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2ー21 トキとソラはお話をする

顏を上げたレオナの眼に キラキラと眩しいシャボン玉と 毛並みの良い黒い毛玉(?)が花壇の縁に丸まっているのが見えた。ユキを振り仰ぐとユキも驚いたような顔をしていた。


二人の手が離れると シャボン玉も黒猫も消えた。


3人の大袈裟な一礼で 紙芝居の終了を察した親子たちはテラスから去って行った。



「あれが 師匠がいつも見ている世界なんですか?」

「いや… 初めて見たよ あんなにハッキリと世界が輝いているのは…僕に分かるのは気配くらいだって言ったでしょ? やっぱり レオナちゃんと接触すると 世界が変わるなあ」

「いいなあ 僕もレオナちゃんと手をつないだのに 子供たちしか見えなかったよ」

「理央 もしかしてそれを期待して手をつないだのか?」

「それもまあ ちょっとはあるけど カーテンコールみたいで楽しいでしょ?」


人間たちが語り合うのを他所に 人外たちも広げた紙芝居をめくりながら語り合っている


「トキには おじいちゃんとおばあちゃん いたのか?」

「うん いた おばあちゃんはいっぱいいた みんな優しかった ソラは?」

「いた、、、かなあ?」

「ソラは 生まれるときになにを持ってきたの?」

「この深淵と あとは…なんだろう? トキは?」

「なんだろう?」


「じゃあさ トキは何が楽しいの?」

「そうねトキはテレビ見るのたのしい テレビの中には笑顔の人がいるの」


二人の会話を聞きながら トキは見た目は5歳だけど 70年もこの世を彷徨っていたから 5歳よりももうちょっと精神年齢は上なのかな? レオナがそんなことを思っていると 理央が声をかけてきた。


「紙芝居が 風もないのに動いているのはソラとトキが紙芝居を気に入ってくれたからかな?」

「そうみたいですよ トキにはやさしいおばあちゃんがいっぱいた らしいです」

「え? おばあちゃんがいっぱい?トキは大家族なの? 」


いつの間にか近くに来たトキが理央の膝に座りながら言う


「違うよ かぞくはとーちゃんとかーちゃんとにーちゃん おばあちゃんは トキを違う名前で呼んで 一緒にすごした人 」

「ちょっと 待って 今 メモするから」


レオナは、トキの声が聞こえない理央の為に、オレンジのノートの空いているページにトキの言う事をメモする。


要約筆記…にしては要点をとらえているか分からないし 字がとても雑なのも気になるが、理央がレオナの字を見て頷くとトキが話し出す


「トキはずーっと一人だったわけじゃないのよ。 時々 トキを見つける人がいて トキじゃない名前を呼ぶの ちいちゃん とか ゆりこ とかね。

 みんな 優しかったわ ちいちゃんって呼んで笑って 歌を歌ってくれたり そして 満足すると いつの間にか”くろいマル”がでてきて 身体だけ残していっちゃうの」

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