逃げているうちにはぐれちゃったらどうする?」


ふと レオンに聞くと


「そんなこと言わないで。。。」


っと 泣きだした

年が離れた姉弟で 甘やかされたレオンはこういう話に弱い。もうすぐ1年生なのに これで大丈夫なのか?とレオナは心配にもなる。


「あー お姉ちゃんが悪かった ごめんごめん。 もし はぐれても お姉ちゃんが絶対に探し出してあげるから大丈夫 よしよし」


レオンの頭を撫でながら ああトキもきっと 同じような事を言われたんだなあ っと思い トキが居た方を見ると さっきまで居たはずのトキはいなかった。


部屋に戻ってみると トキは部屋で”青い鳥”を読んでいた


「あ こっちにいたのね 良かった ごめんね お姉ちゃんちょっと ご飯食べてくる テレビなるべく見れるようにしておくから 見たくなったらおいでね」


 小さい声でトキに言うと レオナは食堂に戻った。

レオンに言うように レオナは自分の事を自然に”お姉ちゃん”と言ってしまったが ここに居る間は お姉ちゃんになってあげたいと思い 訂正しなかった。



***


トキは 昼間は レオナ達が宿題をしたり 本を読んだりするのを眺めたり 高校野球をテレビで見たりして過ごした。

時折 レオナたち家族が食事をしながら会話を弾ませているのをテレビを見ながらも気にしているのをレオナは感じていた。


夜は一緒にベッドに入って寝た。中学生になっても夜中にふと すぐそこに深淵がいるような気がして恐怖を感じる事が多いレオナだが 隣にトキがいると思うと 怖くなかった



レオンは甘えん坊です

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