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2-22 黒いマル

レオナは聞きながらメモをして 黒いマルって深淵の事だろうか?と思う。

それを見ながら理央が聞く

「そのマルって今もよく見るの?」

「前はたくさんいた。今は あんまりいない」


黒いマルが現れると身体だけ残して行く って 死んでしまうって事だろうか?

前って 戦争中とか戦争が終わったころの事だろうか? 

その頃は人が沢山亡くなったって事だろうか? 

それをトキは一人で見続けたという事だろうか?


レオナはショックを受けながら理央の膝の上のトキを見る。


話を終えたトキは 理央の首筋から1本だけ垂れている鉛筆ほどの太さの三つ編みを弄んでいる




***


「あるところに チルチルとミチル という兄妹が。。。」

ソラが 台本を手にトキに読み聞かせをして トキは熱心に聞いている



離れたテーブルで人間たちは レオナのノートを囲んでいる。

レオナは 字が綺麗になりたいっと今ほど思った事は無い。


レオナのノートには 相変わらず棒人間が踊っていた


棒人間トキ 複数の棒人間おばあちゃん 吹き出し ちいちゃん ゆり 等

おばあちゃん → 笑う 歌 → 満足 → 深淵マル →彼岸

昔 深淵多い 今 少ない



「経験者が居るってすごいなあ トキに感謝だなあ」


ユキが感心したように言いながら レオナの個性的な字の躍るノートを見つめている


すると 理央が横から手を伸ばして 落書き なのか イラストを書き添え始めた。


”トキ”の下にはおかっぱの女の子 ”おばあちゃん”の下には猫を抱いて正座しているおばあさん ”深淵”の横には まん丸に近い綺麗な円を描き そして ”彼岸”の下には 天使?菩薩じゃないのか?


「理央さん 絵お上手ですね。この女の子トキに見えます……あ!そうだ! トキの事はどうなったんですか?」


ユキと理央が顏を見合わせてから 理央が口を開いた


「説明しよう! 俺とユキの出した結論としては 1、トキは多分 戦争中に亡くなった子供 ただし  

場所などは一切不明 苗字も場所も分からないし その頃に亡くなった子供の名前をたどるのは不可能でした。 

2、年代的に考えてもトキの両親は亡くなっている 3、トキは両親に会いたがっている。って事はあの世に送ってあげる事がトキの希望をかなえる事になる 4、ただし 俺たちには”成仏させる”手段はない…」


手詰まりっという事か? と がっかりするレオナを見て 理央はニヤリと笑った


「でも それは昨日時点のハナシ、俺 閃いちゃった! 

さっきトキが、一緒にいたばあちゃん達?が深淵が近くに来ると身体だけ残して行っちゃうって言ったでしょ? ってコトは つまり 亡くなってアッチへ行ったって事だよな? ほら見て」


理央がレオナのノートの自分が落書きした絵を指さし ユキもそれを見て言う。


「トキは 過去何回か トキの事が見える老人に会っている。

老人はトキの事を孫だと思って可愛がってくれて そして 死ぬ時には深淵が現れた。」


自分の話だと分かったのか トキがやってきて理央の膝によじ登る

それをレオナが理央に伝えると 理央はキュっとトキを抱きしめながら言葉を続ける……トキやソラの中に理央の指が刺さっている風景には慣れっこになって来た


「ユキは前にも言ってただろ? 深淵はあの世へ行くためのゲートだって。

トキの話を聞いて俺はますますゲートだって思えてきたよ。深淵を通ればアッチに行けるんだろ?

ってことは 深淵を連れて来てトキがそれを通ればいいんじゃないか?」


いい考えでしょ?と得意気な顔で言う理央だが ユキは黙っている 理央が続ける


「野良深淵捕まえて 手なずけて 協力してもらえばいいんじゃん?」

「野良深淵?」

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