2-24 ガーデンのお友達来訪
7月下旬、レオンの保育園が3日ほど急遽 休園になった。
突然の事でレオナの両親は休みが取れない。
レオナは出来れば家でレオンと過ごしてほしい と頼まれた。
「ガーデンのお友達を呼んでもいいわよ」
っと 母親には言われたが レオナは弟と過ごす事にした。
レオナがガーデンに来れないことを告げると トキはガッカリしたように見えた。
トキに表情が出てきたのか レオナがトキの気持ちを読み取れるようになったのか 若しくは レオナの願望か?
「うちに 来てみる?」
レオナの問いにトキが頷く。
トキは ガーデンの友達だし それ以前に誰にも見えないのだから問題はないだろう
皆で相談した結果 トキが風に飛ばされないように トキは理央につかまって移動することにした。レオナ 理央 トキの3人(?)で レオナの家に向かう
「送り狼じゃん♪」
理央が何故か嬉しそうに 歌うように言うのに誰一人反応しない。
「理央よりも 理央に集まって来る深淵に注意しろよ 理央はいろいろ引き寄せる磁石みたいなやつだからね」
ユキは理央が居ると レオナと二人の時と雰囲気も言葉遣いも少し違う
本当はついて行きたいんだけれど…と 心配げに3人を見たユキだが これから どうしても外せない用事があるのだそうだ。
チラリと病院の方を見たユキから ユキの家族が病院にいるのではないか とレオナは推測した。
レオナは 自分の妙な歩き方や行動について 人に触れてほしくないと思っている。
だから レオナも人のプライベートについては聞かない。
ただ いつかユキの方から いろいろと教えてくれる日が来たら嬉しいと思っている。
理央と一緒に歩いていくと 理央がユキから「砂鉄を集める磁石みたいなやつ」
と称されるわけが分かった
ガーデンから出て 左右を確認すると早速 スルスルと滑りながら深淵が近づいてきたが
リオナがポケットの桜塩を一つまみ
「悪霊退散!」
と言いながら投げつけると 後退りしていった。
ん?悪霊退散でいいのだろうか?師匠は何と言っているんだろう?聞いておかなくては とレオナは立ち止まりノートに”師匠におまじないを聞く”と書き込んだ
ふう と一息ついて 駅への近道の駐車場へ抜ける階段を下りる。
駐車場の中ですれ違った人に トキが視線を向けて 何か言ったがレオナには父親より年上のおじさんしか見えない
駅までは無事についたが 今度は理央がふらふらとホームの端っこへ向かうので 慌てて袖を引っ張る
「理央さん 危ないですよ」
「あ! なんか あっちにから呼ばれたような気がして」
っと 謝った。これでは どちらが年上かわからない
電車に乗ってからは 深淵に出会うことも無く、無事にレオナの住むマンションのエントランスにたどり着いた。
レオナは自室にトキを入らせて 待っているように言い、エントランスまで戻り 理央に会う
「無事に家にトキを迎えました! ありがとうございました」
「よかった! じゃあ 次は木曜日ね 午後だよね?1時に迎えに来るね。何かあったら俺の携帯に電話してね 最優先で取るから」
「理央さんの電話番号?」
「ほら レオナちゃんのノートに俺書いたじゃん あああ 覚えてないんだ?ショックだなああ」
「あ 思い出しました ソラのページですね。かしこまりました!」
「あとさ レオナちゃん 今日ここまでくる間 俺のこと 守ってくれて ありがとうございました」
長身の理央がペコリと頭を下げる
いえいえ と 恐縮しながらも レオナは 自分の視る力が 今日は役になったのかもしれないと嬉しくて ニヤニヤしてしまう。そんなレオナに 理央も笑ってじゃあね っとエントランスを出て行った




